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私はアコヤ貝!の巻📚

【まえがき】
 
災難というものは、突如として身に降りかかってきます。
しかもタイミングも悪い。
だから災難というのでる。
 
それが重なってやって来ると二重苦に、それが更に二乗される日にゃ〜あんた。
どえらい災難となって降り積り、それを背負っていくことになるのです。
150リッターくらいのリュックは必要になろうかと思います。
バランス崩せばカメがひっくり返った状態になるでしょう。
そして、自力では起きれない!?
カメさんは、ちゃんと自力で起きますよね。
カメさんは、首を伸ばし頭部を地面に擦り付けてひっくり返すので、今の私にはとても危険な行為と言えましょう。
 
落ち毛拾いで更に災難が重なり三重苦になる恐れ大なのです。
とっても危険でしょう。
 
 
最近私の身に降りかかった、身を呈しての作品となりました。
皆さん、他人事ではありませんよ。
あなたの身にも突然降りかかるやもしれません。
 
事前にシュミレーションしておくと、とっさの時に役立つのではないでしょうか。
 
では、後ほど。
 
 
【本 編】
 
2021年10月15日 金曜日 未明
 
寝床のベッドで横たわっていた。
それは、突然始まった。
うむっ。
何だか腹部に違和感を覚える。
 
眠い目を擦り、時計を見ると午前3時過ぎ。
最近、考えることが多く中々眠れない。
夢も見ない。
いや、悪夢は見るかな。
自身の不安感が夢に反映されているのであろうか。
こんな夢は叶って欲しくない。
 
まだ時間は早い、もう少し寝ようと思い目を瞑る。
しかし、寝付かれないまま時間が過ぎてゆく。
ふと、山ほどある時計のカチカチ音が気になった。
いつも心地よく聞こえて来るカチカチのリズム音なのであるが、体調不良の時は耳に突き刺さる。
アンティーク時計なのでそれもまた、侘び寂びなのである。
 
3:30頃
急に腹部に痛みが走る!
がっ、しばらく耐えてみることにする。
お腹をさすってみたり、押さえてみたりして痛みを和らげようと試みる。
 
4:40 
痛みが左脇腹から背中にかけて広がり痛い。
吐き気もする。
どんどん痛みが増す、めちゃ痛い。
 
うむっ、これは普通の腹痛でない。
考えている間も痛みは増すばかりである。
スマホで検索してみる。
OK!Google!
痛みで声が出ない。
 
気を取り直しスマホで検索し直す。
検索の結果、どうも・・・。
私の腎臓で真珠を育てているようだ。
えっ!?
私の腎臓はいつの間にアコヤ貝になっていたのか。
腹部の左側が少し腫れているようである。
これはもしや、大玉では。
取り出せれば高値で売れる。
しかし、この痛みを伴うのであれば量産することは叶わない。
上玉をお一つ育てることにする。
 
5:30 
めっちゃ、めちゃ痛い。
額からだけでなく全身から脂汗が滲み出している。
びちゃびちゃである。
吐き気も更に湧き上がる。
騒ぎ立てるのも、こっ恥ずかしい。
外部の痛みには耐える方である。
内部からの痛みは耐え難い。
 
6:00   
喉がカラカラで水を飲むと更にお腹が痛くなった。
もっと、脂汗がでた。
吐き気も更に増すばかり。
 
7:00 
愛車で病院に行くか考える間もなく、たまらず救急車を呼ぶことにする。
 
7:15頃?
救急隊は現着して患者を確認されてから搬送先に電話をして受け入れ可否の確認後、搬送する。
じれったい。(安全地帯より)
 
〇〇〇〇病院に搬送先が決まった。
病院までの所要時間15分から20分位のことで出発。
スピードを出しているせいなのか振動が腹部に応える。
振動で痛みがマシマシ、大盛り、てんこ盛りである。
もうお腹いっぱいなので、勘弁して下さい。
吐き気も模様して来たが、出るものは何もない。
 
つぶらな眼を。
その線が見えなくなるくらいに閉じ、歯を食いしばって堪えた。
 
やっと、病院に到着。
汗びっしょりで家からランニングして来たくらいの状態である。
 
自宅でも救急車の中でも何回も血圧と脈を取っている。
痛みが強く血圧が高くなる。197-178
取り敢えず痛みを抑えるために、
痛み止めの弾薬をお尻から装填することに。
 
