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小さなDXっぽい改善ができないか、身の回りの業務を分析中(その3)(修正追記9/26)

初めに

 某小売業にて、チラシやカタログパンフの企画・製作に携わる仕事をしております。最新のサービスやツールを利用して、身の回りの業務を改善できないか考えているうちに3回目となりました。
 今回は、全二回で考えたことから、2つに絞り、再度、具体的に考えてみるとともに、新しく非線形の発想法と呼ばれるフレームワークを学んだ結果、取り組んでみたいと思った改善を1つ考えてみます。

第2回

第1回


1.チラシの商品画像をフックにして、自社オンラインサイトに誘導する、又は詳しい商品情報のページを案内するプロモーション

 過去2回になかったアイデアが、いきなりトップ出てきて脈絡がないように思われるかもしれません。この間に、非線形の発想法というフレームワークを学んだ結果出てきたもので、今まで考えてこなかった部分であるがゆえに、自分の中の注目度No.1です。

非線形の発想法から得た表


 非線形の発想法とは、別名、形態分析法ともいわれ、課題と解決策をマトリックスに並べ、無理やりこれまで考えなかった組み合わせで、課題と解決策を結びつけるという風に、自分は理解しました。
 縦の課題の列は、お隣のチラシチームから頂いたものや、自分達のチームの課題を並べています。
 横の列には、次の様な単語を並べていました。


AI/Teachable Machine/Twitter/YouTube/GoogleSheets/ Zoom/Teams/LINE/
スマホ/HTT/Node-RED/Make/OCR/音声認識/音声合成/画像合成
Power Automate/Power BI/Power Apps/Power Query/Power Pivot/VBS

 横の列に現状知っている技術を並べて、縦と横の掛け合わせで解決策を探るというフレームワークの一種ですが、実際には埋められなかった部分や重複する内容もあるので、整理したのが上の表です。

 さて、この中で、一番解決してみたいと思ったのが、④⑤でした。近年、チラシやカタログにQRコード(※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。)を入れておき、スマホなどでスキャンすると、連携したWEBサイトや、その中の商品ページに誘導するというものが流行っています。紙面の片隅にサイトへの案内をするコードが一つ載っている程度であれば、違和感はありませんが、近時は商品ページへ誘導するコードが商品ごとに載っていたりします。しかし、QRコードが、いっぱい並ぶと見た目に美しいとは言えません。
 また、制作コストを跳ね上げることになります。なぜなら、間違いなく掲載するためには、何重にもチェックが必要になり、印刷会社の手間が大きくなるからです。掲載点数の多いカタログでは、なおさらです。
 QRコード無しで、同様のことが出来れば、制作コストは上げずに、お客さまの利便性を上げられる可能性があります。
 そして、実際にプロトタイプのプロトタイプ程度のものですが、実際に作ってみたのが、以下のリンクです。

 機能の中心は、Teachable Machineです。Node-REDというビジュアルプログラミングツールを活用して、一連のデータの流れを一つのLINE-Botにまとめています。

動作の流れ図(詳細はQiiitaにて)


 紙面の美観を損ねるといっても、二次元コードは、ほぼ100%正確に誘導できる優れものです。それに比べると、回りくどいことをやっているのかもしれません。しかし、可能性を感じました。商品点数が多くても、認識率が下がらないように学習させるテクニックと登録作業の効率化など、解決しなければならない課題も多いですが、もう少し可能性を探ってみたいと思います。


2.売上の集計作業を自動化したい

 過去2回で、最初に上げた課題です。 
 必要は発明の母といいますが、これは、自分自身がもっと時間をかけたいところにリソースを配分するために、ぜひとも実行したいと思っています。
 毎週、作業時間が数時間でも短縮できれば、残業時間も減らすことが出来ます。残業も極力減らすように指導されている最近です。
 問題は、一つのテーマとしてみることは出来ても、中身を検討すると細かいプロセスが多く、一つの仕組みを作れば、解決につながらないところです。逆にみると、細かいプロセスについては、これまで学習したツールの応用でも自動化できそうに考えています。
 前回は、作業の工程を3つに分けて考えていましたが、カタログによって共通化できない部分がある為、複雑な仕組みになるのは避けられないと思いました。
 そこで、今回は、様々なカタログ企画のうち、売り上げ構成率が高く、期間も比較的長い、冬ギフトに企画を限定し、サーバーからのデータの取得、データの加工・集計、データの配信まで、一気通貫で自動化し、毎週同じタイミングで自動実行させることを題材にするのはどうかと考えました。

