【ベルリン留学記】一人で大学に行ったのに、なぜか知らない人とたくさん話をした1日の話
「きみ、ここの大学の学生?」
日本の道端で見知らぬ人にこう声をかけられたら、誰しも怪訝な顔をするのではないだろうか。というか、そもそも声をかけられることすらないかもしれない。
しかし、ここベルリンではそんなことは日常茶飯事。
今日は一人で大学に行ったのに、2人もの知らない人に声をかけられた。そして、ナンパされるでもなく宗教に勧誘されるわけでもなく、道を聞かれるわけでもなく、ただただ世間話と雑談をしていたのだ。
「一期一会」という言葉は今日のためにあったのかもしれない、と思うほどに、不思議で楽しい1日だった。
今日はそんな、ある意味稀有な経験を記しておこうと思う。
ひとりめ、英語の授業を受けたい学生
教授がコロナに感染したために、オンラインで行われることになった授業。
せっかく留学に来ているのにホテルで受けるのも楽しくないので、なんとなく大学に行ってみることにした。
さすがドイツ、ともいうべきなのか、私の大学にはオープンスペースが多い。学生が話し合ったり自習したりできるように、廊下の至る所にコンセント付きのテーブルと椅子が設置されている。
授業が始まるまで、課題をやろうとパソコンをカタカタしていたそのとき、
「きみ、ここの大学に通ってるの?」
突然見知らぬ人がそうやって(英語で)声をかけてきた。何がなんだかわからず、とりあえず「そうだけど…」みたいな返事でやり過ごす。正直なところ、日本で道案内以外の目的で知らない人に声をかけられてろくな目にあったことがないので、かなり不安で怖かった。
それを踏まえて少し身構えていると、
「僕、ここで英語の授業受けたいんだけど、どんなコースが開講されてるかってわかる?」
ん???
思わぬ要件に拍子抜けしてしまった私。
それは私に聞かれても…
インフォメーションセンターとかに行った方がいいんじゃ…
そんなことを思ったけれど、
「わからなかったらとりあえず近くにいる事情を知ってそうな人に声をかける」ということが許される社会なのかな、とも感じた。
とりあえず知っている限りの情報を提供し、
ちょろっと自己紹介したら世間話をしてお別れ。
最初にすごく不審者扱いしてしまったような気がして申し訳なくなった。
彼が自分の興味にあったコースの授業を受けられますように…
ふたりめ、研究者のたまごのお兄さん
授業が終わり、カフェテリアでチョコバナナブラウニーをかじって腹ごしらえをすませ、大学図書館に向かおうとしていた時のこと。
見知らぬ人が急にドイツ語で話しかけてきた。
ドイツ語がわからない私はしどろもどろ(本当にこんな感じ→🥺🙄😰だったと思う)。
すると急に英語にスイッチして
「きみ、ここで勉強しているの?すごくcuteだから声かけちゃった」
うわ、まじか
これは俗にいうナンパ?
それとも人気のないところ連れてかれて持ち物取られる?
いずれにせよ早く離れた方が良さそう…
「あの、私これから図書館行かないといけないんで」
そうやって離れようとしたところ、、
「あ、そうなんだ。僕もすぐ会社のミーティングがあるんだよね。」
ん???
少なくともこれからお茶しないとか誘われる感じではないっぽい??
状況が謎すぎて訳がわからず、
悪意がそんなに見えないこの人から逃げることもできず、
どのみち大学図書館はすぐ近くなので、とりあえずそこまで雑談に付き合うことにした。
「ベルリンはどう?」
「日本のコロナ対策ってどんな感じ?まだみんなマスクしてるの?」
「大学では何を勉強してる?」
「僕は研究職なんだけど、もうすぐ今の職の任期が終わるから求職中なんだよね…」
などなど本当に「たわいもない話」でそれなりに盛り上がり、
図書館につくと、「じゃあ勉強頑張って!」のひとことでお別れ。
日本から来た私には本当に謎な瞬間で、
最初はかなり怖かったけど、
見知らぬ人同士がこうやってフランクに話ができる社会であるということは少し羨ましく感じた。
研究者のお兄さんにいい仕事が見つかりますように…
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