看護師のお姉様が私のパンツに指先を掛け優しく下ろしてゆく。
優しくしてね。
おっと、心配ご無用!
痛すぎでそんなことになってないですから。
 
お腹が痛過ぎてお姉様の顔も見れない。
顔みたい。
なんで。
なんでって、そらねー。
私は少し顔を赤らめ照れている。
はぁっ。
 
弾薬もお姉様が装填されるかと思いきや、若手のお兄さんに入れ替わっていた。
何でやねん。
っと、突っ込むことも出来ないくらいに痛い!
30分も、すれば痛みが治まるとのこと。
しかし、中々効かない。
いつもたしなんでいるお酒が悪さをしているのか。
看護師さん達は待ち切れないと言ったご様子で、私をストレッチャーに乗せレントゲンとCTを撮るために移動して行く。
普段であれば気にならないような段差の振動も応える。
段差の度に聞いてくれる。
まだ、痛みますか。
ぼちぼち薬が効いてくるころなんですが。
既に3回は聞かれている。
 
痛いものは、痛いのです。
検査が終わるころには、弾薬が痛みを和らげていた。
そして、一通りの検査が終わると放置プレーとなった。
 
待機室のような場所である。
看護師さん達の会話や救急受付の生々しい話が聞こえて来る。
急患を受入れするかしないか問答している。
『 もう受け入れるスペースがない 』そんな声が飛び込んでくる。
 
あっ、もしや私がその一つを塞いでいるのではあるまいか。
俺も痛いねんけど、代わりましょか。
そう言う問題ではない。
待機中も色々考えさせられる。
 
暫くして、先程の急患らしき方がカーテン越しに運び込まれたが、直ぐに何処かに運ばれていった。
 
その後も私は、暫し放置された。
 
9:00 
痛みが治まったら待合室で待たれますか。
このまま横になって居られますかと打診された。
寝不足もあり、お邪魔でなければこのままここにいさせて欲しい旨をお伝えすると快く了承いただけた。
順番が来たらお声掛けしますとのこと。
 
そして、待つ。
待っている。
そして、待つ。
 
うむっ。
なんか忘れられているのではあるまいか。
不安が過ぎる。
2時間は経過している。
それでも待つ。
 
やっと呼んでいただけたのは、
12:00を既に過ぎていた。
放置プレーにも程がある。
痛みも治まり緊急性が無くなったからであろう。
最後にまわされていたのである。
 
先生から検査結果をお聞きする。
 
何枚かのレントゲンをスクロールしながら、
ほらっ、ここ。
この白くなっているところと言いながらスケールを当てると5mmくらいかなと言う。
結構大きいですねと私が言うと、小さい方であるとのこと。
真珠、まだまだ小玉ですね。
大玉は、どのくらいからですかとお尋ねると、10mm以上とのこと。
10mm以上育てると、回収の際にはお腹を切って取り出すとのことであった。
 
弾薬で今は痛みが和らいでいますが、弾薬が切れると痛みますかとお尋ねした。
それは、分かりません。
何の迷いもなくキッパリと言われた。
いやいや、私はもっと分かりまへんがな。
一般的にはどんな感じであるかを聞きたかったのですが。
 
先生曰く、痛いかどうかは貴方が感じることで私が痛いとか痛くないと言っても、貴方が痛いと言えば痛いんですだと。
それって、屁理屈では。
ちょっと、首絞めてもいいですか。
 
ここは、グッと堪えました。
他の飲み薬を飲んで調子悪いようでしたら飲むのをやめて下さいと言う。
調子が悪いってどんな状態のことを仰ってますかと尋ねてみた。
 
するとどうでしょう。
私は、お医者様が言い放った言葉に自分の耳を疑った。
えっ、今なんと仰いました。
どっ、ドングリ!?
今、ドングリ食べた時の感じになると仰いましたか。
すみません私、色んなものを食しますがドングリは食したことがございません。
 
