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一人二役で議論を牽引!ファシリテーターと参加者の役割を絶妙にこなす方法

こんにちは、DeployGateの安田です。2023年2月に打ち立てた仕事とプライベートにおける自身のコミットメントに基づき、経営チームのレベルアップに向けた施策立案と実施、カスタマーサクセスチームの新規立ち上げに向けた各種調査と施策の実践、子供達の慣らし保育に向けた準備と運用などなどをやっていたらあれよあれよという間に時間が経ってしまい、気づけば仕切り直し宣言が反故にされたまま早3ヶ月…早い..辛い..マズイなうです😇

自分自身との約束を守るために盛り返していくぞ!ということで、今回のNoteでは藤崎が先月お伝えしたプロダクトビジョンを作るにあたって、悩めるプロダクトオーナーとどのように壁打ちしたのか、ファシリテーターとしての基本的な考え方と実際に行ったタスクについて前後半2回に分けて紹介していきます。

話を進める前の大前提

そもそも私はファシリテーションについてアカデミックに学んだわけではなく、関連資格も持っていません。ただ昔からチームのコミュニケーションを円滑に回すことに興味を持っていたためか、日常業務では頻繁にファシリテーターを務めることがあります。好きこそもののなんとやらで、書籍やブログ記事などを読み漁りながら現場で試行錯誤するという学習サイクルを回しながら、絶えず学びを深めています。そのおかげか、周囲のチームメンバーからの相互フィードバックを見ても、議論を円滑にしチームを前に進める能力を評価してもらっている感じがします。

自己評価としても一定のファシリテーションスキルを持っており、得意な分野と認識していますが、思うようにファシリテートできずに議論が膠着することもしばしばです。また最近は社外プロジェクトでもファシリテーターとして参加して欲しいと言われるようになったこともあり、ファシリテーションの本質や実践的なノウハウについて体系的に学び直すことを決意し、勉強していました。その折、藤崎からの壁打ちSOSが舞い込んできたのです。

ファシリテーターの役割とは何か

さて、皆さんはファシリテーターと聞いた時にどのような役割をイメージするでしょうか?私がなんとなくイメージしていたのはお笑い番組の司会者でした。司会者は滞りない番組進行を行いながら、場の雰囲気を作り、声の大小に関わらず各演者にスポットライトを当てエピソードトークを巧みに引き出し、演者同士の絡みを促し、一つの面白いコンテンツとしてまとめ上げていく役割を果たします。ファシリテーターも同様に、会議ごとの目的に合わせた形で、円滑に進行するために議事録を事前に用意したり、会議中は議論自体には立ち入らずに、あくまで外側から中立的な立場で参加者の議論を促しつつ、意思決定や合意形成に至るまでをサポートしていきます。

と、今まで書籍や経験から学んできたこととしては上記のように思っているけど、本当にそうなのだろうか?とファシリテーションの本質について体系的な学びを得たいと思ってAmazon内を彷徨っていると、自分の疑問にドンピシャで回答してくれる「共に変容するファシリテーション」という書籍に出会いました。そして目から鱗が止まらなくなったのです。

小規模チームにおける難題

多くのスタートアップ企業では特に人的・資金的な制約が強く、専任のファシリテーターを雇ったり、外部委託することが難しかったりします。また、ファシリテーターがいたとしても、対象のビジネスやプロダクトについての深い理解なくして議論を円滑に進めることが難しい場合も多々あります(特に弊社のような開発者向けのプロダクトではさらに難易度が増します💀)

つまり多くの場合、ビジネスやプロダクトについて理解しているチーム内のメンバーがファシリテーターと議論の参加者を同時進行的に担うことを余儀なくされますが、これは上述した「議論の外側から中立な立場で議論を進行する」を成り立たせなくします。自身の経験上、議論が膠着してしまったケースを思い出すと、大抵はファシリテーターである自分が「安田さんはどう思いますか?」と議論の内容に引き摺り込まれるか、自身の考えがあったため議論に踏み込みすぎてしまった結果、議論を上手く着地させられずチームが議論の中で迷走してしまうことがありました。

このような議論の膠着は、自分がファシリテーターの役割に集中できず、参加者を兼務したことが原因となっているのではないかと感じていました(巷でファシリテーターは議論自体に参加すべきではないとよく言われています)。なのでこれは小規模チームにとっては避けられないアンチパターンではないかと思っていましたが、書籍からの学びにより、どうやらそうではないことが分かりました。

バランス!バランス!バランス!

著者のアダム・カヘンは、従来のファシリテーションには垂直型ファシリテーションと水平型ファシリテーションの2つのタイプがあると指摘し、新たなアプローチとして変容型ファシリテーションを提唱しています。変容型ファシリテーションは、垂直型と水平型のそれぞれのプラス面とマイナス面を考慮しつつ、参加者の状態や議論の進展の変化などを注意深く見極め、状況に応じて2つのタイプの間を行き来しながら、複雑さや対立が生じたグループが協力して前進できるように支援することを目指しています。

詳細については是非書籍を読んで欲しいのですが、小規模チームでファシリテーターと参加者の役割を兼務する自分にとって、以下の内容は特に目から鱗でした。

  • そもそもファシリテーションには複数のアプローチがある

  • ファシリテーターは常に中立的な立場で議論の外側から支援する役割に固執する必要はない

  • ファシリテーターはチームを前に進めるにあたっての障害を取り除けるようにできることは何でもする

  • 基本的にはファシリテーターがプロセス全体の責任を持ち、参加者自身が議論の内容に責任を持つが、責任の分担は状況によって異なり、ファシリテーターが内容に関与する場合もあれば、参加者がプロセスに関する意見を述べる必要がある場合もある

これまで中立的な立場で議論の外側から支援することこそがファシリテーターのあるべき姿という縛りゲーの中で生きてきた私ですが、垂直型ファシリテーションと水平型ファシリテーション、ファシリテーターと参加者の役割、プロセスと議論の内容、外側と内側など、さまざまな対となる要素をバランスよく行き来しながらチームをサポートし、時には参加者のように議論に参加しながら前に進めることがファシリテーターの役割であることを理解できたことは大きすぎる収穫でした。今ではなんの気兼ねもなく、議論の進展を見ながら自身の役割を適切に変化させることができるようになりつつあります。

まとめ

このNoteでは、ファシリテーターとして議論を円滑に進めるための基本的な考え方を紹介しました。すべてのチームに必ずしも当てはまるわけではありませんが、もしチーム内の議論が頻繁に膠着する傾向がある場合は、ファシリテーターという役割の枠にとらわれず、チームを前進させるためにできることは何でも積極的に行うことが重要ではないかと思います。

次回のNoteではこの基本的な考え方をもとに、ファシリテーター兼参加者として実際に行ったタスクやその中での失敗などについて書いていこうと思います!

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