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広報はひとの心に「存在感」を醸成する仕事。

「ステークスホルダーと企業の間に中長期にわたって良好な関係性を構築すること」というのが、一般的に定義されている企業広報におけるゴールだと認識している。

前回の「広報の資質」に関する記事でちょっとだけ触れたのだけど、最近、私は広報の仕事は「相手の中に存在感を醸成する仕事」と伝えるようにしてる。

「どんな」存在感か。その「どんな」の部分がいわゆる「ブランドイメージ」などと称されるものではあるが、それは広報活動の結果として相手が抱くものであり、の複雑極まりなく未来が不確定で、消費も嗜好も多様な時代に「どんな」を絞って絞って絞って、他とかぶらないように、こちらで定義するのはいささか烏滸がましいし、もはや難しいのでは?と思うこともある。入り口のあるところだけの双方向コミュニケーションではなく、取り巻く360度全方位の双方向コミュニケーションの時代、そして、人と同じく法人も変化し得るものであることを思えば、全体の「人となり」を覚えておいてもらうぐらいでもいいのではないかと最近思う。人にはいろいろな顔があるのだから。

もちろん「どんな」を設定するのは悪いことではない。持っておけるなら持っておいてもいいが、実務をする広報パーソンは、ひとつの「どんな」に固執することなく、法人というひとりの人の多面性のある人格を話して紹介できればいいのだ。そして相手にその人の「存在感」を残すことを目標にしたらいい。

誰か、それは個人に対してかもしれないし、特定のコミュニティ(地域のような)に対してかもしれない。最初はなんとなく気になる存在になれればいい。あるときふと心をよぎったり、何かをきっかけに思い出すような。

それから、あわよくばしばしの間、その人の心を占領して、すこし考えてもらえるような存在になればいい(いま何やっているんだろう?とか)。

これだけたくさんの企業が存在し、氾濫する今なのだから、人の心に「存在感」を残せたら、広報として、もうそれで勝ちではないだろうか。

そんな「存在感」を人の心の中に醸成していく仕事が、広報。皆さん、そんな定義は、どうでしょう?

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