風埜いろは

1986年生まれ。東海大学文芸創作学科卒業・京都造形芸術大学大学院芸術環境研究領域文芸…

風埜いろは

1986年生まれ。東海大学文芸創作学科卒業・京都造形芸術大学大学院芸術環境研究領域文芸分野修了。造形・文芸の創作活動が出来るようにリハビリを兼ねて、創作哲学を養うために更新していきます。動物を飼う前に、観葉植物を育てる感覚で、これはこれで大切に。

マガジン

  • 袖振り合うも多生の縁

    記事を取り上げていただいたり、画像を使用していただくと、ちょっぴり嬉しい気持ちになりますので、こちらにまとめさせていただきます。

  • 日記/エッセイ

    身近な出来事から、思考を飛ばす。そんなエッセイを心がけて書いております。

  • アポロン日記

    飼い猫アポロンがnoterデビューしてます。 不定期でしたが、「日曜日のおともだち」として、毎週日曜日に書かせたり書かせなかったりしてます。

  • はじめまして 卵巣のう腫さま

    卵巣のう腫を患った経験を綴ったコミックエッセイです。 漫画を書くのも初めてですので、不慣れな点が多々ありますが、ご了承くださいませ。

最近の記事

  • 固定された記事

誰にでもわかる。自分にしか書けない。

良い文章とはなにか。 という問いの答えは、この二つに集約できると思っている。 +++ 私が塾講師をしていたときのことだ。勤めていた教室の国語科専攻は私だけだったので、夏休みになれば読書感想文・冬休みは作文と書初めの指導をするが多かった。 小さい教室ではあったが、小学生から高校生まで延べ200人以上の作文の添削指導を行ってきた。そして、子どもたちの文章を見ていると陥りやすいポイントがあることが分かった。 まず、難しく書こうとしていること。これは、難しい言葉を使うことにも

    • 原因のかくれんぼ

      整骨院へ行った。 肩こりから首まで辛くなり、次第に頭痛がしてきたため、これはまずいと駆け込んだのである。 この整骨院は鍼灸院も兼ねており、あまりにも辛く、すぐに効果を得たかったので鍼治療をしてもらうことになった。 鍼治療は高校生の時毎日してもらっていたから抵抗は全くない。 そう伝えると「じゃあ通常初回の人には使わない1番太いの、いっちゃいましょう!」と居酒屋店員みたいなノリで言われるがまま太くて効果がある鍼を、肩・首・頭・耳の裏に計24本打ってもらった。 ハリネズミ

      • 言葉は友達。そして戦友。

        己の懐の狭さを感じる出来事があった。 相手の失敗のだけでなく、言い訳ばかりを並べてオマケのように添えられた「ごめんね」という謝り方に余計に腹が立ち、行き場のない怒りを押し殺して仕事をした。 謝れば済むと思ってるぞ。 どうせ悪いと思っちゃないんだよ。 許すまじ。 私の中にいる悪魔さんがここぞとばかりに暴れ始める。 日頃からあらゆることに対して「言い方が悪い」という考えは持たないようにしているのだが、悪魔さんが喉元まで出かけていたので、何度もゴックンして閉じ込めた。 そ

        • ほんの一瞬が思い出を開く鍵

          今年から、絵日記をつけている。 きっかけは夫のつぶやきだった。「絵日記とか好きそうだけどしていないよね」という言葉。した方がいいとか、やればいいのにという言葉ではなく「そういえば…」と何気ないつぶやきが、私の心に火をつけた。 まんまと…というと夫に意図があるかのようになってしまうが、結局ほぼ毎日描くようになり、すっかりハマってしまっている。 ・・・ 私はただの会社員だが、業務の一つで子供向けの教室を開講し、地域の子供が週に一度集め「先生」として教室の運営をしている。教

