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使い倒す! ー図書館活用法ー

学生は夏休みもいよいよ終盤に差し掛かり、もうすぐ秋学期がやってきますね。新型コロナウイルスの影響で春学期はオンラインでスタートした大学がほとんどですが、秋学期からはキャンパスとオンラインを併用して授業を行う大学が多いようです。

となると、春学期と比べれば大学図書館の利用機会も増えるはず。図書館というのは大学にとって非常に重要な施設です。にもかかわらず、本格的に利用するのは卒論に追われる4年目の秋学期だけ・・・・・・だけなんて人も少なくないように感じます。そこで、今回は自分なりの図書館活用法を書き連ねていきたいと思います。秋学期は存分に図書館を使い倒しましょう!

(新型コロナウイルスの影響で図書館の利用にも制限があると思います。そのへんは所属先の図書館によーく確認してくださいm(__)m)

まずは、行かなきゃ始まらない!

兎にも角にも、行かなければ何も始まりません。やることがあってもなくても図書館に行ってみましょう。大学は皆さんの学費で運営されているわけですから、元を取るつもり活用してやりましょう。

とにかく行こう!なんて言いますと、「やることないにのに行ってどうすんの?」 なんて言われそうですが、図書館に行ったら勉強しなきゃいけないわけじゃありません。図書館に涼みに行っても何ら問題はないわけです。図書館に行く目的は人それぞれ。目的なく図書館に行くというのも立派な活用方法だと思います。

じゃあ、お前は何しに行っとんたんじゃ?と言いますと、自分の行っていた大学の図書館には大量の視聴覚資料があったので、フラフラーっと図書館に行って大きな画面とお高そうなヘッドホンで1日中NHKスペシャルのDVD見てたり、古いハリウッド映画見てたりしてました。暇だったんですね。あとは、図書館にお気に入りの場所と椅子を見つけまして、そこでぼーーーっとしてるのも好きでした。

他にも、図書館には座り心地のいい椅子が置いてあったり、すべての本棚を見ながら歩くと意外といいウォーキングコースになったりと、勉強以外の使い方も意外とあります。たぶん、こうやって図書館に行く習慣を作ることが意外と大切です。図書館には用がないから行かないという人も周りにいましたが、殆どは図書館に行く習慣がないだけだと思います。それは、あまりにももったいない。(本人にはそんなこと言えなかったけど・・・・・・)空きコマに涼みに行くとか、もう少し寒くなってきたら暖を取りに行くとか、そんなもんでいいんです。まずは図書館に行ってみましょう。

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検索システムに慣れる

図書館にはたくさんの本があります。例えば、もし 「戦後における商店街の発展と法制度」についてレポートを書く課題が出たら、図書館に行って役に立ちそうな本を探してきて読んでみるのが取っ掛かりを探すのに1番手っ取り早くて確実でしょう。(もちろん、他にもいろいろな方法がありますが、Wikipediaやまとめサイトを眺めて誰でも書けそうなレポートを書くよりかは良い評定がいただけるはずです。)

さて、先程も述べたとおり、図書館にはたくさんの本があります。「戦後における商店街の発展」とか、「商店街の法制度」とかについて書かれた本はおそらくどこかに1冊くらいはありそうなもんですが、それを探し出すために図書館を歩き回るのはあまり懸命とは言えません。そして、仮に図書館にそのテーマに関する本があったとしても、あなたが歩いていて見つけられる場所に置いてあるとは限りません。なぜかと言うと、大抵の図書館は書庫を持っていて、利用頻度の低い本や古い本なんか裏に引っ込めてあるからです。ですから、図書館が持っているすべての本をさらっと調べてくれる検索システムが必要になるわけです。

本を検索する仕組みはいくつかありますが、まずは所属している大学が整備しているオンライン目録(Online Public Access Catalog: OPAC)を利用するのが手っ取り早いでしょう。図書館に置いてある情報検索端末から利用できるようになっていると思います。

