雪だるま
雪を待ち遠しく感じていました。
子どもの頃です。
雪が降ると、雪だるまを作ろうか、それともかまくらを作ってみようかと、思案します。もちろん雪合戦をしたり、土手を滑り降りたりと遊ぶことはいくらでもありました。
先日の強い寒波のことです。待ち遠しかった雪ではなく、「本当に降るのか…」と心配な気持ちでした。そして、降雪量や道路事情が気になる数日間を過ごしたところです。
さて、大雪の降った週末のこと。道路はアスファルトが顔をのぞかせた頃です。大小の雪の塊があちらこちらに見えました。傍らには、棒が落ちています。
そう、「雪だるま」です。
石ころで目や口を付けてもらっている雪だるま。中にはバケツの帽子をかぶっている雪だるまも。日差しを受け、名残惜しそうにたたずんでいるのです。
そんな雪だるまを見ると、いろんな風景がよみがえります。あの大きな塊をどうやって転がしたのだろう。指先は冷たかったかな。など、ついこの前のように、雪だるまやかまくらを真剣に作っていたことを思い出しました。
やがて、融ける雪だるま。たとえ消えてなくなっても、冷たい雪を感じたこと、雪で思いっきり遊んだこと、遊んでもらったことは、いつまでも心に残るだろうな…と改めて感じました。
寒さ厳しい折、ほっこりした気分になりました。
【2023年2月3日 初出】
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