見出し画像

シャンパンの音

こんな素敵なコンサートがあったとは!
Seeing sound, Hearing Krug

シャンパンの味と香りを音楽で聴く


本来なら言葉で表されてきたものを音で表現するとはどういうことか。

コンサートは三つのシンフォニーから成り立っている。
そのそれぞれは三つの種類のシャンパンの
notes (香りや味わい)を
notes (音符)で表現したものである。
このシャンパンの歴史やストーリーもシンフォニーに織り込まれている。

コンサートはトライアングルの音とともに
シャンパンを配ることから始められる。

会場はまるでシャンパンの泡の中にいるような演出。
そして観客は配られたそのシャンパンのnotesを舌で鼻腔で感じながら
それを表現するnotesを耳で聴き、肌で振動を感じるのである。

五感を駆使してシャンパンを味わう
なんと贅沢なことだろう。

コンピューターのスクリーンを見ているだけの私にも
シャンパングラスの底から立ち上る泡のはじける音が
シンフォニーの振動とともに
体の中に入ってゆく・・・・。


シャンパン買ってく?
私は夫のジェイに聞いた。
東京の区役所で婚姻届けを出した帰り道のことである。

ジェイはいつもビールで
それもかなり凝っていて
でも日本では気に入ったビールを見つけられないでいた。

せっかくのふたりの祝福の日だし。
私たちは駅中にあるカルディによってシャンパンを買った。
Paul goergのハーフボトル。
なんせ私はアルコールが飲めないので
このシャンパンがどんなテイストの物かさえ知らない。
とりあえず見つけたものを購入した。

飲めないけれど
グラスの中を立ち上る
幾千の泡を見るのが好きである。

私はなめるだけよ~のシャンパン

そこには日常の始まりがあった。


このステキなコンサートをYoutubeで見つけて、シャンパンのあるジェイとのひとコマを思い出したのである。

ふと
私たちは生活の中で
ひとつの感覚だけに
頼りすぎているのかもしれないと思った

言葉を聞き
目に入るものを見る

でもひとたび言葉が選択されると
そこに閉じ込められ縛られてしまう他の感覚

このシャンパンのまろやかな味わい・・・という”まろやか”というひとつの言葉より、ひょっとしたら音たちの方が雄弁に物語れるかもしれない。

私たちはもっと自由に感じていいのだ
五感を使って
ひとつの言葉を選んだことで
安心してしまうことなく

特別な日だったけれど特別な演出のなかった私たちの午後。

今となってはそこにあったであろう言葉より
このシャンパンの泡の音と
ほのかな甘い香りの方が

私の胸の底に残っている

参考記事

I love youってお互いに言ったっけ?
すっかり忘れてしまっている。

あるいは言ってなかったのかも💦

この記事が参加している募集

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。