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近くにあっても見えない

街が苦手だ。

高層ビル群に囲まれていると気分が悪くなるくらいには。

だから休みになると車を走らせ、海や山へ向かう。

そして同じ道をたどり帰ってくる。

街が遠くに見えた瞬間、自然の中に帰りたくなる。

ふと、市街地の奥に、山が神々しく立っているのが見えた。

「なんだ、近くにあるんじゃん」

普段はビルに囲まれ見えない峰々は、市街地から離れてみるとよく見えるものだった。

ものごとから一歩引いて広く見ることの大切さを再認識させられたできごと。

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