魔々勇々第11話「姫様に首ったけ」感想(ジャンプ51号)

この記事で掲載している画像は全て2023年週刊少年ジャンプ51号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

次回(12話)感想はこちら

前回感想で気にしていた
・元の世界に戻る方法
・勇者と魔王が争う根拠は?
このあたりに触れてくれて嬉しい。
加えて、キャラ同士の掛け合いが見られて大満足。
キャラの魅力が持ち味の漫画は、会話しているところを読んでいるだけで非常に楽しい。

剥けおった!

悪女に一皮剥かれおった!!

高速で貧乏ゆすりしてて草

いや、実際「だから女にモテんのだ」と言われてた頃とは別人だしなあ。
男子校出身の息子からの一人暮らし後最初の電話口で痴話喧嘩聞かされたら剥かれた!ってなるよ。

やっぱりマママいいなあ。
コルレオとの関係性をしっかり描写してるから、台詞に一番体温を感じる。
他のメンバーも十分魅力的なんだけど、これから関係性を構築するメンバーと、既に出来上がっているマママとの差は大きい。
今後もちょいちょい顔出ししてほしい。

抱き枕のくだりの中にしれっと入ってる「え?」「え?」に笑う。
エリシア「私のいきがい、アイドル魔王の抱き枕にされちゃってる…?」

「1回きりに決まってんだろ!」って返しがまた下手すぎる。
初回は合意の上だった感出すな。
本当に剥かれた奴のコメントになってるじゃないか。

ここ、マママの左腕が黒いんだよね。
単なる治療なのか、特殊な回復方法を使っているのか。
義手のカバーの可能性もあるけど、戦線復帰の伏線だといいな。

見開き


すっかり打ち解けているご様子

どうしてセンターカラーでこれができなかったんだ!
「近代文化」ってフレーズから、ちゃんとそれぞれが元居た世界の設定も意識していることが分かって嬉しい。
コルレオの世界は昭和中期イメージかな。
ミネルヴァが現代もしくは未来、エリシアは電話と信号を知らないってことは明治以前か。
そう考えると、「意識をずらす」なんて効果は情報社会であるほど効果的で、物理火力はそれを代替する機械が発達していない昔ほど効果的だから、それぞれの紋章術は理に適っている。

アイドル魔王

台詞ないからいいってモンじゃないから!

ああ、これは魔王だ。
勇者にこれはできない。
先週初々しいラブコメ感に会心の笑みを見せた後でこのアシストは下世話すぎるよ。
この後のエリシアの表情も素敵。
こういう掛け合いが増えるのは嬉しい。
少ないコマの中の表情、台詞でどんどんキャラが立っていく。キャラの魅力の引き出し方は本当に唯一無二のセンスだと思う。
願わくばコルレオとエリシアに普通の会話もしてほしいなあ。
「ん?どしたのトイレ?」とか言ってる場合じゃないんだよ。
毎回最悪のコメントだよ。
女子二人しか友達いないのにどうしてデリカシーが育たないんだ。
この後また重いって言っちゃうところといい、コルレオのダメさが癖になるほど面白いんだけど、ここ楽しめる層って何パーセントくらいなんだろうか。

何故勇者(私)から金を取ろうとするのだ

特権意識の強いラルフレッド君。
あの姫様を敬愛しておきながらその考え大丈夫?
豊かになるの意味わかって聞いてた?
眼のぐるぐるはあれか、常時混乱状態を示しているのか。
アンサートーカーとえらい違いだな。

とはいっても、世界が違えば常識が違うのは当然。
ラルフレッドが民に高圧的に出るところも含めて「あの世界出身ならその考えも仕方ないよね」とまで思わせられたら見事。
本好きの下克上なんかだと、貴族が特権意識を持つのは当然で、その感覚自体は良識が反映されるような次元の話ではないということがちゃんと描写されていた。
無理かな。ラルフレッドは猪突猛進のおバカさんかな。それはそれで良し。

絶対負けらんねェ時に使いな!!