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        誰にでもわかる。自分にしか書けない。

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          4本

        記事

          活字で会いましょう

          好きな作家がいる。 彼の翻訳作品は片っ端から読み漁り、新聞のコラム記事にもかじりついた。彼が編集している雑誌を定期購読をしていた。 ファンというのはこういうものだろう。 学生時代から彼が紡ぐ言葉が好きで、文章から見える感性に、自分にはないものを感じては心を動かしていた。 そんな彼が、私が勤めている大学の、私が所属している学部の研究協力者として招聘することになったというビッグニュースが飛び込んできた。 私はその時、学部の先生方が使用する研究費の処理などをする部署にいた

          活字で会いましょう

          都合よく見出した共通点の先には

          幼い頃、父とお風呂に入っていた時のこと。 「私も大きくなったら背中の穴ポコにホクロができるの?」と聞いて、父を混乱させたことがある。 「背中の穴ポコ」というのは背中と腰の間にあるくぼみのことである。 父には背中の穴ポコのやや左寄りに、スイカの種くらいの膨らんだホクロがあった。父はそのことを知らなかったようだった。 「お父さんはこんなところにホクロがあったんかー!知らんかったわー」とやや興奮気味に驚きながら、「ホクロができる位置は人それぞれなんやで」と微笑む父の目を、ま

          都合よく見出した共通点の先には

          私は私の感情に追いつけるか

          旦那さんとポケモンの話をした。 今旦那さんが読んでいる本がポケモン誕生の秘話などが書かれている本らしく、キャラクターデザインの担当者が1番最初に使ったポケモンはなんだ?というクイズを出され、そこから互いの好きなポケモンの当てあいっこをしていた。 とはいえ、私が覚えているポケモンは赤・緑・青の初期ポケモン151種類だけだし、ポケモンGOなどもしていない。 記憶も曖昧だったので、一覧を見ながら「可愛い系?」「有名?」「水属性?」などと質問攻めにしつつ、久々にポケモンを見て懐

          私は私の感情に追いつけるか

          ドッキドキドンッ!1年生。

          私が大学3年生の時のこと。 社会人1年生となった2学年上の先輩が、大学に訪れて言っていた話を、今でも時々思い出す。 その先輩は私が所属する体育会本部役員の委員長をしており、いわゆる「怖い先輩」だった。仲は良かったが、怒らせたらまずい先輩である。 まず、口が悪い。 「おいっ!」とか「お前さぁー!」とか、眉間に皺を寄せながら近づいてきた日には、一目散で逃げていた。大学中走り追い回されたこともあるし、グーで頭を小突かれたこともある。 そして、態度がでかく威圧的。 私より1学

          ドッキドキドンッ!1年生。

          与えるものであって、求めるものではない。

          旦那さんとアニメ『美味しんぼ』を観る習慣がある。 空腹状態で見ると、口さみしくなって食べたくなってしまうので、食事中に観ることがほとんどだ。 旦那さんの提案で、1話から順番に観るのではなく、全121話をルーレットアプリでランダムに見ているので、すでに最終回を見てしまったが、肝心の海原雄山初登場回はまだ見ていない。 時折「これはどこの誰だ?」ということが起こるが、関係性などは会話などから推測できるし、それが分からなくても全く問題なく楽しめるからとても良い。 『美味しんぼ

          与えるものであって、求めるものではない。

          知ってる言葉より、知らない言葉の方が、より正しく伝わってくる気がする謎についての一考察

          大学4年間、私は小田急線沿いに住んでいた。 新宿から小田原・箱根までを結ぶこの私鉄路線は、関東圏外の人にとってはあまり知られていないのではないかと思う。都内に住んでいても、「乗ったことがない」という人もいるだろう。 そして大学2年の時、メジャーデビューしたバンドがいたのだが、デビュー曲のなかに「小田急線」という歌詞があって、聞けばメンバー全員ご近所(と言っても駅は5~6こ離れてる)ということがわかった。 小田急線に住まいがある、もしくは馴染みのある人にとっては、親しみと

