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二度生き残るということ

最近、人に褒めてもらった。

石川くんは普通の芸人と違って
文章を書いたり、ライブ配信したりも
得意だから、この先も生き残れるね。

とても嬉しくて、お礼を言った。

そうだと嬉しいです。ありがとうございます。

話が終わって、通話を切って。
ひとりになって、ぼんやりと思った。

……実際は、逆なんじゃないか。

これから僕にとって、
厳しい世界がやってくるだろう。

なぜならこの先、戦わなくてはいけない相手は、
今まで僕がしてきたことを
「する必要がなかった人たち」だからだ。

たとえば、僕は月イチで事務所の仲間と
大喜利ライブをライブ配信してきた。

そんなことをする芸人は
他にあまりいなかった。

でも劇場でライブができなくなった今、
多くの芸人さんがライブ配信をしている。

僕にできることは、誰にでもできる。
今までやる必要がなかっただけだ。

純粋な芸人としての仕事が減る以上、
作家と兼業する人もどんどん増えるだろう。

僕よりも早く安く、良い物を書ける人が
増えれば、僕の仕事は当然減る。

そしてこれは、僕のような
隙間で生きてる人間に限った話じゃなくて。

近い将来、多くの職業で起こりうると思う。

10年後か20年後の遠い未来で
AIに奪われるはずだった仕事を、
人間で奪いあう時代が、すぐそこまで来ている。

この今の緊急事態を、生き残ったその先で。
僕らはもう一度、生き残れるだろうか。

……怖ぇーーー!!

まったく生き残れる気がしない。

早いとこ、ベーシックインカム、
やってくれないかなぁ……

安倍さんの次の人あたりが。