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「介護books」

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家族介護者の方。プロの介護者の方。介護に興味がある方。いろいろな方や、様々な状況によって、オススメできる本が違うのですが、それぞれの方にフィットすることを願って、本を紹介していま…
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#家族介護者の心理的支援

「介護books」 ① 介護未経験でも、介護者の気持ちを分かりたい人へ、おすすめの2冊

 今は、介護に幸いにもあまり縁がない状態だけど、それでも介護に関心はあって、もしできたら、家族介護者がどんな気持ちなのかを知りたいし、知っておきたいと思う人に、オススメの本を2冊あげさせていただきます。 『夜と霧』 ヴィクトール・E・フランクル いきなり、介護と関係なさそうな本で申し訳ないのですが、そして、もしかしたら、すでに読んだ方も多いと思われる、いわゆる「名著」です。  ただ、この本を読んだ時、私は、介護中で個人的には気持ちとしては厳しい時期だったのですが、思った以上

「介護booksセレクト」⑯『シルバーヴィラ向山物語 母のいる場所』 久田恵

 いつも読んでくださっている方は、ありがとうございます。  おかげで、こうして書き続けることができています。  初めて読んでくださっている方は、見つけていただき、ありがとうございます。  私は、臨床心理士/ 公認心理師の越智誠(おちまこと)と申します。 「介護books セレクト」 当初は、いろいろな環境や、様々な状況にいらっしゃる方々に向けて、「介護books」として、毎回、書籍を複数冊、紹介させていただいていました。  その後、自分の能力や情報力の不足を感じ、毎回、

「介護booksセレクト」④『医療の外れで』 「支援の現場における当事者性」

 いつも読んでくださっている方は、ありがとうございます。  おかげで、こうして書き続けることができています。  初めて読んでくださっている方は、見つけていただき、ありがとうございます。  私は、臨床心理士/ 公認心理師の越智誠(おちまこと)と申します。 「介護books」  当初は、いろいろな環境や、様々な状況にいらっしゃる方々に向けて、書籍を毎回、複数冊、紹介させていただいていました。  自分の能力や情報の不足を感じ、これ以上は紹介できないのではないか、と思い、いった

「介護books セレクト」①『ボクはやっと認知症のことがわかった』 長谷川和夫 猪熊律子

 これまで「介護books」(リンクあり)として、いろいろな環境や、様々な状況にいらっしゃる方々に向けて、書籍を毎回、複数冊、紹介させてもらってきました。  前回で、自分の能力や情報の不足を感じ、これ以上は紹介できないのではないか、と思い、いったんは「介護books」を終了します、とお伝えしたのですが、それでも、紹介したいと思える本を読んだりすることもあり、今後は、一冊でも紹介したい本がある時は、お伝えしようと思いました。  いったんは終了します、とお伝えしておきながら、

「介護booksセレクト」③『誤作動する脳』 樋口直美

 いつも読んでくださっている方はご存知だと思うのですが、これまで「介護books」(リンクあり)として、いろいろな環境や、様々な状況にいらっしゃる方々に向けて、書籍を毎回、複数冊、紹介させてもらってきました。  自分の能力や情報の不足を感じ、これ以上は紹介できないのではないか、と思い、いったんは「介護books」を終了します、とお伝えしたのですが、それでも、紹介したいと思える本を読んだりすることもあり、今後は、一冊でも紹介したい本がある時は、お伝えしようと思い、復活する(リ

「介護books セレクト」②『きらいな母を看取れますか?関係が悪い母娘の最終章』 寺田和代

 これまで「介護books」(リンクあり)として、いろいろな環境や、様々な状況にいらっしゃる方々に向けて、書籍を毎回、複数冊、紹介させてもらってきました。  自分の能力や情報の不足を感じ、これ以上は紹介できないのではないか、と思い、いったんは「介護books」を終了します、とお伝えしたのですが、それでも、紹介したいと思える本を読んだりすることもあり、今後は、一冊でも紹介したい本がある時は、お伝えしようと思い、前回(リンクあり)から復活することにしました。  いったんは終了し

