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祝福

だれもがいずれ

ここを去るという約束が

今を美しくする

祝福のほかに何があるだろう

痛くても悲しくても

祝福で包む他ないことを

もう知っている
 


大きく開いた椿の赤い花びらに、雄蕊の枝垂れた先に落ちる黄色い粉が金粉のようだな。

もう花びらの隅は朽ちかけているのだけれど、うつむき加減のその顔に思わず寄ってしまいました。


松本隆さんの言葉の教室を読みました。

その言葉は、余白の中にぽつりぽつりと輝く金色の足跡。ああ、この人は、詩の神様に愛されたんだな。

風光る
境界線に
きみの足あと

読むというよりは、眺めるだけで存在の滋養になる言葉たち。

深くて軽やかな人間性も感じられて、松本さんのことがもっと好きになりました。

昨晩、眠る間際、言葉の切れ端が浮かびました。何度か唱えたけれど、良い続きが生まれる氣配はなくて。

「メモなんてする必要はないよ。メモしなくちゃ忘れてしまうようなものなんてたいした言葉じゃないんだよ。」

松本さんの本の中にあった、こんな意味のくだりを思い出しながらベッドに入りました。

翌日は太極拳のプライベートレッスンの後に仕事が入ったので、帰宅してすぐにお客さまをお迎えすることができるよう、朝早く起きてその仕度をしていると、ふいに昨晩の言葉の切れ端を思い出しました。

続きも生まれて無事形になったのが、今日の「祝福」です。

「言葉の教室」を読んだら松本さんがドラムと作詞を担当した「はっぴいえんど」にも詳しくなりました、笑。

今、そのアルバム「風街ろまん」を聴いていますが。

いいですね。風が温かくて、とても氣持ちが和みます。

 



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