ことば ~じっちゃんのナニ賭けて~

 文章において、大切なことはたくさんありますが、大きな要素の1つに、「リズム」があります。

 たとえば。
・わたしは、いま、パソコンで、文章を、打っています。
・私は今、パソコンで文章を打っています。

 2つは、同じ文章ですが、「、」の数と漢字が違います。

 これだけで、読み手のリズムは変わります。

 これは人によって様々なので、一概には言えないのですが、文中の「、」や「。」は、息継ぎをするようなイメージに近いのではないでしょうか。

 また、漢字ですが、「わたしは、いま」だと、7文字。
 それに対して、「私は今」だと、3文字で終わります。
 7文字読むのと、3文字読むのでは、明らかに視覚に入ってくる情報スピードが違います。
 さらに、「今」や「時」といった、時間を表すような語は、漢字にするのか、平仮名にするのかで、フォーカスするポイントが変わります。

 読みやすい文章の要素の1つは、読み手のリズムに合う、もしくは合わせられる文章ではないかと思っています。
 僕はプロとして、そういった文章を心掛けて書いています。



 さて。
 海外の小説で、「これ、おもしろいよ」と薦められるものがたくさんあります。

 じゃあ、読んでみよう、といつも思うのですが、最初の数ページで読むのが困難になり、最後まで読み切ることは、そう多くありません。

 なぜかというと、先に述べたように、リズムが合わないことが多いからです。
 元々は、外国語で書かれた文章を、日本語に翻訳されているのを読んでいるので、そりゃ本来のリズムは崩れます。

 もちろん、翻訳家さんがわるい訳ではありません。
 外国語を日本語に訳すのだから、文字数にしても、ニュアンスにしても、違います。リズムがそのまま伝わらないのです。

 おもしろいと言われる本を読めないのは、モッタイナイし、悔しいです。

 僕はいま、英語の勉強をしています。
 翻訳版ではなく、外国語版をそのまま読めるように。

 僕は、金田一先生の次くらい(つまり、金田二先生と呼んでください)に、日本語を愛している自負があります。
 だからこそ外国語を獲得して、日本語の素晴らしさと外国語の素晴らしさを感じ(漢字)たいと思うのです。

 グローバルの根源は内にあり、ローカルの根源は外にあります。
 世界に目を向けようと願うので、僕は、家族を大切に想います。

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