「なぜ日本企業は世界を制覇できたのか? 」「なぜ今、世界に通用しなくなったのか?」 をちゃんと考えてみた
「例え日本で成功したって1 / 70 (億)、スケール小さくてやっとられんわ!!」と起業家あるある大志を胸に去年からSilicon Valley, インドのBangalore, ドイツのBerlinなどに行っていますが、どの地域でも日本人の存在感の無さ、相手にもされていない雰囲気に愕然としました。13年前、私が世界一周をしたときはもう少しマシだったはず。そこで、
✅ 1980年当時、資源もない島国の日本がなぜ世界を制覇できたのか?
そして、
✅ なぜ今、日本は世界に通用しなくなったのか?
この2点を、
メディアや教科書の意見ではなくちゃんと考えてみようと思います。
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1970〜1980年代、トヨタ・ソニー・ホンダはじめ英語もロクに話せないトップ率いる日本企業勢はグローバルを席巻し、その圧倒的な強さに「ジャパンバッシング」*という社会現象さえ起きた(らしい。私は生まれてないので見てませんが)
*Japan bashing = 欧米諸国が日本を経済面・政治面で不当に攻撃すること。教科書に載ってる、外国人が日本製の車や洗濯機をハンマーで叩き壊しているアレです。
最近SNSで拡散されている【世界の時価総額ランキング推移】を見ると、改めて当時の日本の凄さがわかります。
※時価総額が全てだとは思いませんが、一つの指標にはなると思う
※ちょっと荒いので下に補足
【平成元年 (30年前) の世界時価総額ランキング】
1位:NTT (日本)
2位:日本興業銀行 (日本)
3位:住友銀行 (日本)
4位:富士銀行 (日本)
5位:第一勧業銀行 (日本)
——1〜5位を日本企業が独占!!——
6位:IBM (米国)
7位:三菱銀行 (日本)
8位:エクソン (英国)
9位:東京電力 (日本)
10位:ロイヤルダッチシェル (英国)
11位以下でも日本企業が多数ランクインしていて、なんと上位50社中38社が日本企業(76%)
個人的には 「NTTて世界一だったのか!」 「21位の関西電力とか何がそんなに評価された!?」とツッコミたくなるほど。
改めて、原爆まで落とされ焼け野原になった1945年の終戦からたった40年ほどでここまでのし上がった日本人の底力に畏敬の念を覚えます。
※余談ですが、メディアや経済評論家は「65歳以上の高齢者が日本の資産の大半を保有していて、彼らがお金を使わないから景気が良くならないんだ!」などと言いますが、
高齢者はそれだけの偉業を成し遂げたんだから見合う資産を持っていて当たり前。今の労働世代は先輩方が造ってくれた豊かな日本に “生まれただけ” で大した努力もしていないのに、人の金をアテにして文句垂れるんじゃない
と思います(小言)
さておき、
コレが平成30年の時価総額ランキング↓
【平成30年の世界時価総額ランキング】
1位:アップル(米国)
2位:アマゾン(米国)
3位:アルファベット(米国)※googleの持株会社
4位:マイクロソフト(米国)
5位:フェイスブック(米国)
6位:パークシャーハサウェイ(米国)
7位:アリババ(中国)
8位:エクソン(米国)
9位:テンセント(中国)
10位:エクソンモービル(米国)
Top10に日本企業は見当たりません。
ズラーと下までいって、かろうじて35位にトヨタがいるだけです。(前提、それでもスゴイことです。日本の誇りをありがとうトヨタ)Top10はおろか、Top50に1社 (2%) という状況になってしまいました。
ジャパンは「バッシング (Bashing)」する対象ではなくなり、そのうち「ジャパン パッシング(Passing)」(スルー)になり、今は『ジャパン ナッシング(Nothing)』と言われているそうです、(無いのと同じ、という意味。これは辛い)
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「昔は良かったなぁ、、」という回想はさておき (知らんし) 、「なぜ当時、資源もない島国の日本が世界を制覇できたのか?」の結論 ↓
✅ 1970〜1980年代は『モノづくりNo.1』= 「世界No.1」だったから
当時は世界中であちこち終戦し、人口が増えると同時に生活インフラを整える必要がありました。誰もが車やバイク、家電三種の神器(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)を欲しがったわけです。
その潮流にベストマッチしたのが敗戦後の日本、そして日本人のモノづくり気質と信頼。
【日本人の特性】
✔️ 手先が器用
✔️ 納期を守る、規格を守る
✔️ ひたすら改善する、コスト削減する(清貧が美徳
✔️ 監視してなくてもサボらない
✔️ 右向け右の団体行動 (製造工程) が得意 etc,,,
加えて、
✔️ 直前まで武器を作っていた工場が日本中で余っていた
✔️ アメリカが守ってくれることになったので国防が不要になった
✔️「欲しがりません勝つまでは」で勝てなかったので鬱憤が溜まってた
こんな要因もあったかもしれません。
いずれにせよ、結果として日本は「世界の生産工場」になり、"Made in Japan" は信頼の証となりました。
端的に言えば “国全体がモノづくり気質の日本に、諸外国が勝てるわけがなかった" のです。
そして、電化製品や車など製品ベースであれば言語がさほど壁にならなかった、というのも大きかったと思います。(例えばベルフェイスのようなSaaS事業で世界展開しようと思えば、トップはじめチームの言語レベルは完全にボトルネックになり得る)
そして、それら絶好調の日本企業にどんどんお金を貸した銀行も死ぬほど儲かった = そして時価総額上位にランクインしたという構図だったのでしょう。
これが、「なぜ当時、資源もない島国の日本が世界を制覇できたのか?」 の(勝手な) 結論です。
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次に「なぜ今、日本は世界に通用しなくなったのか?」の結論 ↓
✅ 現代は『プラットフォームNo.1』= 「世界No.1」だから
※念のためプラットフォームとは?
