風の世界の童話|いつだって、輝いて【連作短編】
ざばーん!!!大きな音を立てて、カイリューさんがやってきました。
カイリューさんは、それぞれに得意を持っています。
「私はね、先見の明があるのよ!!!ほんとね、もう無一文からビジネスを作ってこんなにできるようになったのよ。あ~昔?昔はね、全然違う仕事してたの」
「私はね、、ここだけの話、目に見えないものが見えるのよ。しかもね、生まれつきではないの」
皆がカイリューさんにあこがれの目を向けています。
「え?今日の会議の会議室が取れてないって‥!?」
大きな声でカイリューさんがお話しています。
「任せて任せて!マブダチが会議室取ってるっぽいから、お願いしてあけてもらうわ!!」
頼りになりますね・・・
どんな場所でもどんなところでもカイリューさんのきらきら、いえぎらぎらした輝きは変わりません。
カイリューさんはみんな緑でもないんですよ。
大きなカラフルなショールを身にまとっていたり、大きなネックレスをしていたり・・・
カイリューさんにはおしゃれさんが多いし、緑じゃなくて白や赤・・・に変容している人も多いのです。
鬣もつやつやです。
「でも輝きは内面から現れるのよ」
そうですね、すみません、そうでしたね。
本当に輝いています。
カイリューさんは、目の前の人にいろいろなことを教えてくれます。
そしてね、すんごいかわいいところもあるんです。
ちょっと覗いてみましょうか。
カイリューさんが、まるでちいさな赤ちゃんサイズに変容しています。
あれ・・・?
そして何やら話しています。
「実は悩みがあるんです・・・」
そう、カイリューさん普段は大きいように見えますが、かわいいところがあるやつなんです。
心を許した相手には、かわいいとこもあるんです。
ちなみに実はサイズが変わったんじゃないんです。空気をぷーっと口に含んで胸を張ると大きなサイズに、
心を許した相手の前で、全身の力を抜くとほら、こんなにかわいくなっちゃうんですよ。
「おはよう!」
と、あいさつされたカイリューさん・・・あれ?無視??
「無視じゃないわ。私忘れちゃうのよ、あの人お話したことあったけ?」
そう、カイリューさんは、すぐ忘れちゃうみたい。
挨拶されなくても大丈夫です。忘れちゃっているだけですよ。
カイリューさんは、こういいます。
「いつも清く正しく生きていたらこんなに素晴らしい人生になったわ。
私を見本に生きてみて!きっとみなさんにも素晴らしい変化が訪れるわ!」
カイリューさんは、今日も輝いています。
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