作業内容をざっくり、並べると次のような感じになります。

  1. データサーバーにIDとPASSを入力して、自動でログインする。

  2. データサーバーに取得したいデータの種類、期間などを設定し、データをDLする。

  3. 取得したデータから、古い店コードの物を新しいコードに入替えたり、日付をexcelの日付形式に合わせたり、不要な部分を整理する。

  4. 予め作成しておいた、excelのフォーマットの中に、新しいデータを貼付け、表やグラフの設定を新しいデータの為に修正する。

  5. データを保存する際に、配信用の表とグラフだけにしたデータと、全てのデータを含むデータと2種類を所定のフォルダに保存する。

  6. 配信用のデータは、指定の配信先にOutlookで、新規のメールに添付する形でメール配信する。

  7. 社内パブリックフォルダにIDとパスを入力してログインし、指定のフォルダに投稿して完了。

  8. 毎週、同じタイミングで繰り返す。

 使用するツールの中心は、PowerAutomateあたりになりそうです。不足する部分があれば、出来るだけほかのツールを組み合わせて、解決できる見込は、高い方だと思います。
 本来は、PowerBIとPowerQueryを使えば、もっとスマートに実現できるはずですが、配信先が多く、有償のアカウントがないため、無償で利用できるツールだけで行いたいと思います。
 一連の流れがうまくいけば、少し修正加工して、別の企画用に派生版を作ります。通常、カタログ企画は、ほぼほぼ、毎年同じ時期にリピートすることが多いので、ひとつずつ追加していけば、すべての企画で自動実行できる環境が1年後には完成するでしょう。
 第2回の時よりも、実現可能性が上がったように思います。

3.チラシを打った結果を見やすく残したい

 この課題は、過去2回、2番目に挙げていた課題です。
 チラシを打った後の売れ数や金額、目標に対する消化率などの数字を分析し、それらを、チラシの商品画像に上にマッピングすることで、チラシ上の掲載位置や、企画の表現の良い悪いが売れ行きにも影響を及ぼしている可能性も見えてくるかもしれません。そこまでといわなくても、こういった資料は、バイヤーに対する原稿の要望に根拠を与えられます。実は、過去には、この作業を手作業でやってくれる人がいました。異動後、後任がないため、誰もやってくれなくなり滞っています。自動で復活させる事ができれば、大変助かります。

ダミーのチラシと、実現したいイメージ


 チラシ期間中の売れ数や売り上げを抽出してくることは、自動化の見込みが高いです。現状、チラシ上の商品の位置を判別して、適切に求めた数字をマッピングするための仕組みが判りません。画像解析というよりは、OCRのような機能を持つサービスを組み合わせて、解析した商品名や売価と原稿情報を照らし合わせて、位置を特定するというようなロジックが必要になると思います。近時のOCRはかなり優秀ですが、白い紙に印刷されたものと違い、商品画像の上に文字が載っているチラシは、ハードルが高いように考えます。また、位置を特定して、数値をマッピングするためには、OCRが元の文字が存在した位置情報も返してくれないといけないということになり、使用可能なサービス・ツールの選択が一層難しくなりそうです。
 この3週間で、恐れ多くも自動化するのは当たり前という感覚に変わってきました。そこになにか新しい価値を生み出したいと、気分が高揚しているので、実現可能性を模索していきます。


まとめ

 今回は、三つに課題を絞りました。目下、一番手堅いと思うのが2番目、
次が、プロトタイプのプロトタイプレベルのものが作れているので、1番ゴールに近いように感じます。しかし精度が問題なので、ゴールの設定の仕方にもよりますが、自分の技術だけではどうにもならない部分もあり。暗礁に乗り上げる可能性も否めません。そして3番目、技術的には難しそうですが、活路が見いだせるならぜひ取り組んでみたい課題です。


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