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NY留学90’Sストーリーその8

僕が通い始めた大学の構内では緑の芝生の上をリスが駆け回るような平和な雰囲気でしたが、それは僕がNYに求めてきたものではない。もっとスリルがあってデンジャラスなシティーライフです。でも情報がなにもない。そこで重宝したのがヴィレッジ・ボイスというフリーペーパーです。そこに毎週のイベントなどが載っている。それも大学には置いてないので、わざわざ丘を下りて30分ぐらい徒歩で駅前の文房具屋みたいな所に取りに行く。それを読んでいるうちに段々シティーで何が起こっているのか、頭に描けるようになりました。

そんなある日アリソン・ゴールディー・バンドのギグの記事を目にします。アリソン・ゴールディーはあのNYドールズのギタリスト、ジョニー・サンダースのバックアップボーカルをしていた人です。さらに、ベースにはあのハノイ・ロックスのサム・ヤッファが参加。これは行くしかない!と勇んで僕は見に行きました。今は無きトランプスというクラブです。驚いたのが、トイレに行くとあのサム・ヤッファがおしっこしてる。何だ、この距離の近さは!日本ではありえない感じ。

ライブが始まり、それなりに楽しむ。近くに立っている女性がチラチラと自分の事を見ている。「なんだろう?オレの事、気に喰わないのかな?」「あなた名前何?アリソンの事、知ってるの?」「いや全然。」「わたし友達だから、楽屋に行きましょうよ。」なぜか僕はその人について行き、バンドの楽屋にいた。

その女性の名はシャオリーン。ファッションデザイナーで、ロックミュージック大好き人間。オレはこの人から多大なる恩恵を得ることになります。(続く)

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