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「変わらない味」の秘密

「味変わったね」現象

久々に行くラーメン屋とかで、
『味変わったねぇ〜』と言う会話があると思います。
このケースの大半が、味も何も変わってないそうです。そりゃ中には本当に変わってるでしょうけど。
割と普通にあるこの現象は、いったい何なのか?

『変わらない味』は変わっている

羊羹の『とらや』の話は有名ですね。
室町時代から500年続く和菓子の会社です。
今の社長は18代目。
"昔から変わらない味"と言われているここの羊羹、実はすでに何度も味を変えているそうです。
『味は時代やお客様の嗜好の変化に応じて変えて良い』と創業者は言っていたそうです。

ただ、絶対に変えてはいけないものが何なのか、その話も代々伝えられています。
それは、
『美味しいと思ってもらえる物を作る』
『おもてなしの気持ちを忘れない』

らしいです。

人の味覚は、どんどん変わります。
普段食べる物や生活習慣、そのどちらもがその時のトレンドによって変化していきます。
消費者の味覚の変化に合わせて美味しい物を作り続ける事が企業理念なので、だからこの『味は変えて良い』になるのだと思います。

とらやで買い物すると、お釣りが必ずピン札です。
これも『おもてなしの心』だそうです。
とらやのお釣りに衝撃を受けて、僕もお財布に必ずピン札を入れておくようにしています。

「味変わった」と思った時は

前述の理論でいくと、「味変わったね」と思う人は、自分の味覚が変わってそう感じるのかもしれません。
過去に美味しいと思ったものが、美味しくなくなるのは、よくある事です。

逆に、「昔から変わらずに美味しいな」と思うものは、実は味に改良が加えられているのかもしれません。味を変えているのに「相変わらず美味しいなあ」と思われたら、店主としてはニヤニヤしちゃうでしょう。
継続的な経営をしていく中で、安定のクオリティを保つためには、自分とお客さんがシンクロした変化をする必要があるため、店主は常に顧客感覚を持っていないといけません。

『変わらない』と『ブレない』は違う

良いものは、変化を続けます。
変化する事は過去の否定でもあります。
これは、人の成長や企業の成長でも同じです。
過去に自分がしていた事、考え方など、どんなに時間や努力した事であったとしても、否定して捨てなければ、新しい変化はしません。
昔ちょっと得意だった事を、今も鼻にかけて誇らしげにする人がいます。
もうその誇らしげにしている間に、他の人に追い抜かれている事に気がついてません。
『昔すごかった人』
『得意だった事だけやる気出す人』
『新しい事を知らない学習をやめた人』
『周りにそう思われる事には気が付いていない人』
そうなります。
過去から変わってない、典型的な例です。
『変わってない』ことを『自分はブレてないんだ!』と勘違いしている人も多いです。
「自分、得意ですよ!」と言うからやってもらったら、大したことないってのはよくある事です。

とらやの例で言うなら、
変わらなければいけない『味』
ブレてはいけない『理念』

でしょうか。

経営者としての自分にとっては、
仕事の能力や知識が変化しない事は”大罪"だと思っています。経営者でなくとも、役職が上がれば上がるほど、それは同じだと思います。
その分が、給与に反映するわけですから。
今の自分のクオリティ、評価、価値は、
今から作られます。
過去など捨てましょう。

思考の変化、クオリティの安定

変化の話に戻します。
簡単にまとめます。

変わってないと思われるものほど、
実は変わっている。
変化を続けるために、
変えてはいけないものが何かを理解している。
変わっていないものは
停滞したと見られ、結果的に悪くなったと思われる。

いつ会っても仕事ができてすごい人だ!
本当にかわらないなぁ!

こんな人はきっと、『変わらない自分』を作るために、努力し勉強しアップデートを繰り返しているはずです。
変わり続ける事が、クオリティの安定を作ります。

出世した周りの人、成長した会社に対して、
『変わっちゃったよな、昔はああじゃなかった』と思う人は、自分が変わる事をしてなかった時だと思います。
これには根拠があります。
共に変化していった人達の間には、
共に努力し共に成長してきた事を
共感している
はずです。

今日のこのような話って、経営者目線の啓発的な話に聞こえますが、思いっきり一般企業のサラリーマンにも必要な考えで、考えがあるかないかで数年後の姿が変わるでしょう。カッコいい人になっていくにも必要な考えだと思っております。

成長は、変化であり、
過去の否定。

あの人変わった
この会社変わった
そう思ったら、
自分が変わってないんじゃないかと
まず疑え

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