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Aconcagua 6日目 キャンプコレラ(6000m)へ


【6日目ミッション / Aconcagua day 6】

①キャンプコレラへ(6000m)
②雪を溶かして水作り
③湯たんぽを作って快適に眠る

2019年12月29日(日)
朝6時起床。テント内にあるペットボトルは完全に凍ってしまう程に外は寒い。

昨日とはうって変わって頭痛もなく、ぐっすり眠れた。恒例の深呼吸タイムを挟んで、血中酸素濃度計測。濃度85、脈拍84。かなりいい数値だ。身体は完全にニドに順応したと言っていいだろう。負の思考も消え、次のキャンプ地、コレラに向かう決断をした。

パッキングでハイキャンプに必要な道具と不要な道具の仕分けをする。僕が入山してからずっと晴れているため、雪は無いと判断し、ピッケルは置いていく。この気温で地面が凍っている可能性があるためアイゼンは念のため持っていく。食料は1日分を上げ、それ以外はニドに残す。絶対にアタック1回目で決めてやるという強い意思だ。ニドまではトレイルランシューズで上がってきたが、ダブルブーツを運ぶのは重いので、ここからはブーツを履いて行く。意外と置いていける荷物が多く、いくらか軽くなった。

マサシさんにコレラに移動するか確認すると、まだ体調が整っていないとのことだった。入り口からここまではペースが合ったので一緒だったが、もちろんお互いソロで来ているため、今日からは別行動だ。

10時半、すべての仕度を終えてホシカさんと共にコレラに向けて出発。コレラへの道のりも坂道が続く。今までよりは少し緩い気がするが、標高が高い分スピードは出ない。息を整えながらゆっくり確実に登る。

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特に苦労もなく1時間ほどでベルリンキャンプ(5,933m)に到着。自分の人生最高到達点はキリマンジャロの5,895mだったので、ここからは1センチでも上がれば記録更新だ。ここには避難小屋があり、空いていればベルリンからのアタックも考えられたが、小屋は雪で埋まっており使える状態ではなかった。そんな理由もあってか、今はコレラからアタックするのが主流である。

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ベルリンからコレラまでは然程遠くない。休憩も入れず歩いていると、空に日環(太陽の周りの虹)が見えた。さらにその奥には逆さ虹が。珍しい現象を2つも同時に見る事ができ、何かいい事が起こりそうな予感だ。

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最後にロープを使って急坂を登るとコレラキャンプ(6000m)に到着。到達タイムは約2時間と、上々のスピード。しかし若干頭に張りがある。焦らず深呼吸を続ける。奥の方のINKAテントがある近くが平らだったため、そこにテントを張った。コレラにはどんどん人が集まってきており、明日30日がアタック日和だということが伝わってくる。コレラには僕とBCで会ったヤマモトさん、キャンプカナダで会ったホシカさんと九大生の4人の日本人がおり、皆明日アタック予定だ。

少し休憩を挟んだのち、水を確保しにいく。コレラでは雪解け水が無いため、キャンプ奥にある硬い雪をスコップで集め、それを溶かして水を作る。この作業がなかなか大変で、スコップで1回掘るごとに息切れするので中々雪が溜まらない。感覚的には袋に詰めた雪の重さ=水の量になると思うのでとりあえず3kgくらいを目処に雪を集める。作業は10分くらいだったが、10kmランニングした後くらいの疲労感であたった。

水を作る作業も大変で、氷を鍋で溶かしていくのだが、中々解けない。沸騰までさせるとなると、500ml作るのに15分程かかるので1時間で2ℓ作れるかどうか。とりあえず2時間作業して、3ℓの水を確保した。せっかく作った水だが、少し高山病の症状も出ていたので、これを夕飯迄に飲み干すのが今日のミッション。皆水を飲むのがキツいと言うが、僕はこの日のために日本の勤め先でひたすら水とお湯を飲む訓練をしていたため、問題ない。(その代償としてかなり頻尿になったのはここだけの話。)

18時まではひたすら深呼吸と水。横にはなるが、寝るといけないので目はつぶらない。明日のアタックに備え、体調を万全にするための努力は惜しまない。その甲斐あってか、頭の張りは徐々に無くなっていった。

2回目の雪集めをし、再度水を作る。今度の水作成の目的は夕飯用と、寝る時のための湯たんぽ作成のためだ。また2時間かけ、今度は4ℓ作成。少し慣れてきたかもしれない。お湯をペットボトルに詰め、寝袋にぶち込む。
21時半就寝。外はマイナスの気温だが、湯たんぽのお陰で寝袋は暖かい。これならゆっくり寝れそうだ。いよいよアタックの時がせまる。

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