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血筋など関係ない=私たちは自由 学びが多い「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」


こんばんは。かずとさんです。

今回は25年のコナンオタクとして、

劇場版最高傑作と私は思っている「ベイカー街の亡霊」をご紹介致します。

犯人や動機などネタバレ含むので、まだ見たことがない方はお気をつけください。

「コナンなんて安室さんがいいんだろ?」

「ただのアニメ映画だろ?」

と思っている方こそ、是非ご覧ください。

また、見たことがある人も多い作品だと思うので、私なりのおすすめポイントというフィルターを通して見ると、再発見の多い作品でもあるかと思いますよ。

・あらすじ

ヒロキ君という10歳の天才少年が「ノアズ・アーク  」という人工知能をシンドラーカンパニーの社長の下で作った。

人工知能のデータ集めをしていた時にシンドラーカンパニーを破滅させてしまうかもしれない秘密をヒロキ君は知ってしまった。

いつか社長に殺されると思ったヒロキ君はノアズアーク完成後、電話回線でデータを逃し、そのまま自殺してしまう。

数年後、仮想体感ゲーム「コクーン」のゲーム発表会は行われ、コナン達も参加していた。

今回コクーンの内容において、コナンの父・工藤優作も関わっていた。

100年前のロンドンに連続殺人鬼切り裂きジャックが現れ、お助けキャラと共に犯人を捕まえるというストーリー。

そして、発表会で樫村という男性が殺され、ダイイングメッセージ「JTR」をコナンは見つける。

コナンはゲーム内に犯人の手がかりがあると確信をし、ゲームに参加する。

だが、ノアズアークがゲームを一人もクリアできなければ、ゲーム参加者の子供全てを殺すというサバイバルゲームを仕掛けてくる。

・製作陣

監督:こだま兼嗣

脚本:野沢尚 (江戸川乱歩賞受賞作家)

原作:青山剛昌

声優:高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 緒方恵美 折笠愛 等

・おすすめポイント

1 作品を通して伝えたいメッセージが素晴らしい

今回はコクーンという仮想体感ゲームで様々な謎を解いて切り裂きジャックを捕まえようとするのがメインのお話です。

そして、出てくる映画オリジナルキャラクターは皆お金持ちや、お偉いさん方のお子様達です。

なので、基本的に大人を馬鹿にしているし、人生を舐めきっています。

親が敷いたレールを走れば成功の人生は約束されておりますが、腐った人格の親の元に同じことをして成長した子供は、やはり同じような人間になる。

これは負のスパイラルだと序盤で説明しております。ストーリーが進むにつれピンチを共に切り抜ける中で、人間らしい心を少しずつ学んでいく子供達。

ラストにはノアズアークがなぜ命がけのサバイバルを仕掛けたか説明をします。それこそこの映画のメッセージ。

「人生はゲームのように甘くはない!!」

アニメ映画でやるからこそ、このメッセージは偉大ですごいことを成し遂げたと当時の私は痛感致しました。

子供にわかりやすく、人生において大事なことを伝えてくれました。

人のことをバカにしたり舐めきった態度をするのではなく、自分で考え、人の痛みや喜びなどの気持ちを学び、思いやりを持って生きて行く。

これこそが人間として一番大事なんだと教えて頂けました。

ゲームの映画という題材で、人生はゲームではないという強いメッセージをぶつけてくる名探偵コナンって何て凄い作品なんだと当時中学1年生の時は衝撃でした。

2 血筋などは私達の行動において関係ない!!

ネタバレですが、犯人のシンドラー社長が殺人を犯した際に「私の血筋が、、」とおっしゃります。

そう、彼は昔本当に実在した切り裂きジャックの末裔だったのです。

この血筋のせいで私は殺人を犯したと言い放ちます。

しかし、それは全く見当違いの発言だとすぐにコナン父・工藤優作は言い放ちます。

このシーンは本当にすごいと思いました。

結局犯人は自分が犯した過ちを何かのせいにしているだけです。自分の行動は結局自分が最後には決断すること。

究極的に言えば、血筋なども縛りは一切なく、私たちは自由であると伝えたいのかなと感じました。何かのせいにして行動するのではなく、自分で決断して行動するように生きていこうと思えたワンシーンでした。

「人生はゲームのように甘くはない」というセリフをノアズアークは言いますが、これはある意味ゲームは作られた中で終わるので自由ではないとも読み取れます。

作中でも灰原が

「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚、すべてコンピュータに支配されているのよ」

とゲームの中では英語も読めるようになっていたりと自由に動き回れそうですが、全くの逆なんだということ。

自由・不自由というテーマを子供にもわかりやすいゲームという媒体に置き換えてストーリーを構成させるなんて、本当に素晴らしいですね。

結論ですが、

ベイカー街の亡霊は、私たちは自由だと伝えたい作品なのではと私は解釈しております。

ここまで素晴らしいメッセージが詰まったコナン作品はベイカー街が一番だと思います。

ぜひコナンを見たことが無い方がいましたら、ただのアニメ映画としてではなく、本気で映画を1本観る気で挑戦してみてください!!

今を予知していたかのようなVRや人工知能のお話も見所です。ここまで先見の目があり、人生に響くメッセージを詰め込んだ野沢さんは凄すぎます!

コナン君は泣いたり諦めたりしないようにお話は今まで作られていますが、「打つ手がない」と唯一諦めるつぶやきをする作品としても珍しい作品です。

伏線も秀逸で、さりげないワンシーンがラストのクライマックスで活きてきたり、シャーロックホームズの「緋色の研究」に出てくる言葉を引用したりと製作の意気込みが相当すごいのがヒシヒシと伝わる傑作です

2002年の作品とは思えないほど、色褪せない作品なので、是非みなさん初めての方も改めて見る方もご覧ください!

楽しいロンドンでの旅をごゆっくりと!


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