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仕事じゃないのに子どもを預ける保育者は悪い?

仕事じゃないのに
保育園子どもを預ける保護者を
「悪い」保護者と思うことはない?

そうやって預けられた子どもを
「かわいそう」と思うことはない?

  • 仕事が早く終わったのに、すぐに迎えに来ない保護者。

  • 土曜は仕事がないはずなのに、子どもを預ける保護者。

  • 発熱しても、すぐに迎えに来ない保護者。

そんな保護者を見て、
「え、なんで?」と思うとき、
もしかしたら心の中で保護者を「裁いている」のかもしれない。

子どものことを思ってかもしれないけれど、
子どものためを思うと、
実は園にいた方がいい現実もたくさんある。

先日こんな話を聞いた。

【ケース1】
園児の家を訪ねると、
モノが散乱し、足の踏み場もなく、台所もぐちゃぐちゃ。
家の中はゴミだらけ。
猫の多頭飼育(去勢していない)になっていて、
猫のウンチも散乱している中で、一家は生活している。
風呂も入らない、着替えない。
ご飯はいつもソーセージ。
子どもは体から臭いを発している。

【ケース2】
若い未婚の母。
夜の仕事を中心とした不規則な仕事。
起床しても、たいていは昼近くになっている。
母自身、ぐちゃぐちゃな生活環境に育ち、家事育児がほとんどできない。
子どもとどう接したら、どう愛したらいいか分からない。
感情のコントロールも難しく、つい子どもに暴力をふるってしまう。

【ケース3】
両親共働き。
ある程度の収入もあり、生活も安定している。
しかし、両親ともにプレッシャーの高い仕事をしていて
心が休まるときがない。
家事は母親が中心で、
日中の仕事と、帰宅後の家事と育児で、
心身共に疲れきり、日々限界を感じながら生きている。

これらは決して、特別な話ではない。

もしもこんなとき、
「仕事が終わったんなら早く迎えに来てください」と言われたら?
もし自分が、上記の保護者だとしたら?
もし自分が、上記の子どもだとしたら?

保育という場は、子どもが育つ場だけど、
子どもを守る場でもある。

保護者が健やかであることが、
子どもが健やかでいられることにつながる。

保護者がイライラして、
いっぱいいっぱいな状態だとしたら、
それは間違いなく子どもにも影響している。

一昔前の保育指針では、
保育園を利用できるのは、
保育に「欠ける」子どもとされていた。

しかし今の保育指針では、
保育を「必要とする」子どもになっている。

上記のケースの子どもたちは、
保育を必要としているのではないだろうか。

相手の視点に立った時、
いまとは違う世界が広がってくる。

そうなるに至った背景に思いを馳せたとき、
違う世界が浮かび上がってくる。

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