酪農の発祥は「北海道」じゃない!?ぼくらはまだ酪農を知らない...

お久しぶりです!
自分がリポーターを務めるTV番組『なるほど!畜産現場』、
回を重ねるごとに酪農や畜産の奥深さが増していきます。

第5回をもって乳業シリーズは完結いたしましたので、
今回は各回のおさらいと共に新シリーズへ導入したいと思います!

まずは第1回!

第1回: その1「酪農っていつ・どこで始まったの?」

酪農、と思うとみなさん北海道を最初に思い浮かべるのではないでしょうか。
てことは、やっぱり日本の酪農は北海道から始まったと思いますよね?

でも、違うんです!!
なんと、日本で乳製品の製造が商業化された、つまり酪農の営みが始まったのは「千葉県」だそうなんです!意外でしょ?

第1回の取材地、「千葉県酪農のさと」によりますと、
日本酪農の発端は戦国時代に軍馬の放牧地を開拓したところに由来します。
元々は品質の良い馬を求めるために外国から動物を輸入し、
その際に3頭の白牛がインドから送られてきたんです!

白牛はその名の通り、全身が真っ白な模様で耳が垂れているのが特徴です。

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白牛から採取したミルクを使って「酪(らく)」と呼ばれるバターのような乳製品が製造されたことで、「酪農」という名前になったんですね。
でも、白牛ってぼくらにとって馴染みがないですよね?
これは、明治時代にホルスタイン種という、いわゆる白黒の牛の方が乳量が多いと分かったために統一化がなされたからなんです。
そのため、今では白牛は日本で2頭しかいないそうですよ!

そして明治時代より、牛乳の輸送や練乳製造など、ひとつひとつ難関を技術によってクリアしていったことで今の酪農業があるんです。

第1回: その2「安定して優秀な牛を育てるには?」

千葉県酪農のさとの近辺には「嶺岡乳牛研究所」という場所があります。
そちらへ取材したところ、優秀なメス牛が研究所に隣接する放牧場で飼育され、より多くの優秀な牛を増殖させるために人工授精で交配しているんです。

前回の記事でも、優秀な肉用牛の系統を担保するために精液の採取と配給を行っていると述べましたね!乳用牛でも同等の取り組みがなされているんです。異なる点としてはオスとメスのどちらが調査対象となるか、でしょうか。

では、良いメス牛と判断するにはどんな手順が踏まれるのか?
番組では二つの審査方法を取り上げました。

・牛群検定:検定員が酪農家を訪問し1頭ずつ乳量や乳成分といったミルクを調査
・体型審査:牛の体長、体高、胸腹といった身体のサイズを測定し泌乳能力を推定

これらの結果をもとに農家さんの経営へのフィードバックを行うんです!
歴史の中でどんどん酪農のノウハウは蓄積されて安定した産業になったんですね!


さあ、今回はここまで!
次回は実際の農家のお仕事に迫りたいと思います!
なるべく、オンエアでは触れられなかったトリビアなどもお伝えしますね!

展示やイベントレポート、ブックレビューなどを通じて、アート・テクノロジーなど幅広いジャンルを扱った記事を書こうと思います。また、役者としても活動しているので劇場などでお声がけさせてください!