あっ、すみません。
あれですよね。
あれっ。
明治製菓さんから発売の「きのこの山」、「たけのこの里」!?
あれっ、ドングリがないじゃないですか。
 
すみません。
見落としていました。
森永製菓さんから発売の「森のどんぐり」 これですね。
見落とすところでした。
他にも「くるみの森」、「つくんこ」もありましたよね。
「つくんこ」は、ネーミングのためかあまり目にすることはなかったですよね。
 
えっ、違うんですか。
本物の生ドングリですか。
お若くお見受けしたこの先生のお歳の頃は?
結構、お歳を召されているのかしら。
生ドングリを食されてたんですね。
 
私、流石にドングリはまだ試したことがございません。
何かのエッセで子供がドングリを缶の箱に入れて隠していたのを開けでびっくり、ウジウジが大量に這いまわっておりブチマケタ話を読んだ記憶がございます。
ここは、聞き流そう。
私はそうする事にした。
 
結論としては、真珠が出るまでは、いつまた痛くなるかは分からないと言うことでした。
ドングリの話が頭から離れない。
今晩、眠れるかな。
精算を済ませ、タクシーで自宅に帰る。
 
その日は、痛みが出ることはなかった。
もう治ったのかなと、大事なく良かったと思っておりました。
 
しかし、知らぬ間に魔の手が忍び寄る。
 
10/16  19:00
今から夕食を食べようとしていた時に腹部に激痛が・・・。
直ぐ様、お尻から弾薬を装填!
凌ぐ。
夕食を食べる気になれない。
ダイエット。
 
まだ、真珠取り出せてないので地雷を持ち運びしている感じである。
お尻から弾薬を装填してからウルトラマンタイマーが鳴り響くまでの寛ぎタイムは10時間といったところでしょうか。
時間経過するとどうなるかって。
そう、その時はのた打ち回るのです。
三回転半からの逆三回転は、余裕ではないでしょうか。
 
どぅ。
どぅ、って言われてもね。
困りますよね。
その痛みは治るどころか、弾薬を詰め直すまで一層強まりお腹を攻撃し続けるのです。
調べたところによると、陣痛に匹敵するとのことです。
私もお腹を痛めて取り出される真珠を我が子のように大事にしたいと思います。
知らぬ間に流されていたら、ゴメンなさい。
それは、私の管理不行き届きとなります。
トイレの配管ブチ壊してでも探してくれましょうぞ!
下水道局にも総動員をかけたいと思います。
かならずや!
 
10/17   7:00
既に目を覚ましている。
徐々に、また、あの痛みが走る。
 
7:45
暫く耐えるが、痛みに耐えられず。
お尻から弾薬を装填!
凌ぐ。
 
そして数日が経過した。
数日を凌いでいるうちに痛みを伴う事が無くなった。
もしや知らぬ間に真珠を流してしまったのでは。
私の分身は、何処に!
痛みは治まったが、私の体内で成長し続けているのか見守っております。
11月10日真珠成長の状況確認の検査を行う。
結果はいかに!
既に私のもとを離れ、巣立ってしまったのかも知れない。
自分の意志で巣立つのであれば探さずに暖かく見守ってあげよう。
まだ私の腎臓内で10mm以上に育っているのなら取り出すことになろう。
取り出したなら私の分身をどうしたものか。
大事にしていただける方に託すことにしよう。
お声掛け下さいましたら幸いです。
 

おしまい

by まるまるの虫 カメさん
 
 
【あとがき】
 
今回の作品は、正に身を削ってお腹を痛めての作品となりました。
 
痛みがいつ襲って来るか予想できないところが堪りませんよね。
 
痛くなり出すと、弾薬をお尻に装填しないと治まらない。
何処でも弾薬を装填できないですよね。
電車内でお尻出して装填してるところ見たくないですよね。
変態上級者であっても流石に私もしたくありません。
 
正に変態扱いで、冷たい個室に2~3泊させて頂くことになるでしょう。
ここは、冤罪だ~っと叫んで走り去りましょう。
 
皆さん、お気を付け下さい。
自分は大丈夫とも言い切れませんよ。
 
ご希望の方がいらっしゃいましたら真珠の育て方をこっそりお教え致します。
これで大儲けできますね。
レッツトライ!

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