ミネルヴァ師匠かっこいいっす。
身体能力強化は基本ストックを消費しないことが判明。
ストック消費すると出力過剰。
反動リスクから考えると、通常の勇者魔王は身体能力強化にはストックを消費しないのかな。
本来の紋章術に使ったほうが基本強そう。
エリシアの剛力は反動がないという意味で身体強化とは差別化が図られていると。

今回は2個消費、ダメージなし。
治癒の必要性は分かったんだけど、身体強化に1個、治癒で1個って燃費が悪いような。
能力説明回だし、修行で燃費も良くなるだろうしこれからか。

浮遊をあえて初期で付与した理由はまだわからず。
単純な大ジャンプで代替可能な気もするけど、今後必要性が出てくるか。
浮遊を有効活用したバトル自体は楽しみ。

別の世界に連れて来られるなら帰すことも可能だろうからな

帰ることとグリシャを倒す(捕らえる)ことがつながった。
とりあえずここがすっきりしたのは嬉しい。
世界を移動するスキル自体がほぼ唯一無二だとすれば、グリシャを追わなければいけないのはその通り。
コルレオに移動術が発現した場合ややこしくなるなあ。

回想シーンすごい

3ページがすごい濃密だった。
必要な情報をここまで凝縮させられるものなのか。
キャラ立て→裏切り→情報開示を1ページずつで完璧に果たしている。

生まれてきて良かったと思える最期であってほしいのです

民を大切に思う女王というありきたりなはずのキャラが1ページの回想でしっかり立ってる。
「生きたくないのに生きる、死にたくないと思って死ぬ」
の裏返しは、いつでも「生まれてきて良かった」と思い続けられること。
綺麗な表現だと思う。
自分はそうやって生きられているだろうか。そうやって死ねるだろうか。

サブタイトル回収

姫様に首ったけってそういう…
展開上、裏切られること自体は予想どおりだけど、絵面のインパクトがそれを超えた。
ここまで救いの余地なく裏切るとは。
ラルフレッドの物分かりの悪さも、魔王を須らく殺すという決意の点では頷ける。無銭飲食はダメ。

このクソみたいな紋章が悪いんじゃないか…?

そしてこの作品どころか勇者魔王概念の核心部分。
読者も気になってる。
勇者と魔王はなんで争うの?
RPGだともちろん世界を滅ぼす側の魔王と守る側の勇者で当然に対立するけど、その前提の魔王側のモチベーションは普通明らかにならない。
この魔王の発言を見る限り、魔王個人の意思以外のものが関わっているように見える。
ミネルヴァの口から次回語られたりすると嬉しい。

無銭飲食が何言ってんだ?

ほんとそれ!
読者を代弁するのはいつもコルレオじゃなくてミネルヴァ。
ラルフレッド君、辛い過去を見せて姫様への忠誠を語るのはいいけど、なんでその結果が無銭飲食なの?ってすっごい気になっちゃうからね。
姫様は本当に善人だった一方、お前は姫様の善意でなんとか周りから黙認されてたそれなりの悪ガキだったんじゃないか?って思っちゃうからね。
次回ガツンと叩きのめしつつ説教してほしい。
読者のツッコミどころを先にキャラが潰してくれるのでストレスフリー。

まとめ

会話での見せ場の作り方が本当にうまい。
世界観自体も、丁寧に少しずつ開示されているし、「ここがよく分からない」とかを気にして読まなくてもいいと思う。
今まで記事にした懸念点なんて大体数話のうちに解消されているし、素直に展開を楽しむのが吉。

掲載順ドベなのはあんまり気にしていない。
新連載3つ含め、今のジャンプ連載陣は面白すぎる。
そりゃドベ引くこともある。
本格的にアンケートが取れ始めたのはミネルヴァ登場からかなという気もするし、生き残った上で中堅→上位と上がっていく面白さは絶対ある。
連載が続くほどキャラに厚みが出てくるんだから、魔々勇々は続けば続くほどファンが増えると思う。
引き続き楽しみながらアンケートを出していこう。

過去話感想

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◆特別編 魔々勇々の魅力

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