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第115回フィルムさんぽ(モノクロメンズポートレート回)に参加してきた件

 フィルムさんぽモノクロメンズポートレート回、と聞いた最初の印象は「マイティーストライクフリーダムガンダムみたいだなあ」というものだった。
 しかしながら一文で何をどうする集まりなのか説明出来ているため分かりやすいといえば分かりやすい。

 偏見であるがオタクはこういう機能的で長い文章は割と好む傾向にあると思う。
 汎用人型決戦兵器とか。プラーナ強制排出補助機構付初期型とか。LOVE〜眠れずに君の横顔ずっと見ていた〜とか。愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけないとか。
 また、すぐ頭文字を取って略したがりもする向きもある。G.U.N.D.A.Mみたいな。
 話がブレるが劇場版SEEDはシンが最高でした。生まれて初めてデスティニーのプラモが欲しくなった。



黒いOM-1


 さて、今回のモノクロメンズポートレート回、略してモメポ回は私の好きなILFORDのXP2を使えるので私は勿論参加することにした。
 いつも通り使用カメラを投票で選んでもらうのだが、ポートレートということで西側・東側の括りよりも使いやすい中望遠レンズを持っているボディを選択肢に入れてみた。


 投票は割と拮抗した得票となっており、結果が出るまでどのカメラが勝つか判らない様相を呈していたが、勝利したのはOM-1Nだった。

 うん、OM-1Nである。

 先日OM-1(及びM-1)の紹介記事を書いたのだが、それらとは違うものとなる。




 違うんだよ母ちゃん!だって黒は持ってない!

 たまたま私は1月から部署異動となり、毎朝1時間半掛けて車通勤をするようになったのだが、通勤経路の幹線道路脇に「看板は何度も見たことがあるが駐車場への入り方が分からないハードオフ」があった。
 朝の渋滞を避けるために裏道を探っていたら偶然そのハードオフの駐車場入口を見つけ(店の裏手の細い路地だった)試しに偵察してみたところ、カメラ関係にかなり強いハードオフであった。


 ミノルタMDロッコール50mmF1.4。1000円。


 PENTAX オートタクマー35mmF3.5。 1000円。


 Zuiko MCマクロ50mmF3.5。5000円。

 まあどれか一本でも使えるようなら充分元が取れるだろう、と見込んでいたら全部AB品状態だったという割とスゴイハドフである。

 で、このOM-1Nもスゴイハドフで売られていた。動作点検・確認済みで露出計反応OK、とのことだったので一度自宅に戻って電池と露出計持って店員さんにテストさせてもらってから買う、というヤクザな買い方をしたものだ。
 ちなみにレンズは50mmF1.8。2000円。

 「ボディがどの状態でもこのレンズは買うからこのレンズと持ち込んだ電池と露出計でテストさせてくれ」という無茶苦茶な要求の結果、見る限りは正常に動いていたようなので購入しておいた。

 その日はバーで飲む予定があったので集合までの約2時間で36枚のフィルムをほぼ使い切るという7年くらい前のフィルムの使い方をした結果、実用に耐えうると判断したため、今回エントリーさせておいたのだ。




僕らの求めたモノクロだ


 と、いう訳で午前9:30。
 鶴見駅に集合する。今回はたまたま撮影会の参加者が全員男性。主催曰くフィルムさんぽ始まって初、とのことで別名「男祭り」


 レンズはポートレート向きのものを用意してみた。Zuikoレンズの100mmF2.8。このレンズはとにかく小柄な所が強い。

 MCロッコール100mmF2.5と比較しても一回り小さく、50mmと大して変わらない大きさだ。
 イエローフィルターを取り付けているが、モノクロ回なので以前noteで紹介したコントラストマシマシ狙いである。

フィルムカメラダウン


 天気は快晴、暖かな日差しの中で撮影は順調に進んでいく。
 100mmズイコーと50mmマクロを両輪で使い、ペースはほぼ平均、1000mを60.2秒ペースくらいのイメージで進んでいた時、あることに気がつく。

「ん……?巻き上げノブが回ってないな」

 慌ててノブを巻き戻すと、スルスルスルー、と抵抗感なく回っていく。ノブを押さえたまま巻き上げレバーを上げると……

 あっ、回っちゃう!?

 どうやら装填したフィルムの差しが甘かったのか、途中でフィルムが抜けてしまったらしい!ちゃんと初手で確認したんだけれどなあ……
 死亡覚悟でフィルム室を開けると、すっかり巻き上がったXP2が!
 主宰にフィルムピッカーを貸してもらい(わたしはフィルムピック苦手なのでついでにベロ出ししてもらい)なんとか再チャレンジをすることに。
 しかし周りは25枚くらい撮影が終わっている。こっちは0枚から再スタートだ。更に言うとどのタイミングで抜けたのかよく判らないので場合によっては多重露光になってしまうかもしれない。
 しかしやるしかないんでしょう!こうなったのなら!

