個展(我的台灣 and Works)の振り返り
錦糸町にある建築デザイン事務所、兼、カフェ「PERK SHOP」さんにて2023年12/9~12/23にかけて個展「我的台灣 and Works」を開催させていただきました。
私は趣味として長年写真を撮り続けてきました。
その中で色々とご縁をいただき、今回PERKさんにて写真展をさせていただくことになりました。
展示構成
今回の個展では台湾で撮影した風景、過去に撮影したポートレート(人物写真)を展示しました。
私がポートレートを撮り始めたのはコロナ以後、それまでは風景の写真しか撮っていませんでした。
特に好きだったのが台湾で写真を撮ること。
そもそも興味はあったものの、たまたま友人との海外旅行の旅先に選んだのが台湾。
日本からのアクセスも良く、程よい異国情緒があり、何より食事がとても美味しい。
私はすっかり台湾にはまってしまいました。
そんな大好きな台湾の写真をどこかで見てもらいたいという漠然とした思いはありつつも、2019年以来現地に行くことができず、しばらく停滞の日々が続きました。
今年コロナ明けで久しぶりに台湾へ行き、現地の空気を吸い、懐かしい街並みを歩き、写真を撮り、改めてこの景色を展示したいという気持ちが強くなりました。
そして個展の機会をいただき、長年温めていた思いを形にするための一歩を踏み出すことに。
ポートレートについては、これまで何度かグループ展へと出展してきましたが、その機会から漏れつつも展示したい作品は数多くあります。
被写体さんと作り上げた作品、できるだけ多く飾りたい気持ちはありつつ、会場のスペースは有限なので、その中から選んで展示させていただきました。
1階の展示
1階には3点の作品を展示
入口すぐ左手には今回のメインビジュアルにも採用した作品を
会場であるPERK SHOPさんはコーヒースタンドですが、観葉植物を取り扱っています。
展示の顔となる作品は植物をメインにしようとこの作品を選びました。
この作品で写っているのは手だけですが、ご協力いただいた被写体さんにはこの場を借りて改めてお礼を申し上げます。
1階奥にはワンちゃんの写真を2点展示しました。
なぜワンちゃん?かというと、PERKさんではワンちゃん連れでもお店を利用できます。
お店に遊びに来てくれたワンちゃんを撮らせていただくことがしばしばあり、私の中では「PERKさん=可愛いワンちゃんに会える場所」
というイメージがあるからです。
こちらの写真は私が何度か撮影させてもらっている被写体である「ゆまるさん」
そして愛犬の「トロちゃん」をPERKさんで撮影したものです。
そしてもう一枚、PERKさんで何度か撮影させていただいている「ピノくん」
PERKさんの植物に囲まれリラックスしてくれているよう
展示をご快諾いただいたご家族の方には改めてお礼を申し上げます。
そしてメイン会場である2階の展示
台湾の写真(スナップ)
今回展示させていただいた写真は2023年9月の渡台で訪れた「高雄」、「台北」で撮ったものです。
【高雄】
高雄は台湾南部の都市で、台北に次ぐ第二の都市と言われています。
海に面した港湾都市で、台湾らしさとアジアの港町の雰囲気を味わうことができる場所
成田からの直行便も就航しています。
数年ぶりに訪れた高雄、写真を見返していると、またすぐ行きたくなってしまいます。
【台北】
これまでの台湾旅行では毎回台北に寄っていますが、訪れるたびに新しく行きたい場所が増えて困ります。
【鶯歌】(yīng gē)
今回は台北の隣の新北市にある、鶯歌という陶器の町にも行きました。
台湾でこれまで訪れたのはほとんど西側、東側を始めまだまだ訪れたことのない場所ばかり。
今後も私の感じた台湾を撮り続けていきたいと思います。
台湾の写真(ポートレート)
台湾ではスナップだけでなくポートレートも撮影してきました。
Title : 近硃者赤(jìn zhū zhě chì)
Model: 佐野小波さん
このタイトルの意味は「朱に交われば赤くなる」
台湾の寺院ならではの赤い色と衣装の色の組み合わせから連想しました。
Title : 三分之一
Model: 猫都りささん
撮影した臨江街觀光夜市の営業時間がおよそ8時間、一日の3分の一の時間営業しているほど日々の生活に密着したもの、それをタイトルとしました。
