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モチベーションクラウドを通じた組織改善<中小企業おける実践>まとめ

JMでは2018年から株式会社リンクアンドモチベーションが提供するモチベーションクラウド(https://www.motivation-cloud.com/)を導入し、組織改善活動に取り組んでいます。ベンチャー企業やIT系企業で多く活用されている同サービスですが、地方の中小製造業では早く導入したようで、導入当時サービス導入事例として名だたる会社と並んでHPで紹介してもらいました。(https://www.motivation-cloud.com/case/japan-medic/)

導入からもうすぐ3年がたとうとしているが、中小企業のフロントランナー(?)としての経験を記録しておくことで、後につづく人たちへのサポートになればよいかなということで、その間の取り組みや学びなどをまとめおこうかと思います。

この記事では導入から今日までのの組織改善活動における学びを俯瞰的にまとめます。

1.スコアの変遷

記念すべき第1回目のサーベイは2018年2月に実施(人数65名)、そのときのエンゲージメントスコア(ES)は41.8、、、サービスを提供するL&Mいわく、40台は「言っても響かない組織」、30台は「相互不信の組織」ということで、なかなかヤバいスコアからのスタートでした。

直近のサーベイは2020年8月に第6回目のサーベイを実施し、ESは51.0でした。50台は「言えば伝わる組織」ということで、スコア的には2年かけて徐々にあがってきました。

部署によってはES70を超える部署もでてきており、そのような部署をみると明らかな変化を感じています。全社的にも自画自賛ですが、だいぶ良くなったんではないかという手ごたえです(まだまだ課題も多いですが)

2.改善項目と取り組み

サーベイ開始以来、「組織風土」が期待度が高く、満足度が低い、組織の最大の弱みとしあげられていました(第1回目サーベイでは期待度3.7に対して満足度2.7でした)。2020年までは一貫して「組織風土」の改善に取り組んできました。

2020年8月に実施した直近の「組織風土」のスコアは期待度3.7に対して、満足度3.1まで改善しました。

0.4ポイントの改善ですが、意味合いとしては社内の40%の人間が以前よりもスコアを1ポイント高くつけてくれるようになったと理解できます。たいしたことないように見えますが、かなり大変だったなというのが感想です。

組織風土改善のための施策としては
・部署間連携の改善のために
  社内インターンシップ制度(数日間他部署の業務を体験できる)
  部署間連携強化会(業務で関連する部署メンバーが集まって互いに要望を伝えて解決策を模索する)
・階層間の意思疎通の改善のために
  WeeklyMeetingの新設(Gr長以上約10名が月曜朝に集まり、経営情報や各部署の進捗などについて情報共有を行う)
などを実行してきました。

この中で効果的だったのは部署間連携強化会です。それまでは部署を超えてメンバーが業務について話をするという習慣がありませんでした。やってみると、お互いに初めて知ることや、もっと早くいってよ、ということが多々あったようです。それを機会に部署をこえて話をして解決策を考えるという動きが増えてきたように感じています。

上のような組織改善はソフト面の改善でしたが、一方で2018年後半に社員からのリクエストを集約してハード面の改善を重点的におこいました。具体的にはロッカールームへの冷暖房の導入、駐車場の補修や周辺の草むしり、社内で着用する制服の貸与枚数の増加などを行いました。因果関係のほどは不明ですが、これらのハード面の対策を行った直後のサーベイでES45(前回比+0.4)、組織風土への満足度も2.9(前回比+0.3)と一定の改善が示されました。

施設環境の項目もサーベイ開始以来、弱みに分類されていますが。会社としては直接的にこちらの改善に取り組むということはしませんでした。しかしながら、振り返ってみると、サーベイを開始したときにように会社と社員信頼関係が揺らいでいる状況のなかでは、分かりやすい形の施策で会社側の気持ちを伝えるということも必要なのではないかと思います。

施設環境は俗にいう衛星要因なので、ここを改善しても社員のモチベーションにはつながらないと言われています。また改善してもきりがないということも事実あると思います。なので直接的にこちらを改善するということはリスクがあるので気を付けるべきだと思います。一方で経営者としては「社員への思いをどのように伝えるのかという面で施策を考える」、また「施策とメッセージをセットで伝える」ということが必要と思います。

逆に失敗談としては、サーベイを導入してからの最初の改善項目として「相互尊重の精神」を掲げて、全社で「陰口禁止」「約束を守る」というアクションを設定して発表しましたが、まったくと言っていいほど効果がありませんでした。要因としては、そもそも会社の上層部が実践できていなかったことや社員はしらけたままだったなど、色々あります。ちなみにこれらのアクションはL&Mさんの改善のための推奨アクションとしてあげられています、、、「組織状態がよろしくないときには、号令だけでは人は動かない」ということが学びでした。

約3年かけて現在までたどり着いていますが、正直に言って昨今でも現場のリーダークラスのびっくり退職があり、まだまだ良い組織状態とはいえないのかなと、日々悶々としています。ただ改善活動に取り組んでよかったかどうか聞かれれば、答えは間違いなく「YES」でよくなってきている手ごたえもあります。振り返って思うのは「組織改善は一日にしてならず」「人材開発も一日にしてならず」。経営者にとっては緊急性は低いが、重要性はとても非常に高いアジェンダです。一発逆転ホームランはありえない領域で、成果も反動も時間差でやってくるやっかいなものなので地道な取り組みが必要だと痛感しています。

3.現在の活動状況

初回のサーベイから直近のサーベイまでの間には企業理念体系の再構築に取り組んみました。元々2020年に社長交代を計画しており、それに向けて2019年1月から8月まで約半年かけて、Gr長(課長)以上をプロジェクトに参加してもらう形でそれまでにあった企業理念体系を、「企業理念」「使命」「行動指針」という形で整理しなおし、2019年度から全社への浸透活動を進めました。

2020年度からは理念を組織を束ねる理由の1つに昇華させるために、全社の改善項目を「企業理念の現場浸透」に定めました。直近では「理念戦略」の項目は期待度3.4、満足度3.5となっており、こちらは満足度もさることながら、期待度をあげる(=理念の浸透って大事だよね、と思ってもらう)ことが課題となっています。こちらは現在進行中なので、また進捗や学びなど記録に残していきたいと思います。



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