鳥丸地区コミュニティ協議会 - NPO法人頴娃おこそ会 加藤潤さん①
2023年10月31日に、薩摩川内市にある鳥丸地区コミュニティ協議会にて、地域連携アドバイザー派遣が行われました。
アドバイザーは、NPO法人頴娃おこそ会 加藤潤さんです。
▽アドバイザー派遣活用の背景
鳥丸地区コミュニティ協議会がある薩摩川内市東郷町鳥丸は、春はミツバツツジ、秋には彼岸花が鮮やかに咲きほこる田園風景が美しい地域です。
キャンプや川遊びを楽しめる「とうごう五色親水公園」もあり、夏には家族連れやグループ客で賑わいます。
同地域にある「鳥丸小学校」は2017年に近隣の小学校と統合し閉校になったものの、2022年から同市に本社を構える「株式会社岡野エレクトロニクス」による運営がはじまりました。
現在は、同社が支援する女子サッカーチーム「レイナ川内レディースサッカークラブ」の本拠地として活用されています。
スポーツの力で地域に賑わいを取り戻す一方、鳥丸地区では少子高齢化や人口減少による課題も感じています。
中でも、進学や就職をきっかけとした人口流出にともなう空き家問題は深刻で「倒壊の危険がある物件をなんとかしたい」「空き家をスポーツ合宿などに利用してほしい」という思いはあるものの、コミュニティ協議会だけでは限界を感じていました。
そこで、県内外で十数件の空き家再生の経験を持つ加藤さんに、地域に足を運んでもらい、専門的な視点からアドバイスを求めることになりました。
アドバイザー派遣後の展望としては、以下のような内容を描いています。
▽アドバイザー派遣の様子
当日は、会場の鳥丸地区コミュニティセンターに、約30名が集まりました。
司会を務めるのは、地域おこし協力隊の増田さんです。
増田さんは、2022年に鳥丸地区に着任。受け入れ団体の鳥丸地区コミュニティ協議会を拠点に、地域イベントの企画や運営、情報発信などに力を入れています。
開会のあいさつは、コミュニティ協議会 会長の木通さんです。遅い時間に集まっていただいた参加者へのお礼と、事業に対する期待が話されました。
合わせて、アドバイザー派遣を担当する鹿児島県からも、会場全体へ事業内容が共有されました。
▽加藤さんによるまちづくりや空き家再生の事例紹介
関係者のあいさつの後は、加藤さんのお話へ。
41歳の時に埼玉県から、鹿児島県南九州市頴娃町(えい町)へ移住した加藤さん。先に移住した弟さんと一緒に、タツノオトシゴの観光養殖場を立ち上げます。
並行して、地元NPOや行政と連携して観光まちづくりに挑戦。それまで周辺観光地への通り道となっていた頴娃町を、観光雑誌に載るような地域に成長させました。
地域に賑わいを取り戻す中、移住希望者が現れたことから、空き家活用にも力を入れはじめ、2015年〜2020年の5年間で10件の空き家を再生。
その間に地域おこし協力隊の受け入れも開始し、行政と連携した制度設計は、他地域から注目されることも多いそうです。
加藤さん自身は現在、ソフト面(コミュニティづくりや契約書作成など)とハード面(物件の解体や、その後の改修など)の両方をDIYをベースに再生していく「コミュニティ大工」として、県内外の空き家再生に関わっているとのことでした。
情報量たっぷりに話す中で熱くなったのか、途中で半袖になる加藤さん。
その思いが伝わったのか、お話の後に参加者からさまざまな質問があがりました。
▽参加者からの質問
質疑応答の後は薩摩川内市から、空き家を賃貸住宅に利活用する時に使える補助金の説明が行われました。
自分の家族がUターンする際や、移住者に自宅を貸し出す際のリフォーム費用などに使えるということで、参加者の皆さんも真剣に耳を傾けていたようです。
お話の後は、薩摩川内市東郷支所 所長の羽田さんより今後の地域づくりに向けての展望が語られました。
そうして、さいごは鳥丸地区コミュニティ協議会 副会長の西谷さんのごあいさつです。
「今日の話から得た地域活性化のヒントやアイデアがあったら、ぜひ教えてほしい。今後も、有意義な会にしていきたい」と前向きな言葉で閉会となりました。
解散後は、加藤さんが以前制作した冊子「まちづくり空き家再生解体新書」を手にする方も多く、改めて空き家再生に対する関心の高さがうかがえました。
▽関連リンク
・鳥丸地区コミュニティ協議会便りなどをご覧いただけます
・薩摩川内市の地域おこし協力について紹介されています
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