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コメツガ、シラビソの香が満ちる苔の森

何となく控えていた趣味の登山。ワクチン2回摂取と緊急事態宣言解除をきっかけにして、これまた何となく再開をしました。紅葉が綺麗な東北や谷川岳方面の天気予報は今ひとつ。それなら雨後に美しい苔の森で鈍った身体を整えようと来た八ヶ岳を訪れました。

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狙い通り、露を帯びた苔は活きいきとして美しく、都市周辺の公園には遠く及ばない強い生気に満ちています。
そして思い出したのです、コメツガやシラビソの森に満ちるかぐわしい香りを。

以前に日光の女峰山や奥秩父の十文字峠から千曲川源流域などを歩いていた時も感じたのですが、このほうじ茶を奥深く濃密に、しかし爽やかにしたような香りは、森に満ちた生命力と相まって両手を広げて深呼吸したくなる気持ちよさがあります。胸いっぱいに吸い込めば吸い込むほど、何やら身体が物理的に浄化されそうな心地すらします。
おそらく、匂いだけを持って来て部屋の中で流すのであれば、伽羅の香などを焚く方が品良くふくよかのだと思います。やはり、苔のみずみずしい緑、正常な空気など豊かな森に身を置いてこその多幸感なのでしょう。

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特に北八ヶ岳は森が豊かな場所。人気の山域ではありますが、場所を選べば静かな散策が楽しめます。
(今回私が歩いた、みどり池登山口→シャクナゲ尾根→ニュウ→中山峠→黒百合ヒュッテ→中山峠→しらびそ小屋→みどり池登山口というルートなら、ニュウと黒百合ヒュッテ以外ではほとんど人と会うこともありません。とは言え、白駒池周辺の苔が美しいのですけれどね。。)

川沿いや滝の周辺にを訪れる際に今でもよく語られるマイナスイオン効果は、どうやら疑似科学であるとの研究結果が出ているようですが、一方で木々の出す揮発性物質のフィトンチッドの効果は科学的にも効果が認められているようです。まぁ、科学的実証を抜きにしても、あの森の空間に身をおくことの心地よさは誰しも実感できるもの。今回の山行で十二分に活力を充填することができました。

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車を少し走らせるだけでこんな美しい森の中に身を置くことのできる幸せを噛み締めます。後世にも大切に残していきたい日本の宝ですね。

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ナナカマドの紅葉も始まっています。

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