介護books⑦「認知症」当事者のことを、より深く理解するための6冊

前回、『介護books⑥「介護」を、もっと広く深く考えたい方に、手に取って欲しい6冊』(リンクあり)で、この「介護books」シリーズは、いったん終了します、とお伝えしたのですが、その後、ご紹介したい本を見つけたり、再発見したりしましたので、再開いたします。今後は、不定期になるかと思いますが、また時々、このシリーズを続けていくと思います。 いったんは終わるとお伝えしたのに、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。 改めまして、臨床心理士/公認心理師

「介護books」②介護が始まるかもしれない人へ。不安を(少しでも)減らすための4冊

 今、家族の調子がどうも悪い気がする、だけど、それは単なる年齢のせいではないか、大丈夫、などと思いながら、どこかで、そろそろ介護が始まる不安がふくらんでいる方も、少なくないと思います。今の、こんな状況であっても、どんな場合であっても、介護は突然、始まることがほとんどです。  できたら、介護を始めたくない、という気持ちと、だけど、介護をせざるを得なくなるのではないか、という恐さと覚悟と不安があるかもしれません。  家族にとっては、特に親御さんの場合、あのしっかりしている姿や、

介護books③「介護に慣れてきたけど、希望が持てない人に(もしよろしければ)読んでほしい6冊」

 いつ介護を始めたのか、改めて振り返ると、ちょっとはっきりしない。今、考えているのは、ずっと目の前にいる介護が必要な家族のことで、気がついたら、少しの変化に敏感になり、体が、この生活になれてきたような気がする。  ちょっと前までは、介護以外のことに、まったく目がいかず、デイサービスも利用するようになったけど、その時間の間も、ほぼ何も考えられず、横になってなるべく寝るようにしていたのだけど、ぐっすりと眠れないような感じだった。ここのところ、やっと、その時間に休めるようになった

介護books④「家族介護者の気持ちが分からなくて、悩んでいる支援者へ(差し出がましいですが)おススメしたい6冊」

 臨床心理士/公認心理師の越智誠と申します。  元・家族介護者でもありますが、介護を始めてから、「家族介護者の心理的な支援」の必要性を強く感じ、臨床心理士を目指し、今は、家族介護者に対して「介護相談」の仕事もしています。 (詳細は、「介護離職して、10年以上介護をしながら、50歳を超えて臨床心理士になった理由①」から、読んでいただければ、幸いです)  こうしてnoteを書き始めた動機の一つが、「家族介護者の気持ちへの理解が、まだ進んでいないのでないか」という思いです。すで

介護books⑤「介護が終わったのに、介護が終わったような気がしない人へ(出来れば)おススメしたい5冊」

 臨床心理士/公認心理師の越智誠と申します。  元・家族介護者でもありますが、介護を始めてから、「家族介護者の心理的な支援」の必要性を強く感じ、臨床心理士を目指し、今は、家族介護者に対して「介護相談」の仕事もしています。 (詳細は 「介護離職して、介護をしながら、臨床心理士になった理由」を読んでいただければ、幸いです)。  介護の終わりのことを考えて、どうしてもジレンマを感じるのは、介護中は、いろいろな関係者と関わらざるを得なくて、人と会う機会も多いのに、介護が終了してし

介護books⑥ 「介護」を、もっと広く深く考えたい方に、手に取って欲しい6冊

 臨床心理士/公認心理師の越智誠と申します。  元・家族介護者でもありますが、介護を始めてから、「家族介護者の心理的な支援」の必要性を強く感じ、臨床心理士を目指し、今は、家族介護者に対して「介護相談」の仕事もしています。 (私自身の経歴の詳細は「介護離職して、介護をしながら、臨床心理士になった理由」を読んでいただければ、幸いです)。  今回は、家族介護者の当事者の方だけでなく、専門家の方でも、「介護というものを、もう少し広く、できたら深く考えたい」と思われる方に、私にそん