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「サーチ/Search」を見た(ネタバレあり)

自分の大切な人が突然いなくなったとしたら、あなたはどうするだろうか?

これは、突然連絡が取れなくなった娘を父親が必死に探す話だ。



探し方が情報化社会を意識

高校の勉強会に参加するするため帰りが遅くなるという連絡を受けてから、音信不通となった娘を父親が探すことになるのだが、第一段階としては残された娘のパソコンにこのされたデータや古い妻の使用していたアカウントに残された連絡先などを手掛かりに行方を探していく。

さらにそれらの方法では進まなくなると、娘のインスタグラム、Facebook、ライブ配信アプリなどにアクセスして、フレンド登録している人たちにアクセスして娘の足取りを探っていくなど、手がかりを探す方法が今どきのアプローチを意識しているところが、ユニークに感じた。


独特のアングルも特徴

父親が捜査をSNSにおける人間関係を中心に行なっていくため、アングルがiPhoneのカメラを通しての画像や、PCのカメラを通じての画像を多用しているところが特徴だ。

見る人にとっては見づらいと感じるところがあるかもしれないが、映画のテーマや雰囲気を出すのにかなり役立っていると思う。


娘の側面がわかって父悶絶

娘のSNSを探っていくと、子供の頃から始めていたピアノのレッスンを、半年前に辞めていることが判明したり、友達が多いと思っていたのに実際はほとんど昼ごはんを一人で食べていたことがわかったりと、父親がイメージしていた娘の姿と大きく異なり、驚くとともに激しく苦悩する。


しっかりと伏線が回収

映画は、冒頭で娘が生まれた直後から高校までの回想シーンが流される。この間のシーンでは、母親との生活が描かれているが、彼女は癌により他界してしまう。

父親が失踪した娘を探すだけを主題とする映画とするなら、親子の繋がりだけを描いたような冒頭のシーンは全く不要なものであるが、ママ友を通じて娘の友達と連絡をとったり、母親が作っていた料理のレシピを探したりする際に、リアリティを演出する役割を担っている。

それ以外にも、本編に対して色々な形で伏線を提供する機能を担っており、この映画を単純な父親の捜査一辺倒にしない、巧みな構成になっていると感じた。


ストーリー展開は自分好み

父親が自らの手で娘を探そうとしていく中で、様々な人に対しての疑惑が生じていく、この辺りが最終的に、ストーリを二転、三転させていくことになるのだが、疑惑の発生のタイミングが非常に上手く、個人的には間伸び感が感じられず、それぞれの疑惑に対し、しっかり自分の中で消化してから見ることができた。


サスペンスものとしては、犯人を追いかけたり、銃を発射したりといったアクションはないが、主人公である父親と一緒に推理をしていくような展開が好みの人であればおすすめだ。


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