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害人(絶対登用してはいけない人)

経営者の最も重要な仕事は、人材の登用

「企業は人なり」。それは経営者だけでなく、経営を推進するすべての人の在りようがその企業の風土、価値、業績に密接に関連している。
特に経営者、それに次ぐ幹部職は、その人の意思決定がその会社の倫理、戦略に直結する。
三品先生の「経営戦略を問いなおす」にあるように、戦略不全に陥る=事業経営責任者にある し、しかも「戦略は紙の上でもMBAの授業でもなく「経営者の頭の中」に存在する」のだから、幹部職の登用の失敗は会社の危機でもある。
欧米では人材プールをしっかり作り、サクセッションプランの下、後継者育成、登用を計画的に進めているという。日本もようやくそんな取り組みを始めているようだが、まだまだ過去の業績だけでの評価から脱し切れていない。

絶対登用してはいけない「害人」とは?

私はいろんな会社の経営層の人とお会いする。ほとんどの人が素晴らしい人材で、私自身も見習うことが多く、刺激をいただいている。
が、ごくたまに、害人とでもいいたくなるような残念な人にも出会う。

害人と呼びたくなる人とは
①大言壮語である。話している内容に真実味が乏しい
②自己中心的である。会社のことを話していても、話題の中心は自分自身のことであり、ほとんどが自慢話である
③わかりやすく簡単に手柄を出すことには熱心だが、面倒なことには手を出さない
➃「やってます」アピールがうまい
⑤自ら手を動かなさい
⑥できない言い訳が見事にうまい

こんな害人が推進すべきポジションであったり、意思決定のポジションに居座られたらたまったもんじゃない。
でも時々こんな人が重要なポジションにいることも事実なのだ。

なぜ経営者は「害人」を見抜けないのか

私が害人認定する人は、口がうまい人が多い。とても相手を上手に持ち上げる話法を心得ている。また自分の能力を実力以上に見せることもうまい。
そして経営者に対して時にズバリとシビアなこともいう。
そこそこの規模の会社の経営者は、日ごろ、自分に意見する人がいないのでそこで信用してしまうのかもしれない。
登用したのは経営者の責任ではあるが、害人を信じれば信じるほど、害人にとって都合のよい情報しか経営者に上げず、結果、経営と現場を分断してしまう。そして残念ながら、経営者はその事実に気付くのがかなり遅れてしまう。あまりに現場が動いていない事実を知るまで。

「害人」の登用を避けるには

まずは社内では360度評価だろう。
加えて、社外の人からの評価も聞きたいものだ。
そして経営者が個人で評価してしまうのも危険だ。かつて、私の知人がいた大手企業の子会社の社長になった人が、極めてパワハラ体質の人だったそうだが、社長に据えた前任の社長からは覚えめでたかったそうだ。
害人に限って、上には可愛がられるが、下にはえぐい。
松下幸之助氏が、人材の登用は「素直」と言ったが、強く共感する。

害人にならないために

「害人」とまではいかないが、職場でのトラブルメーカーであったり、言い訳ばかりで何もやらない人もいる。影響力が少ないと単なる問題児だが、それなりのポジションになってしまうと組織が機能不全になる。
そんなプレ害人には、本物の害人になる前に、その人の抱えている課題の解決を支援したいものだ。
害人本人は、自分が害を与えているとは思っていないだろう。でもきっと、心のどこかに満たされないものがあり、それが大言壮語や自己中心的になってしまうのだと思う。
そして、害人の芽は誰の心の中にもある。



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