改めて現在の世界時価総額Top10を見ると、プラットフォームビジネスが大半であることは言うまでもありません。P=Platform
1位:アップル (P)
2位:アマゾン (P)
3位:アルファベット(P)
4位:マイクロソフト(P)
5位:フェイスブック(P)
6位:パークシャーハサウェイ
7位:アリババ (P)
8位:エクソン
9位:テンセント (P)
10位:エクソンモービル
言いたいのは今さら「プラットフォームがすごいよね」というような議論し尽くされたことではなく、
『日本人はプラットフォームという "全体戦略" がとても苦手という事実』 です。
なぜならば、気質がモノづくり(製品) に向いているから。
トヨタが広めた “改善” は、“KAIZEN” となり世界共通語になるほど日本人は
得意ですが、プラットフォームは点 (製品) でなく面(ネットワーク)であり、明らかに日本人が苦手なイノベーション領域です。
そしてこういうのはアメリカ人が得意。そもそも移民が集まってできた国なので国全体が “ダイバシティ” 、全てを包み込むプラットフォームは気質に合っています。(更に、日本人には言葉の壁も大きい。もし世界30億人が日本語を話せるとしたら、、? そりゃもっとグローバルで事業やれてるはずです。アメリカ人が見ているのはそういう世界です)
製品を作らせたら日本は今でも十分世界に通用すると思いますが、モノが行き渡った現代においてプロダクト単体は競争力になりません。勝つのはプラットフォームです。
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実は、ソニーはアップルよりはるか以前に iPod的な製品を作っていたらしいですが、プラットフォーム戦略(ここで言えば音楽コンテンツ)がありませんでした。iPodの価値は、欲しい音楽がどれだけ網羅されていて簡単に手に入るか、つまりiTunesです。つまり、製品で勝ってプラットフォームで負けた例です。
そして同じくソニーは、アマゾンより以前にKindle的な製品を作っていたらしいですが、プラットフォーム戦略(ここで言えば書籍コンテンツ)がありませんでした。Kindleの価値は、欲しい書籍がどれだけ網羅されていて簡単に手に入るか、つまりAmazonです。これも、製品で勝ってプラットフォームで負けた例です。(何やっとんねんソニー、、)
つまり、いくら安倍総理が「モノづくり日本を再び!!」と言ってみたところで無意味。中国はじめ諸外国の製品レベルも格段に上がってきているので、これからもモノづくりでの成功体験を忘れられない日本企業が
①優れた製品を作る
→②外国に一瞬で真似される
→②どっちにしろプラットフォームが全部もってく
この①②を繰り返すだけで、日本に再起の芽はありません。
今は何とか品質とブランドで勝っているトヨタも、アップルやグーグルなどプラットフォーマーの “入れ物” に成り下がるでしょう。そもそも世界は「所有」から「シェア」に動いているので、この流れは私たちが思うより速いはずです。
独自路線で言えば、私が憧れるイーロン・マスク率いるテスラモーターは既に車両のソフトウェアをリモートでアップデートできるようになっています。また、そもそも電気自動車はガソリン車と比較して部品数が半分以下で済むので、電気自動車に乗り遅れたトヨタはモノ作りでも負ける可能性が高い。10年以内にはトップ50社から消えていると思います。
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まとめ
「なぜ当時、資源もない島国の日本が世界を制覇できたのか?」 ↓
✅ 1970〜1980年代は『モノづくりNo.1』= 「世界No.1」だったから
「なぜ今、日本は世界に通用しなくなったのか?」 ↓
✅ 現代は『プラットフォームNo.1』= 「世界No.1」だから
そしてその潮流において、"今後数十年の間に日本が再び躍進する可能性は無い" という結論です。
(日本の政治を見ると更に絶望的)
言っていて悲しくなりますが、これが現実。日本は静かに美しく衰退し、そのホスピタリティと治安の良さを活かして世界の保養所になっていくのでしょう。
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しかし、
これはあくまで "国全体" の話。
振り切った日本のいちベンチャーが、GoogleやAmazonのような世界的企業になる可能性はもちろんゼロではありません。
たった一社の存在が、その国のブランドや存在感を大きく変えられることは世界が証明してくれました。確率はさておき、我々がそうなれない理由も無い。そんなことをふつふつと考えながら、今日も英語を勉強します。
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