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涼しい室内で心地よく名画達に包まれる TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション 東京国立近代美術館

台風は大きな被害を出すことなく去ってくれて一安心な土曜日。朝から台風一過の快晴!で、少し湿度が下がったようにも思えるのですが、フェーン現象で猛暑。こんな日は心拍を上げた運動は危険ということで、涼やかな室内で美しい作品達に包まれようと、東京国立近代美術館を訪れました。

爽やかそうに見えますが酷暑です。。

お気に入りのパウル・クレーさんの絵をお目当てにMOMATコレクション(所蔵品展)のみ楽しもうかとも思ったのですが、TRIOと名付けられた企画展で展示されている絵画にも惹かれたので、まずはそちらから。
TRIOとは、東京・大阪・パリの三都市、また、それぞれの都市のここ東京国立博物館、中之島美術館、パリ市立近代美術館のこと。各美術館の所蔵品と集めた展覧会です。お盆休み中ということもあって、混雑で行列ということはありませんが、そこそこの人出。

所蔵品をただ並べるのは芸が無い(?)ということなのか、各エリア毎にテーマを設けて、そのテーマに沿った三作品が展示されています。こんな↓ふうに。

「加速する都市」
左からフェリックス・デル・マルル氏作「メトロのモンパルナス駅」、川上涼花氏作「鉄路」、ウンベルト・ポッチョーニ氏作「街路の力」

こちら↓の長谷川利行氏の作品は、ユトリロの隣に飾られているせいか、一瞬パリの街並みを描かれたものかと錯覚します。「新宿風景」。

作品展数は膨大です。企画展のチケットでMOMATコレクションの方も鑑賞できますので尚更。間に補給の休憩を挟まないと、その美しさを吸収しきれずに脳が焼き切れてしまいそうです(大袈裟)。

有名なアンリ・カルティエ・ブレッソンさんの写真も展示されています
造形作品もあります。
ジャン・アルプ氏作「植物のトルソ」

そんな中、いつものように私が特に惹かれた作品をいくつか抽出して感想を述べたいと思います。いずれも一通り鑑賞した後に再訪して堪能した作品達。ただ、撮影不可のマークがある作品以外は、基本的には写真撮影が可能なので、駄文は短めに。


マルク・シャガール 氏作 「夢」

マルク・シャガール氏の絵は、中学、高校生の頃に好きで、よく絵葉書などを眺めていました。青を基調とした色合いと優しさを感じる画風に惹かれていたのでしょうか。愛情や、あるいは信仰をテーマにされた作品が多かったように思います。いつしかやや熱が冷めていたのですが、この作品は部屋に入って見渡した際に真っ先に惹きつけられた作品でした。最初はシャガール氏とは思わなかった。
こんな作品があることすら知らなかった。
天地が逆さまになった月夜にウサギのような鹿のような動物の背に横たわる女性。意味は全く理解できないのですが、なぜか心地よい。真夏の夜にこの作品をしばし眺めてから眠りにつきたい、そんな想いに駆られる作品でした。
そうそう、所蔵品展の方にはこちら↓のシャガール氏の作品が展示されています。

MOMATコレクション展 4階
マルク・シャガール氏作 「ふたり」

こちらの方が、私の先入観の中にあるシャガール氏の作品そのもの。
いつしか熱が冷めてしまった方の作風でもあります。嫌いになったわけではありませんけれどね。


ジャン・フォートリエ 氏作 「森」

絵画に詳しい方には笑われるでしょうけれど、初めてお名前を聞いた方です。
私の過去のnoteもお読みいただいた方からは、お前は森が好きだから、タイトルに惹かれたのだろう?とツッコミが入りそうですが、決してそうではなく、作品に惹かれた改めてタイトルを確認したのです。
山や森を畏れながらも自然に親しむ日本人の感性で描かれた抽象画かと最初は思ったのですが、思いがけずフランスの方。
ただ、このコーナーのタイトルは「戦争の影」。フォーリエ氏は第二次対戦中にドイツ軍に抑留されていたこともある方とのこと。そしてその作品の説明として、「精神的な抑圧を暗示」。そうなのかなぁ。私はこの作品に豊かな奥深い抱擁と癒しを感じたのですが。心理学者の方であれば、この作品から受ける私の心象風景から私自身が気づいていない私の深層心理を分析されそうです。。
フォーリエ氏の他の作品ももう少し調べてみよう。


菅井汲 氏作 「風の神」

この方も、近代美術館に所蔵されているくらいなので著名な作家さんなのでしょうけれど、初めてお名前を知った方です。。すみません。
この作品は、その色調と富士山を思わせる抽象、その作品空間に惹きつけられた作品です。風の神とのタイトルですが、そこで何が表現されているのかは正直申し上げて分かりませんが、ずっと眺めていると心のざわつきが凪いでゆくように思えます。


その他、タイトル写真にしている正面のデュフィ氏の作品は、普通に惹かれましたし、左隣の辻永氏の「椿と仔山羊」もしばし作品の前で耽溺した作品でした。

辻永氏「椿と仔山羊」部分


そしてもちろん、お目当てのパウル・クレーさんは企画展側でも所蔵品展側でも楽しみました。企画展で展示されていたのも、東京国立美術館所蔵の作品なので、何度か愛でさせていただいています。

パウル・クレー 氏作 「黄色の中の思考」
MOMATコレクションですが、今回は企画展「TRIO」側で展示

私のお気に入りのこちら↓の作品ももちろん耽溺。

パウル・クレー 氏作 「花ひらく木をめぐる抽象」部分
MOMATコレクション


パウル・クレー 氏作 「破壊された村」 
MOMATコレクション

さて、駄文は少なめと言いつつ作品を振り返っていると饒舌になってしまいました。以下は、MOMATコレクション(所蔵品展)の方で私が惹かれた作品を写真と作品名のみでご紹介しておきます。皆様が現地を訪れられ、作品の前に立たれるきっかけになりましたら。


古賀春江 氏作 「観音」
MOMATコレクション
古賀春江 氏作 「観音」 部分


山口正城 氏作 「雷心」
MOMATコレクション


篠田桃紅 氏作 「風」
MOMATコレクション


堂本右美 氏作 「kanashi-11」
MOMATコレクション

堂本氏の作品の横では同氏のギャラリートークの映像が流されているのですが、同じ映像がYOUTUBEでご覧になれます。https://youtu.be/Sv7qMuJ3j8U?si=FsypXlhx5pSv4Ble

東京国立美術館のYUTUBEチャンネルってあったのですね。存じませんでした。
早速、チャンネル登録をしました。

眺めの良い部屋(4F)からジブリのような雲

多くの作品に接して脳から煙を出しながら帰路の担々麺

赤坂飯店 作 「担々麺」

帰路の江戸城

江戸城
江戸城

企画展「TRIO」は来週8月25日(日)までです。会期末なので来週末は混むかもしれませんね。

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