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『存在』や『生命』という得体の知れないものと『人生の残り時間』と『その価値』

私たちは確かに今を生き、確かに命を燃やしている

生命というものが、どんなものなのか未だ一向に解らないが、どういう学問で、どう定義できるのかという事はさほど重要ではない

とにかく感嘆させられる出来事が起こっている
悲哀などに暮れている暇はないのだ

この『人生』や、その根底をなす『存在』というものが、一体なんであるのかという事を、完全に知ってしまいたいと痛切に願う欲望があるとする

あたかもそれを悟ってしまう事こそが、人生において到達すべき最大の価値であるかのように

真実への到達

真実の達観

この『生命』が真実を知ってしまった時、一体何が待っているのか?

それを知ったところでどうだっていうのだ

一体何がもたらされるのか? 
ひょっとしたら何も起こらないかも知れない

―――真実は今もその頬の傍らに既にあるのだから

しかし見知らぬふりもできることではない

人生の残り時間は刻一刻と差し迫っている

何も起こらなくとも構わない

まずはそれを知ろうじゃないか

それを知った先に考えればよいのだ

それが生命の感嘆と共に今を生きるしか術のない人間の宿命に報いる最大の体現という価値なのだから



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