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ウサギの餅つき

何とか間に合いました。

欠け始めは、小学校の玄関を出たところで見ました。スマートフォンをかざしてシャッターを押しますが、輪郭がぼやけてしまいます。少し雲がかかってしばし休憩となりました。

そう、今日は皆既月食と惑星食の日です。天体に詳しくはないのですが、ネットのニュースの多さやテレビの特別番組があることを知ると、それだけすごいことなのか…とワクワクしてきました。

そうこうしているうちに、皆既月食は始まりました。と同時に、自宅から「天体望遠鏡がセットできた。すごく綺麗に見える。」とのメッセージがありました。そこで本日は、家路につくことにしたのです。

サンタさんからのプレゼントと、10年以上振りに再会しました。ファインダー越しに見る暗闇は、いつもと違います。姿を現し始めた月は、どこか荘厳で神秘的です。

そして、いろいろな風景がよみがえってきます。一緒に、望遠鏡を組み立てたこと。十五夜には、階段に腰をかけて、お団子を食べながら「ウサギの餅つき」を探したこと。星の輝きを、只々眺めていたこと。

どうやらアルバイトの前に、ちらっとこの月を見たらしい。遠く離れていても、同じ月を眺めていることを今更ながら発見しました。

秋の深まりを感じ始めた満月の夜、そんなことを考えていました。

【2023年1月10日 初出】

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