今回展示はしていませんが、猫都さんとは鶯歌でも撮影をしました。
ポートレート
コロナ後に始めたポートレート、自分以外の誰かと作品を作り上げることの楽しさに魅入られ、いつの間にか興味の中心になっていました。
風景のスナップ撮影はもちろん楽しいですが、被写体さんと世界観を作り上げることは別のベクトルの愉しみがあります。
作品解説1
Title:Hope
Model : 猫都りささん
閉じた世界から踏み出す寄す処
彼方にある灯を求めて
彼女が身に着けているのは緩衝材、いわゆるプチプチです。
広がりすぎた社会は様々な功罪をもたらしました。
それに背を向けるか、どうにかして折り合いをつけるか…
この作品はこの展示のために撮り下ろしたものです。
あらかじめコンセプトを決め、それを表現するという初めての取り組みでした。
これまでと異なった手法での撮影は色々な気づきもあり、こうやって形にできたのもモデルを務めてくれた猫都さんのおかげです。
作品解説2
Title:忘れえぬ処
Location:クレマチスの丘(静岡県、三島)
Model: すずさん
この写真は初めてすずさんを撮影した時のものです。
クレマチスの丘という美術館で撮影しましたが、ここはもう閉館してしまいました。(撮影時は許可申請をしております)
美しい庭園に野外彫刻、素晴らしい常設展示、本当に素敵な場所でした。
(同敷地にあるベルナール・ビュフェ美術館、長泉町井上靖文学館は引き続き開館しています。)
作品解説3
Title:Distance
Location:吉祥寺
Model: 染谷桃香さん
この作品は「femto」という撮影会に参加した際に撮影したものです。
この作品は私の考えたストーリーをあらかじめ染谷さんに共有させていただき、そのストーリーを表現する形で一連の流れを撮影しました。
そのため作品だけでなく写真集も設置しました。
折角の機会ですので、公に出していない裏設定も公開。
その他の写真はfemtoさんのnoteでご覧ください。
作品解説4
Title:Kleshas(煩悩)
Model: 甘寧さん
被写体さんの上にあるのは何かのオブジェだと思われる方が多いかと思いますが、これはネクタイの束です。
この時は複数人での作品撮りをしており、手の空いている方にカメラに写らない場所からネクタイを投げてもらい、その一瞬をストロボの光で映し止めたものです。
実際この一枚を撮るために何十回とネクタイを投げていただきました。
何度もネクタイをぶつけられながらも頑張っていただいた甘寧さんありがとうございます。
作品解説5
Title:A fairy tale
Model: 夢々さん
この作品は過去他の写真展に出展したもので、それを再構成して展示いたしました。
詳しい内容は以下の記事をご参照ください
闇の王展に展示した時は4点の作品をそれぞれ個別に額装しましたが、今回はその内の2点を一つの額にまとめ、マット(作品の周りの台紙)はこの作品のストーリー、展示時期が年末だったことから赤にしてみました。
白黒以外のマットは始めて使いましたが、印象がかなり変わるので、使い方によってはとても面白いです。
「お礼」
個展を開催する、それは写真に限らず何らかの表現活動をしている者にとって、言葉の響き以上に重い意味があります。
私のように職業写真家でない者が個展を開催できたのも、ひとえに写真を通じて関わってくれる多くの方がいてくれたからです。
会場を貸していただいたPERK SHOPさん、作品を一緒に作り上げてくれた被写体さん、展示に興味を持ってくれた方々、個展を見るために時間をさいて足を運んでくれた皆様、そして私に様々なインスピレーションを与えてくれた台湾
その全てに対し感謝の気持ちでいっぱいです。
そして私の作品を見てくれた多くの方が、作品にじっくり向かい合い、感想や思いを伝えていただけました。
写真をやっていなかったら、こんなかけがえのない経験をすることはできなかったでしょう。
改めて写真の持つ力というものの凄さを実感する2週間でした。
関わってくれた皆様に感謝し、私は今後も写真を撮り続けていきます。
またどこかの展示でお会いできれば幸いです。
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