          知ってる言葉より、知らない言葉の方が、より正しく伝わってくる気がする謎についての一考察

          冷たくて痛い豆腐ハンバーグ

          小学生の時に母から料理を教わった。 特に小学5〜6年の時は季節ごとにテーマとする料理があって、1人で作れるようになるまでチャレンジした。 春は親子丼。 今思えば、イースターエッグを作るために取り出した、形を留めない白身と黄身を使うのに最適だったのだろう。 夏はナポリタン。 午前授業の土曜定番のメニューだった。土曜日のお昼は麺料理が多く、焼きそば・おうどん・ラーメン、それかナポリタンやミートソースなどのスパゲティ。 小学校から帰ると玄関にたどり着く前に台所の勝手口を先に

          冷たくて痛い豆腐ハンバーグ

          「配慮」は全てにおいて善だろうか

          仕事からの帰り道。 最寄駅にある階段で、ふと転びそうな感覚を覚え、思わず足を止めてしまった。 駅構内ではなく、駅ビルとスロープで結ばれたビルの階段である。普段はあまり使わない階段なのだが、その日は用事があって慣れない階段を使ったということは事実である。 ただ、仕事終わりで疲れていたものの、そんな歩みを止めるほど疲弊していたわけではない。にも関わらず、その階段を降り始めたら急にクラクラし、足を踏み外しそうになったのだ。 不思議に思いながら再度階段を降りようとするが、どう

          「配慮」は全てにおいて善だろうか

          アポロン日記 epi.36

          寒い寒いと 身を寄せ合って 冬は寒いが 温かい 今日も都々逸からスタートします。 こんにちは。ボク、アポロンです。 僕たち猫にとっては、辛い季節がやってきました。 しかし、冬毛のボクは天然カイロ。 いろはさんは暖をとるため、 ボクを呼び寄せて抱っこしてくれます。 辛いけど、いい季節です。 🐾 新しいお家に引っ越してきて、1年が経ちました。 家族が増えて、家も広くなって、 前に住んでいたおうちのことを忘れかけています。 引っ越して来たばかりの頃は、 なるべく隠れら

          アポロン日記 epi.36

          知らないものは、見えない

          マウンテンデューという飲み物がある。 こんな言い方をするのは、概ねの方は私と同様に「ご存知ないだろう」と思っているからだ。 というのも、私がこの飲み物を認識したのは、結婚してからのことだ。それまでは全く知らなかった。 旦那さんが運動したり、ご近所ランニングをした時にたびたび飲んでいて、全く知らない飲み物だったので驚いた。 一口もらうと…なるほど。 見た目も味も、ちょっとライフガードに似てると思った。 ライフガードは兄が好きだったので、よく一緒に飲んだ覚えがあった。

          知らないものは、見えない

          アポロン日記 epi.35

          おはようございます。 アポロンです。 いろはさんはソフトボールの試合へ行きました。 ずっと開催できなくて、ほぼ2年ぶりの試合。 怪我をしないように、でも活躍してきてほしいです。 久しぶりにチームメイトに会うから ご飯でも食べてくるかにゃ?と思いきや、 「せんきょ」があるからと言って、 試合が終わったらすぐに帰ってくるそうです。 それは大事だね。 ぜひ、チャオちゅ〜るを無償化してくれる人に 投票して欲しいものです。 🐾 いろはさんは、ボクの匂いを嗅ぐのが好きです。

          アポロン日記 epi.35

          アポロン日記 epi.34

          墨の匂いも 大好きだけど ボクに似合うよ 白と黒 おはよう。ボクだよ。 今日も都々逸スタートです。 いろはさんが書道をしてると ついお邪魔したくなるんだよね。 半紙の白と、墨の黒。 ボクと同じモノトーンで親近感が湧いてくるよ。 何書いてるのかにゃーって覗くと、 「踏んじゃダメーーーーーっ!」って言いながら いろはさんがすっ飛んでくるから、 びっくりして、逃げようと思ってつい踏んじゃう。 びっくりさせなきゃ踏まないのに… 自業自得のいろはさんです。 でもそんなこと言

          アポロン日記 epi.34