撮影、再び……

 とにかくトラブルの分の遅れを取り戻さなければならない。撮影スポットでの撮影も通常の3倍ほどのペースで一気に行う。
 ワンスポットに付き10枚前後の早撮り。そういえば、このOM-1Nのフィルムテスト時も駆け足で撮ったんだっけか。
 無事撮り終えて主宰に報告。

「撮り終えました!」
「は!?」

 蓋を開けてみるとほかの参加者を途中で追い抜き、一人だけ終わってしまった。

「あと2時間くらいあるよ!?」

ぐわっ、急ぎすぎた!

 そして最近フィルム高いから予備のフィルムも持ち歩いていないし、荷物が重たくなるのでデジカメも置いてきた。
 どうせ普段は持ってきてもそんなに使わないし。

 


 まあ強いて言うなら私のスマホは一応ライツフォンなのでそれでなんとか……
 結局後半はほぼウォーキングとなってしまった。失敗したな、ミラーレス持ってくれば良かった。

エムと呼ばれたS(システム)


 こうして撮影はトラブルを起こしながらもギリギリ完了した。

 オリンパスのバリマグニファインダーは非常に造りがよく、短い時間でバシバシ撮影したがピントもしっかり合っていた。
 

 先ほど紹介したマクロズイコーを使って目線のアップ。本来はマクロエクステンダーを使って等倍マクロチャレンジする予定だったのだが、エクステンダーと間違えてテレコンを持ってきてしまったためハーフマクロ域での撮影となった。
 それでもモデルさんから20cm前後まで近づいて撮っていたため「近い近い近い!」と周りからツッコミを入れられたりしていた。


 これはフィルムを装填し直してからの1枚目。内心は20枚以上の遅れを取り戻すため心臓バクバクである。

 殆どの撮影はZuiko 100mm F2.8とアングルファインダーを使用して撮影している。
 100mmF2.8の……


 Mシステム用のもの。

 当然OMズイコーの中では最初期のものになるが、元々オリンパスの中望遠は映りが優れていることとイエローフィルター使用が噛み合ったのかやたらよく映った。



 主宰から「引いて撮れ」と言われているのに言う事を聞かずガンガン寄って撮っている私。
 どちらかというと女性ポートレート寄りの距離と撮り方、と評された。


 そして、今日一番よく撮れたなー、という写真を講評し合うことに。

 Mシステムの威力を見ろ!!




 なんだこの映り。デジタルかよ。

 「ポートレートオブポートレート。王道で小細工なしでやってきたお手本のような1枚」と主宰のurbanさんとモデルの稲松さんに好評価を頂き、なんと見事稲松さん賞を頂く事が出来た。


 商品はイルフォードデルタ!やったあ!
 馬を撮影するのに高感度フィルムはすごく役に立つ。自家現像は現在出来ないのだけれども。


 

進化するOM-1N

  ちなみに今回は現像待ちの待機時間に比較的余裕があったため、横浜マルイのワットマンを皆で訪問する。
 私は丁度デスティニーガンダムのプラモを組んでいて、トップコートと白い塗料を切らしていたので同じビルの駿河屋に寄ってからカメラ屋さんに向かったのだが、ジャンクコーナーであるものを見つけた。

 「あっ、ワインダー1!」

 OM-1の後期以降のモデルにアクセサリとして用意されたモータードライブのワインダー1があったのだ。
 扱いはジャンク品で動作未確認だったのだが、実はワインダー2は探すとポロポロ落ちているがワインダー1は意外と少ない。(しっかり探せばたまにある)
 私の手元のOM-1後期型とOM-1Nはワインダー取り付けに対応しているため、一か八かでぶっ込んでみた。


 電池の向きを間違えるなどのくそイージーミスを経て、ワインダーをジョイント。シャッターを切ると……

 パッシャヤーンッ!!

 こいつ……動くぞ……!!

 あまりに心地の良い音だったので、玩具を買ってもらった子どものようにニコニコしながら空シャッターを押しまくっていた。

 パッシャヤーンッ!!

 パッシャヤーンッ!!

 パッシャヤーンッ!!

 シメシメ、これはおうまの撮影にも使えるぞ……



 かっこよすぎるな。

 今回はモノクロで、メンズで、ポートレートという条件の中で皆素晴らしい写真がポンポン出てきて大変面白かった。
 途中トラブルで撮り直すこととなり、慌ててトランザムしたのはあまり良くなかったかな。
 モメポ回、また実施されるなら是非参加してみたいと思う。



 kaz

 






 




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