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私がコーチングと出会った時

コーチングのスキルを学び始めたのは2018年だけれど、コーチングをクライアント(コーチィ)として経験し始めたのは、2011年頃だろうか。それを考えると、コーチングとの付き合いは、結構長い。

初めてコーチングを受けたのは、スウェーデンに渡って4年くらい経った頃だったかと思う。この4年間、北欧の冬の暗さが気にならないほど、仕事に没頭していた。やっと仕事や生活環境に慣れ始めた頃、社内では運営体制の大変革が起こっていた。直属の上司もころころ変わり始め、上司がすべき仕事を渡せずに自分で抱え込んでいた。仕事の環境や行方が不安定な感じだった。

目まぐるしく変わる環境、沢山の仕事、北欧の日中時間の短さ、等々が重なり、頭と体内時計の調整がアンバランスな感じがした。そんな中、コーチングというサービスがあることを同僚が教えてくれた。コーチングが何かは良くわからなかったけれど、取り敢えず誰かに今の私の状態を話したかった。そして、3、4回受けてみた。

あのコーチングで、何か変わったのか?

この経験をすっかり忘れていたぐらいだから、強い印象は残っていない。でも、あの時から小さい種が蒔かれたように、何かが変わったのかもしれない、と今は思う。

覚えているのは、「仕事」「他人との付き合い」「自分」に割く時間の割合をパイチャートに描くよう、コーチから指示された。私の描いたチャートを
見ると、「仕事」が70%ぐらいを占め、残りを「他人と関わる時間」が占めていた。

今ではありえなと思うけど、その時まで「自分」時間がゼロに近いことに気づかなかったし、問題とも思っていなかった。自分は何をしていても自分で常に一緒に何かしている。ご飯を食べたり、眠ったり、買い物したり。あえて「自分時間」が必要なのか?とさえ、思っていたと思う。当時は、人と会っている方が、繋がりができたり、賛同されたり、情報を得たり、行動が前に進む気がしていて、一人でいる時間を無駄だと蔑視していたかも。

コーチは、「仕事でも、他人でもなく、自分がしたいことで、していないことって何?」と質問した。

自分がしたいこと?

あえて聞かれると、戸惑った。したいことはいつもしていると思っていた。でも、沖縄に行きたいのにまだ行ってない。キッチンのリフォームもここ数年話してはいるけど何も行動してない。読みたい本を買ったけど読まずに山積み状態、等々。やりたいことがどんどん出てきた。

でもこれって、自分がやりたいだけで、仕事が前に進むとか、人間関係が広がるとか、全く関係なさそう・・・コーチはお構いなしに、「じゃぁ、いつそれらをやるつもり?カレンダーを見て、いつ沖縄に行けそう?」「キッチンのリフォームには何をまず最初にする必要があるの?」などと質問した。

その時入れたスケジュールや第一歩で、その後私は1年位以内に沖縄にも行ったし、数年以内にキッチンもリフォームした。それがなかったら、沖縄行きの順位は極端に下がりまだ行ってないと思うし、必要だったキッチンリフォームも時間的にかなり後回しになっていたと思う。

あの時のコーチングで、何かが変わったのか?

強烈な何かを言われたわけではないけれど、自分のことを考える時間を増やしたら、不安定さは薄れていったように思う。今思えば、当然で、自分以外のコントロールできない要素が変化しやすい時、コントロールできる自分を安定させることが一番大切。

また、その時から「自分時間」の大切さに気づいた。自分を振り返る時間がないと、情報の過多を引き起こし、思考し選択する時間(プライオリティ付け)、そして実行する時間を失う。これがないと、いつまで経っても、同じところをぐるぐる浮遊している。新しくやりたいこともどんどん入ってくるから、それと一緒に洗濯物を入れ過ぎた永遠に回り続ける洗濯機のように、パンパンになるまでぐるぐるしてしまいそう。

写真:エンゲルホルム、スコーネ地方、スウェーデン。

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