検索というと、ググる感覚で捉えられがちですが、OPACというシステムには意外と癖がありまして、検索しても思うように結果が出てこなかったりします。かつて所属していた大学のOPACシステムは邦文文献を探すときの著者名を全角カタカナにするという謎のTipsがありました。発見するまでは色々と苦労したもんです。ですから、所属している大学のシステムにまずは慣れるところからスタートです。どんなインターフェイスをしていて、どこに行けば何の情報を得られるのかが分かっているだけで効率が全然違います。

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レファレンススタッフを頼ろう

図書館に行くと大抵レファレンスというカウンターがありまして、職員さんがPCでなにか作業をしています。話しかけにくかもしれませんが、そこに座っている図書館員さんたちは皆さんの調べ物を助けてくれる救世主かもしれません。図書館の利用方法やOPACシステムの使い方、調べ物のコツまで、色々なことを教えてくれます。慣れるまではある程度のサポートが必要なのは誰でも同じです。わからないことがあったら、まずはレファレンスカウンターに座っている職員さんに頼りましょう。

大学によっては学生スタッフという制度を持ってるところもあります。学生同士であれば幾分話しかけやすいかもしれません。わからないことは、溜め込まずに解決していくことで、図書館を効率よく利用できるようになります。

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侮るなかれ公立図書館!

大学にいると大学の図書館に頼りがちですが、皆さんの住んでいる地域には〇〇市立図書館とか、△△区立図書館とか、✕✕県立図書館とか、公共図書館があるはずです。そこにもたくさんの本があります。

特に絵本や紙芝居、児童書、周辺の美術館で行われた展覧会の図録、地域の地図、県・市・区の行政資料などは、大学図書館よりも公立図書館のほうが充実していることが多いです。その地域の大学に通っていれば利用者カードを発行できることが多いですから、まずは近くの図書館に行ってカードを作ってきましょう。大学の図書館だけではなく、公立図書館が所蔵している資料も活用することで作業効率UPが目指せます。

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ここまで来れば、図書館に行って困ることは恐らく殆ど無いでしょう。大学の図書館と公立図書館をうまく使うことができれば、大抵の課題やらレポートやらは倒せるはずです。

しかし、図書館はまだまだ使い込むことができます。そして、使い込むほどに効率も上がっていくはずです!さらにゴリゴリ使い倒していきましょう。


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お隣の図書館はあなたの図書館

大学の図書館にはたくさんの本がありますが、この世にはもっともっとたくさんの本があります。ですから、あなたの読んでみたい本が図書館にないこともあります。しかし、お隣の大学図書館に行ったらどうでしょう?もしかしたら、そこの大学はあなたが読みたかった本を持っているかもしれません。お隣の大学に行って、本を見せてもらえたら、ありがたいですよね。

素晴らしいことに、恐らくあなたはお隣の大学の本を見せてもらうことができます。大学図書館は大抵周辺の大学と提携をしていて、申し込みをすれば資料を閲覧させてもらえます。お隣さんの図書館もあなたの図書館として利用できてしまうというわけですね、すばらしい仕組みです。

このときも、レファレンスカウンターの職員さんにお世話になります。申し込み書に必要事項を記入して問い合わせ先の大学の資料状況などを問い合わせてくれるのがレファレンスの職員さんたちです。自分も非常にお世話になりまして、いろいろな大学の図書館に行かせていただきました。他大学の図書館というのは、いつもと雰囲気が違っていいですよ。

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資料室を使ってみよう

大学にはメインとなる総合図書館的な施設以外にもいろいろな資料室がありまして、分野や学部ごとにそれぞれ独立した図書室や資料室、場合によっては図書館を持っていることもあります。こういった資料室にはより専門的な内容の資料が集められていることが多く、大学に入りたての頃はあまり縁がないかもしれませんが、ある程度自分の興味関心が見えてきたかもしれないと思ったら、資料室に行ってみることをおすすめします。

