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アニメ化が決まったラーメン赤猫が面白くて今までごめんなさいという話

いや、タイトルとサムネは知ってたよ。
でも、猫好きが「にゃんこかわいいー!」って漫画かなって。
猫好きからの支持だけでジャンプラ連載権獲得した漫画かなって。
そう思ってました!ごめんなさい!!

でも読んだことない人の何割かはそういうイメージあるんじゃないかな!
良くないよそういう決めつけ!
猫かわいいってだけの漫画じゃないから!
めっちゃ心打たれるから!
ってわけでざっくりとどう面白かったか紹介

あらすじ


ラーメン屋のラーメン赤猫は、店長の文蔵(ぶんぞう)を始め、猫たちだけで切り盛りしてきた。そこへ人間の女性、社珠子(やしろたまこ)が就職面接に訪れる。
猫好きでない珠子だったが何故か採用され、まずは休憩時間に猫の毛をブラッシングする業務やさらには食器洗い等を担当する事になり、その日々の行動を通してラーメン赤猫で人間のよう働く猫たちとそれを支える猫好きな人間達、さらには色々な客が訪れるラーメン屋で描かれるキャットフルコメディ。

Wikipedia

いや、そのとおりだけどキャットフルコメディって何?

このあらすじのとおり、本当に猫がラーメン屋を切り盛りしている。
ファンタジーテイストで営業しているのではなく、そのへんに実在するのでは?というリアリティで営業している。
話せるの?毛は入らないの?法的にどうなの?明らかに注目集めちゃうよね?
的な疑問は、「一部の猫は環境によっては喋れるようになる」等の設定が作中で丁寧に説明されており、「法的人格」取得のための試験なんかも存在する。
最初のオープン時は猫の店ということで客が殺到して店が回らず、クレーマーと猫好きがもめて一度休業した過去があるとか妙にリアル。

良かったところ

働くことの喜びをしっかりと描いていることが最大の魅力だと思う。
働いても働かなくても人生を充実させることはできるのかもしれない。
でも、「働く」ということを選ぶ理由もちゃんとある。
本来、性質としては働くのが嫌いなはずの猫(普通はそうだということもちゃんと説明あり)が、働かなくても生活できるのに働いているからこそ、「働くのって悪くないのかな?」って思わせてくれる。
特にそう感じた2つの観点をピックアップ。

人を喜ばせてその対価をもらうことの充実感

現代人の何割が得られているのだろうかというその喜びを猫が教えてくれる。

眩しくて直視できない接客への意識の高さ

「接客一番、味二番」というこの店のモットーに集約される、この店のお客様へのスタンスが素晴らしい。
味への研究にも妥協していない職人気質の文蔵は、それでも味は二番と言う。
おいしいラーメンを食べたとしても客が満足しなければ意味がない。
「来て良かったな」と思って帰ってもらうことが一番なのだ。

「結局はお客さんが何を求めてるか想像力を働かせるの」
やめてくれ、これ以上俺の働き方を責めるのはやめてくれ。
普段と違う対応を求められる度に必ず小言をこぼしてしまう正反対のスタンスと向き合わせないでくれ。
「結局自分がどう楽をするか想像力を働かせるの」って考えて働いててごめんなさい。

このスタンスを全員が共有しているからこそ、来店した人は皆笑顔で帰っていく。
「猫が好き」という理由で来店した客のニーズを理解しつつも、それ以上の喜びを必ず与えられるよう全力を尽くす。
その結果、猫好きの客もマナーを守る心地よい空間が店内に生まれている。
「客を育てる」ってフレーズが「ラーメン赤猫」ってタイトルの漫画で出てくるとは思わないじゃん…

何を求められているか分かって働くのはきっと楽しい

メンバーそれぞれが互いを尊重することの尊さ

この子たちはお互いのことを心から大切に思っている。
調子が悪いときに無理をしている姿が目についたら絶対に声をかけるし、ポジティブな行動は絶対に褒めてくれる。
「この人がやるのが一番いい」って仕事がある場合、本人が「体調悪いけど、それは私がやります」って言うとその言葉に甘えがちなこの社会において、「休めこのやろー!!」と言わんばかりに佐々木さんを休ませる姿が尊い。
「いつも助かってるよ」なんて普通照れて言えないところ、引っ込み思案のクリシュナに事あるごとに感謝の気持ちを伝える姿が尊い。
人、猫の垣根を越えて大切な仲間が正社員登用されたことを登用した側もされた側も心から祝う姿が尊い

替えのきかない佐々木さんでも安心して休める
祝う側も祝われる側も幸せ

こんな環境なら、何をしていても楽しい。
働くことに限らず、部活なりサークルなりでも、こんなメンバーなら何をしていても絶対楽しい。
でも、こういう連帯感が生まれやすいのはきっと働く場なのだ。
同じ目標に向かってチームとして互いの良さを引き出し合うからこそ、尊重し合う関係が構築される。

その土台にあるのは従業員全員の労務環境を徹底的に良好に保つ佐々木さんのコンプライアンス意識の高さ。
弁護士とも相談の上で整えた労務環境で、人(猫、虎)はここまで生き生きと働けるものかと思い知らせてくれる。

まとめ

猫のかわいさに一切触れなかったけど、触れるまでもなく、時に真剣に、時にふざけ、時にかわいらしく、でもいつだって真摯にラーメン屋経営に取り組むにゃんこ達のかわいさも当然魅力の一つです。
猫好きの方もそうでない方も、是非一度読んでみてはいかがでしょうか。
アニメ化も非常に楽しみですね。
勢いだけで一気に紹介記事が書けてしまうくらい魅力的な漫画でした。


最近は魔々勇々の感想をメインで書いてるので、そちらも良かったら読んでね!

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