見出し画像

物語とビジュアルへの考察

世の中が自粛ムードになる前から、元々制作だったりで引きこもる事の多かった私は、今の昔もそんなに生活が変わらないです。

とはいえそれでも、営業に出たり人と会って会話をしたりという機会はそれなりにあったわけで、それらが制限されてからは、尚の事引きこもりに拍車がかかる毎日です。

そんな中、映画を見たりドラマを観たりアニメを観たりしながら絵を描いたり仕事したりする機会が増えたのですが、そこで前から思っていた事を書いてみようと思います。

画像1

物語が優れていれば、その作品はそりゃ面白い。

因みにこれは、私が勝手にそう思っているという事を書いているだけなので、世間一般の考え方とは関係ありません。

私は小説でも漫画でも映画でもアニメでも、物語を感じるものに触れるのが大好きです。

構成がしっかりしていて、ここでこんな展開になるのか!現実にはないけどあったら面白いじゃないか!というような脳を刺激してくれる物語は、本当に面白いです。

文章だけでビジュアルがなくても、素敵なものは素敵なのです。

しかし絵描きの私としては、そこに必ずビジュアルが浮かぶんですよね。
きっとこんな景色でこんな人物が暮らしていて…など、よほど気に入ると自分で描いて可視化してしまう事もあります。

ここで私が注目したいのは、物語とビジュアルのバランスです。

物語によっては、無駄に綺麗な絵もいらなくて、落書き程度の走り書きのような挿絵でも十分素敵な場合もあります。
しかし、逆に美しいビジュアルが想像できるものは、それなりのクオリティの絵や映像があって欲しいと思うもので。

最近そのバランスをすごく考えたのが、有名なアニメ作品『エヴァンゲリオン』の映画でした。

いまだけなのかな?youtubeで観れます。

現実の感覚に近い日常を生活する人々と、聖書の解釈をうまく融合させて、未知の生物エヴァンゲリオンを創り、そこから非日常な物語へと誘うのは流石だなーと思いました。

そして何より素晴らしいビジュアル。

雑多な電線の蔓延る街の風景や、そこに生活する人達の何気ない日常の描写、身近に感じる世界を描くクオリティ。
そして、生き物の住まぬ死の海を赤で表現する突飛さや未知の侵略者のビジュアルデザイン、そして何より、シンプルで受け入れやすいキャラクターデザイン。

私が個人的に、作画の貞本義行さんの絵が好きなのも大いにあると思いますが(笑)
ビジュアルから物語を想像して、その中身を知りたいと思える作品だなと思ったのでした。

要するには、ジャケ買いの心理に近いですね。

私はこのジャケ買いの心理も結構大事だなと思っています。
というのも、どんなに話題になってどんなに注目される作品でも、そのビジュアルに魅力を感じないと、中身を見たいと思わない、という気持ちにもなり得るからです。

画像2

話題の作品もキャラクターで観たいかどうか変わる。

例えば、映画やアニメ、絵本や漫画など、ビジュアルと物語がセットで世の中に認知される作品の場合。

作品の物語背景がどんなに綺麗でも、世界観が優れていても、キャラクターに魅力を感じないと、もうその物語に入って行けない。

私はそんな風に感じる事が時折あります。

ここでいうキャラクターの魅力というのは、あくまでビジュアル面での話であり、内面的な設定だったり、キャラクターそのものの存在の話ではないですので、あしからず。。

物語の構成も、創られるに至った背景も、物語そのものも魅力的だなーと思うのに、そこに登場するキャラクターたちのビジュアルが、あれ?ってなると、もうそこで興味がストップして、作品自体を見たいと思わなくなってしまうのです。

何ならこういうキャラクタービジュアルなら、もっと見たいと思えるのに、なんて、作者からしたら余計なお世話なことまで考えてしまう始末。

そのくらいキャラクターデザインって重要なものだなと思うのです。

これには好みが大きく関わるので、どれが正解とは言えないけれど、私が考える魅力的なキャラクターは、それぞれの人の感情に訴えかける事が出来ているかどうかで決まると思います。

見た目だけで語る物語。

これは絵画の考え方に近いですが、一つのビジュアルで物語の背景を感じることができたら、それだけで大きな魅力となり得るのではないでしょうか?

物語とビジュアルのバランスが優れている作品こそ、本当に素晴らしい芸術なのではないか?などと感じるわけです。

なぜそう思うかというと、実際にキャラクターデザインが残念で、まったく魅力を感じない作品に最近出会ったからです。

全然物語が入ってこないし、ほとんど記憶に残らなくて、記憶に残ったのは、「もっとキャラクターをこうしたら素敵な作品なのに!!」という憤った自分の感情だけでした。

しかし、こういう出会いも大切なのかもしれないです。

おかげで自分がどういうものに興味を持って、どういうものが魅力的だと感じるのかにも気づけました。

自分が魅力を感じないと思う作品でも、世の中ではそれが好きな方もいたりするわけですから、この話が必ずしも正解ではないです。

皆様も一度、作品のジャケ買いをしてみてはいかがでしょう?

今まで見たきた作品とは、また違う素敵なものに出会えるかもしれません。


最後までお読みいただき、ありがとうございました^^

宜しければ、マガジンもご覧ください。→ こちら

この記事が参加している募集

よろしければ、サポートよろしくお願いいたします! 頂いたサポートは活動資金として活用させていただきます^^