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【カスタマーサクセス×キャリア】2つの方向性とCSのこれから

ここ最近、異なるフェーズの”カスタマーサクセスな人たち=同志”とお話しする機会が重なり、特にキャリアの面でこんな「もやっとしてる」話を聞きました。

・カスタマーサクセス(以下CS)業務が細分化されて、CSとしての
 キャリアに面白みを感じない/成長に限界を感じている
・組織として立ち上げることになったけど、キャリアとしての
 将来性ってあるの?

CSをやってきたという方、これからCSを志す/やるはめになったという方で心当たりのある方も多いのではないでしょうか。ぼくは2016年、前職ビズリーチにてHRMOS(ハーモス)というBtoB SaaSのCS組織立ち上げに携わりました。

この2020年5月からSpready(スプレディ)というスタートアップにてまたしてもCSを立ち上げに奔走しています。
ある意味でCSに心臓を捧げている(!!)状態の男です。今日はそんなCSのキャリアに関するもやもやに答える話をしようと思います。

▼本noteの内容
・CSのキャリアをひらく「組織としての機能拡張」と「スキルの掛け算」
・これからのCSへのワクワク感と2つの背景

CSのキャリアをひらく「組織としての機能拡張」と「スキルの掛け算」

CS組織としての機能拡張CS組織立ち上げ時の人材について、例えばスタートアップや新規事業でリソースが不十分なうちは営業やサポート、プロダクト開発などと兼務して少人数が複数の重複する役割をこなすことも多いですよね。
そして採用できるようになるとCS経験を必須条件にしたり、または「すでに何らかの専門性のある方にCS的視点をインプットいただく」かたちで採用していく企業もあります。

組織としての機能拡張
ただし、今の転職市場で本格的にCSに取り組みたい、CSの守備範囲を広げたいというフェーズの企業の「CS経験がある方」という募集のマッチング精度は高くないように思います。
まだ職種としての歴史が浅いため、どうしてもその経験に網羅性が低く「リテンション営業」や「カスタマーサポート」としての役割に留まる経歴と判断されてしまう方が多くいるのもまた事実です。

ここから一歩抜け出すために、企業にも求職者にもおすすめなのが「今在籍するCS組織の機能拡張」です。
例えば、今のCSチームに営業企画という機能を持たせて、正しい顧客セグメントや営業チームの武器になる情報を提供する。同じくプロダクト開発部門やマーケ・PR部門とも顧客インサイトを伝えより効果的なプロダクト改善、マーケティング活動を推進するなどがそれにあたります。
小さく始められることからやってみるのがおすすめです。

「CS×○○」というスキルの掛け算
CSチームも無事に大きくなると細分化され、各自の役割が明確になります。
具体的には「CS×営業」「CS×マーケティング」「CS×サポート」「CS×プロダクト」「CS×データ分析」「CS×マネジメント」など、「CS×○○」というポジションができてきます。
この「○○」という専門性を軸にスキルアップすることで、CS組織の中での活躍はもちろん、その専門部署への異動というかたちでキャリアアップを図ることができます。
CSを軸にすると、あるべき姿から逆算して業務範囲の狭さやに物足りなさを感じる。一方で専門性を軸にすると、自らのスキルはもう一歩だと感じる。
そういうときってありますよね。そしてそれこそが次の成長の必要性を知らせるサインなんだと思っています。
最終的にはCS組織として各機能(役割)が充実している状態を目指したいですね。

これからのCSへのワクワク感と2つの背景

ここまで読んでくれた方の中には、「CSとして成長の余地があるのはわかったけど、活躍できる業種の広まりや市場価値の高まりはどうなの?」と思う方もいるかもしれません。
結論、CSは中期的に形を変えながらまだまだ成長が楽しみな分野だと感じています。

背景① LinkedIn成長職種レポート2020年版のビジネス職第1位
LinkedInが昨年末に公開した2020年版の成長している職種レポートで、CSスペシャリストは年間成長率34%の第6位にランクイン。これはいわゆるビジネス職では堂々の第1位という結果でした。また、日本国内のCS人口についてもこの3年ほどで見違えるほど増加していますしね。
背景② アフターデジタルの世界では、CS活動があらゆるタッチポイントにおいて、かつてないクリエイティブな顧客体験を生み出すきっかけになる
「アフターデジタル2 UXと自由」から。前作でも描かれていたOMO(Online Merges with Offline)を前提とする社会が、コロナ禍で速度を上げて迫ってきていると。
その中で注目すべき箇所として、人接点=ハイタッチ、人・場所接点=ロータッチ、デジタル接点=テックタッチと見立て、それぞれのユーザー体験について解説がありました。
多くの業界で、デジタルな接点でできることが増える。これに加えてデジタルとリアルにおける接点のそれぞれの強みが弱みを補い、相互に行き来できるユーザー体験を叶えることが重要だと。

あらゆる業界の様々な接点でCSマインドを問われ、クリエイティブな顧客体験の創造につながるともとれます。
補足すると先日、普段から多くのインプットと刺激をもらっている「CS HACK」のイベントに参加しました。著者の藤井保文氏と同じビービット社のCSを手掛ける礒野さんからも「アフターデジタルの世界では、すべてのタッチポイントがカスタマーサクセス化する」と勇気づけられるコメントがありました。

全社をあげて、CSという原理原則のにもとづきあらゆる接点で得られた顧客インサイトを各接点に還元していきたいものです。
これからのCSチームには、これまで以上に組織のHubとなりプロダクト開発はもちろん、マーケ・PR、セールスをはじめとするあらゆるチームとの相互依存によるなめらかな連携が不可欠です。
これまでにないサービス開発が求められる非常にチャレンジングで興味深い仕事になっていくと感じています。

【まとめ】

今回はカスタマーサクセスのキャリアについて、少しもやっとする話を耳にしたことから日頃何となく思っていることをあえて言語化してみました。
☑︎「CS業務がマンネリ化してきた」「キャリアの展望が描けない」というのは成長が求められているサインです。「組織としての機能拡張」と「スキルの掛け算」で可能性を広げていきましょう。
☑︎ CSは近年のCS人口の増加、アフターデジタルからもますますチャレンジングで注目の仕事。あらゆる接点にCSという原理原則を働かせ、かつてない価値創造を狙っていきましょう。
そんなわけで、今後ますます普遍的な存在として真価が問われるカスタマーサクセスの皆さんと一緒に、アフターデジタルの社会に備えていきたいと思います。

【告知】私がCSを勤めるスプレディでは、雇用にこだわらない企業と人との新しいつながりを生み出すSNS「Spready(スプレディ)」を運営しています。ビジネス職/プロダクト職の経験がある、他部署との連携をとる機会が豊富なCSの方に「相談したい」「フィードバックをもらいたい」という企業案件も掲載されています。ぜひ無料登録をしてのぞいてみてください。

それではまた。Customer Success Is Not Dead!!

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