組織サーベイ嫌いだったHRが学んだ組織サーベイ運用のTips

諸メディアでラクスルの組織人事の話題が賑わった結果、モチベーションクラウドの運用方法について多くのお問い合わせをいただくので、その際にお答えしてることをまとめてみました。

ラクスルでは2015年からモチベーションクラウドを利用しています。
私自身は2009年頃から計4つの組織サーベイツールを使った経験がありますが、実は昔の私は組織サーベイの効果が見えず否定的でした。現在は組織開発に活かせている手応えがあり、そこに至るまでに得た運用のTipsをシェアします。

余談ですがラクスルはどの切り口でも「経営陣への信頼」と「魅力的な人材」が期待度も満足度も非常に高く、特に「経営陣への信頼」がこんなに高い会社はなかなかないとリンクアンドモチベーションさんからもお褒めいただいてます。
経営陣が大きなビジョンや未来への想いを沢山語り、且つそれが足元のビジネスとしっかり紐づいているところはとても良い組織文化に寄与しています。

運用の全体像

モチ―ベーションクラウドの運用は下記のとおりです。
1.サーベイをとる
2.各マネージャーが自部門の結果を分析し、アクションプランを立てる
3.人事やモチベーションクラウド担当者も含め、分析やアクションプランについてディスカッションする
4.人事がアクションプランに並走する
特に注力改善組織として設定した少数の組織については3と4を一生懸命やりきります。みていただいてわかる通り特別なことはしていませんが、やりきる過程で他社にも活かせる学びを得ました。

運用のTips

全社数値よりも小集団に着目する
対象人数や属性が多くなるほど、課題設定もアクション効果の実感も困難であるため、全社数値を目標にアクションを定めるのはなかなか難しい。ご相談を聞いていると、サーベイ運用力がないうちから高難易度のことに挑戦して失敗した例が少なくありません。
まずは小集団に焦点を定めて結果を出し、人事やマネージャーの成功体験を生み出していくことが重要です。小集団のスコアがあがれば全社にも好影響があります。
各部門内では取り組めない課題にリーチしたい場合は役職などの小集団に分けましょう。

注力改善する小集団は絞る
サーベイを元にアクションプランを練って結果を出すのは大変な作業です。多くの組織に対して注力しようとすると散漫になってしまいます。3~5個の小集団からはじめましょう。組織開発への解像度が高いマネージャーや人事が揃えば多くの小集団を同時に改善できるようになる…はず。
ピックアップの基準は自由で良いですが、迷うようであれば組織開発への意識が高い、成長の期待が高い、サーベイ上の課題が大きいなどに該当する組織やマネージャーが良いでしょう。

データだけを頼りにアレコレ考えすぎない
数字の高低だけで課題を決めつけてしまったり、マネージャーが自組織の数値を見て「これは〇〇さん達が〇〇な状況なんですよね」と自分の解釈による仮説だけでアクションの策定に入ってしまうことがありますが、回答者の設問解釈や回答意図は数値には現れません。なぜこの点数なのか?マネージャーはどう思うのか?回答者はどう思うのか?1on1やチームmtg回答者としっかりコミュニケーションして解像度の高い課題設定をすることが大事です。
設問解釈や回答意図を把握したという相互理解がある上でのアクションの決定・実行は皆の納得感の高いものになります。

マネージャーだけの問題にしない
自組織のスコアが低い時にマネージャーは責任を感じがちです。全く責任を感じてないよりは良いわけですが、スコアが低い時はメンバーが組織状態の改善に対して自分事じゃないことが多く、そこにもアテンションを向けた方が良いケースは多いです。
マネージャーが変える側、メンバーは変えてもらう側という図式ではなかなか組織開発はうまくいきません。本当はその組織に所属する全員が組織状態を良くする主体的責任を持っていますよね。少なくとも問題と感じることがあれば率直に声を上げる必要がある。全員でなくてもキーマンなど一人でも多くの人を巻き込んで変える側であるという意識をもってもらうことが大事です。
人事は巻きこむ手伝いをしたり、時にはメンバーに対して「あなたはあなたの感じている問題を解決するための責任を果たしているの?」とぶつけてあげることもできるのではないでしょうか。

アクションについて合意する
良く言われるようにアクションを細かく期限を切って設定するというのも大事だし、設定したアクションを発表することも大事ですが、設定したアクションによってこの問題は解決するよね?途中で問題だと思うことがあればあなたからマネージャーにアラートをあげてくれるよね?ということをマネージャーとメンバーがしっかり話し合えると良い結果につながります。
問題、原因、対策が合意でき、それに対して主体的な協力の意思を取り付けられれば、勝ったも同然ですね。

アンケートをとる
モチベーションクラウドでも選択した改善項目の中間アンケートがとれますが、どうしても取得項目は限られてしまうので注力改善部門に合わせた自社アンケートを試してます。モチベーションクラウドと同じ項目をとりつつ、設定された改善項目に納得感あるか?このまま進捗すれば課題が解決するか?あなたはこの件について主体的に関われているか?など、うまくいかなそうな原因や1on1で確認したいことをいかにキャッチできるかを試行錯誤しています。

おわりに
TIPSは以上です。面談やったり自社内でアンケートやったり、サーベイの枠超えて労力かけすぎじゃないか!という意見はその通りで工数かかってます。サーベイの施策単体に良いも悪いもなく、社員と対話し組織の課題に向き合う大変な道のりの中にうまくはめることができればサーベイを活かして手応えある組織開発ができるのではないでしょうか。
それではみなさん良いサーベイライフを!!

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