Dead Head #84_180
ダボと公園を出る。黙ってついていく。街道沿いを二人歩く。歩道橋を上がっていく。
歩道橋の真ん中辺り。ダボは足を止める。欄干に手をつき、ダボは車の流れを見下ろす。俺は欄干に背をもたれ横を見る。攣れたようなダボの横顔。いつもとは違って見える。急に知性が宿ったような目つきだ。
「もう戻ってこない。あの男」
「なんで?」
「外れたんだ。監視から」
「監視?」
「監視されていたのは知ってるか?あの公園」
「まあ」夕べのやりとりで想像はつく。
「現場監視、潜入捜査みたいなものだ」
ダボは説明する。公園周辺は、実証環境に指定されている。公安が進めている、新しいビデオ監視システム。そのシステムは人相風体や歩き方など特定個人を識別。その監視対象の不審な行動を予測し警告する。