資料室は特定の分野に特化した図書館のようなもので、総合図書館には置いていないディープな内容の本がたくさんあります。ですから、1つのトピックに関する本の数も必然的に多くなります。先程の「戦後の商店街」の例で言えば、総合図書館には3冊くらいしかなかった関連資料が、歴史学資料室に行ったら10冊くらいあるかもしれません。もう資料が無い!なんて嘆くことは無いでしょう。逆に、先行資料が多くて大変だということに気がついてしまうかもしれません。

求められているレベルに合わせて資料を使い分けることはもちろん必要ですが、興味のある分野を深堀りしていくときに資料室にあるディープな世界はとても楽しいはずです。

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データベースは資料の山!

図書館にはたくさんの本がありますから、それだけでもお腹はだいぶ一杯ですが、さらに多くの資料へアクセスする手段として大学が契約しているデータベースを利用するという方法があります。

有名所でいうと、百科事典の「Japan Knowledge」や朝日新聞の記事を集めた「聞蔵Ⅱ」、「Taylor & Francis」、「ProQuest」などが挙げられますが、分野によって他にも膨大な量のデータベースが存在します。

まずは所属している大学がどのデータベースと契約しているのか、どうやってアクセスするのかを確認して見るのが良いでしょう。大学図書館のページに行くと大抵契約しているデータベースの利用方法についての記述がありますから、よく読んで手を出してみましょう。

(データベースごとに利用のルールをよく確認しておきましょう。一般的に資料の大量ダウンロードは利用規約違反になることが多いです。あなたの不正利用が原因で利用停止!なんてことになれば大学全体に迷惑をかけることになってしまいますから、十分気をつけてましょう。)

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無い本は買ってもらえるかも?! 

先程も言ったように、図書館にいくらたくさんの本があっても、この世にある本のすべてを網羅しているわけではありませんから、当然図書館が持っていない本というのもあるわけです。先程は公立図書館や他大学の図書館を使うということで間に合わせましたが、多くの図書館では予算の範囲内で購入希望図書を募っています。必要な本は図書館が買ってくれるわけです。

大学名+購入希望図書、とかで検索すれば情報が出てくると思います。こういった本は大抵、選書委員会的な教授と図書館員の皆さんの集まりで購入妥当のお墨付きをゲットすることが必要です。もちろん、委員会に出席してプレゼンしろとかってわけではありませんが、申込書の「購入希望理由」が大切です。

「ゼミ運営に役立つ」とか、「卒論に使う」とかではあまりにも個人的過ぎてNGなわけです。ここは本音をぐっとこらえて、客観的に「勉学、教養に資する」ということをアピールしましょう。「今後、同専攻に所属する他の学生にとっても必要になる可能性が高い」、「近年の引用件数から見ても、当該分野における重要文献といえる」、などとアピールすれば意外と買ってくれます。もちろん、趣味の本は買ってくれませんが、自分で買おうにも専門書は高くて手が出ない・・・という場合には1つの選択肢です。

また、自分が購入希望を出した本が見事購入されると、大抵配架前に連絡がきて、他の誰よりも早くその本を利用できます。これは、購入希望を出した人でないとなかなか味わえないことですね。まあ、購入希望をしなければ入ってこなかった本というのは、他の人にとってはほぼ読む機会がない本ということですから、大抵こういった本は卒業するまでほぼほぼ自分の本のようなもんです。使い倒してやりましょう。

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さて、初めてこんなに長い記事を書きましたが、ここまで読んでくだっさ皆さん、ありがとうございます。図書館は使えば使うほどに使いやすくなっていく場所です。調べ物や勉強のイメージがある場所ですが、そうではない目的でフラフラしにいっても拒まれることのない懐の深さがあります。

ぜひ、図書館に足を運んで知の世界に遊びましょう。

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