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読書日記

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2020年7月の記事一覧

佐藤一斎「言志四録」金科百条(私家版)

佐藤一斎「言志四録」金科百条(私家版)

佐藤一斎は、幕末に活躍した方々の師匠の師匠にあたります。伊藤博文や高杉晋作は吉田松陰の弟子ですが、その吉田松陰の師匠は佐久間象山です。そして佐久間象山の師匠は佐藤一斎なのです。また、私が敬愛してやまない山田方谷もまた佐藤一斎の弟子です。

そんな佐藤一斎が残したのが「言志四録」です。言志四録は、『言志録』『言志後録』『言志晩録』『言志耋録』の4つを総称したものです。どれも佐藤一斎が残した警句がふん

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ハンナ・アレント『カント政治哲学講義録』読書ノート(前編)

ハンナ・アレント『カント政治哲学講義録』読書ノート(前編)

ハンナ・アレントの『カント政治哲学講義録』は、「政治哲学」と名のついた書物を残さなかったカントの政治哲学を、『判断力批判』を中心に読解することで再構築する野心的な試みです。

アレントの独創的なカント解釈は、政治を捉え直す視座を与えるとともに、教育の位置付けについても示唆を与えてくれるため、非常に重要だと思っています。読書ノートは、アレントの講義と私の感想から成ります。なお、各講義のタイトルは原文

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