なぜ医師は騙されやすいのか?
こんにちわ。ずぴです。今回は医師の騙されやすさがテーマです。先日また友人がワンルーム詐欺に引っかかってました。典型的な手法で、あれだけ言われているのにもかかわらず後を立ちません。このnoteを読んでいる方は情報感度が高く、リテラシーも高いため例外かもしれませんが、多くの医師は騙されやすいです。病院の外の世界はビジネスの海が広がっていて私たちはネギを背負った鴨です。騙されている自覚があればまだマシかもしれませんが、私の友人のように投資だと本気で思っているようだと、もはや手がつけられません。今回はなぜ医師が騙されやすいのか自分なりに考察をしてみました。本来は我々は日本の偏差値トップであり騙されにくいはずであるのに、なぜ簡単な不動産詐欺に引っかかってしまうのかを自分なりに考えていました。自戒を込めて書いています。
ではそれぞれ解説していきます。
◾️医学部、病院という村社会から出たことがない
これはなかなか根が深い問題ですよね。医学部や病院は閉鎖され特殊な環境です。その世界以外のことを知らないのが大問題なんです。多くの医学部はキャンパスも他学部とは離されていることも多く、地方大学だと近くに大学がないことも多いです。大学病院で初期、後期研修を行う場合は人間関係が大きく更新されないまま、ずっと過ごすこととなります。他学部や他職種との交流もないために、交友関係も医者か医療者くらいです。当然情報も隔絶された中で育つので、会社員などが身につけるような知識も我々は身につけることができません。また身につけていなくても友人や知り合いに詳しい人がいれば聞けるのですが、知り合いは医療者ばかりで相談をする環境もありません。養殖されている魚みたなもので大海に出たことがありません。なので大海に出た途端にサメなどの大きな魚に食べられてしまうのです。そして外部の人、つまり病院外の人を過度に警戒する、あるいは信じすぎてしまうために騙されるか、チャンスを棒に振ってしまうことがあります。
◾️失敗するという過度の恐れがありそもそも適切なチャレンジができない
安易な道に行った結果、相手の思惑にハマっている
これも先ほどの話に続く形となりますが、悪い話ではないですが、医師免許はある意味安定しすぎています。知り合いの経営者に、「医師は勤務医の給料が高すぎる。普通の会社員は給料が低いから新しいことにチャレンジするモチベーションになったりするんだが、医師はそれがない。」と言われました。確かになと思いました。生きていくには十分な給料が貰えてしまっているので、新たなことにチャレンジしようというモチベーションがありません。乾きとか渇望というのが一般の医師には少ないと思います。
そして我々は、小さい頃から受験戦争に勝ち続けてきて、偏差値が高い医学部に入学してまさに受験戦争の勝者です。医学部でも辛いテストを全て乗り越えて卒業し、国試まで駆け抜けて医師になり、まさにエリートです。
ある意味大きな成功を勝ち取った後なので、0から新しいことを始めることが怖いんです。0からやってうまくいかなくなることが怖いんです。成功した人生に何か失敗が生じてしまうとこの成功した人生が終わってしまうような感じがして、新たな挑戦やそこへの努力ができない状態になってしまっているんだと思います。そのため大きな失敗をしない方針をとるようになります。それだけだといいのですが、何かチャレンジはしたいという気持ちは捨てきれずに結果変な方向に走ってしまうことがあります。
一番最たる例は、節税詐欺にハマることです。失敗はしたくないけど大きなチャレンジはできない。でも何かはしないと気が済まない結果、節税という中途半端な方向に走って大きな失敗をすることとなるのです。
逆にいうと行動が読みやすいのです。リスクは取りたくなく、失敗はしたくないけど、利益が出そうな道ならばその道を進みたいと心理は非常に読みやすいのです。まさに業者などの思う壺になりやすいのです。
◾️時間がないことを理由に税務、法務の知識を取得をしようとしない、
あるいはそういったことを相談できる他職種がいない
これは医師の皆さんの多くに当てはまることだと思います。我々は他の職種と比較して多忙です。当直勤務や時間外勤務を考えると、仕事以外に自由に使える時間は少ないと思います。医療の知識はもちろんプロフェッショナルなのですが、それ以外の社会一般の知識が抜け落ちている人が多いと思います。例えばいまだにふるさと納税やNISAなどをやっていない人も意外と多くいます。もちろん知っておかないといけない税務や法務の知識もほとんど知りません。学校では習ってこなかったのに加えて、社会人になってからも勉強しないかあるいはその時間がないためです。知識がないなら、相談したらいいじゃんと言われるかもしれないですが、医師は医療関係者以外の知り合いが少ないです。医学部、病院のコミュニティにしか所属していなかったために、他職種と交流する機会がないためだからだと思います。また社会人になっても、交流の場などに出る機会も少なくほとんど病院から出ない生活をするためになかなか出会う機会がないんだと思います。そのため、税務、法務の知識もなく、相談する相手もいないため騙されやすい状況となっています。年収は比較的高く、お金だけはあるので、格好の的になっています。
◾️プライドが高く、そもそも無知であることを自覚していない。
医師はエリートであるために基本的にプライドが高いです。自覚はないかもしれないですが、明らかに他職種よりもプライドが高い人が多いです。先ほどもお伝えしましたが、医師は確かに医療ではプロフェッショナルなのかもしれませんが、全てに詳しく万能であるわけではありません。当然ながら知らない領域、知識はあります。そう言った不足している知識などは他の人に聞かないといけないのですが、医師はプライドが高いために聞くことができないです。それだけならまだいいのですが、そもそも知らないことを自覚していない可能性があります。まさに「無知の無知」という状態です。
この状態だと知らないことを自覚していないのでそもそも人に聞こうとも思いません。知らないとは思わず、間違った方向にいって、それでも間違ったことに気づいていな状態です。私の友人もワンルーム詐欺を本気で投資だと思って、買った後も騙されたことにも気づいていない状態の人がいます。ある意味幸福度は高いかもしれませんが、10年くらい後に気づくことになるのでしょう。
いかがだったでしょうか?少し辛辣に書きすぎてしまったかもしれませんが、このnoteを読んだ方にはぜひ欠点に気づいてそれを補って欲しいなという気持ちで書きました。医師は確かにエリートですし、他の職種の方と比べてIQも高く賢いです。
本来は騙される側ではないはずです。欠点や知識不足を補っていけば、騙される確率は低くできるはずです。私ももちろん完全でなく、まだ不足しているところもありますが、それでも少しは騙されにくい状態になってきていると思います。皆さんもぜひ努力をしてみてください。
今回はここまでとします。
Twitterでも定期的に発信しております。
https://twitter.com/kazu11310