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「試住ワーク」の挑戦から考えるワーケーションと移住の難しさ〜移住に必要なもの〜

2018年の年始、カヤックLivingで「試住ワーク」(仮)という制度を導入しました。「暮らしをつくろう」というビジョンなんだから、まずは自分たちからやろう、さまざまな暮らしを探求していこうと発案。(仮)とついているように、まずはやってみようとトライアルを開始しました。

詳細は当時mediumでまとめています。

概要をここに記すと

・「暮らしをつくろう」はまず自分たちから。暮らしづくりの試住のためのリモートワークは歓迎。
・会社としてはできる限りサポートする。
・条件は一緒に働くチームメンバーの同意(当時はひとまず1年に3ヶ月までとした)。

シンプルなルールで始めました。そもそも社員が5〜6名しかいないわけですからひとりでも使ってみてもらえればよい、ぐらいの気持ちで。

それから1年半。時代は令和となりメンバーも増えましたが、今のところ利用者はいません・・・。利用しない制度というのはなくなるのが常と決まっています。

「試住ワーク」はいわゆる「ワーケーション」の部類の制度です。欧米ではサバティカルに次いで、そこそこ事例も多いようですが、日本ではそんなに事例は多くはない。なぜ「試住ワーク」がワークしなかったのか?廃止する前に、移住や二拠点の難しさがここから改めて見えるように思い、まとめることにしました。

※ここでは制度自体のルールの緩さ(フォロー内容が都度申請しての検討になっていたこと。申請フォームがなかったことなど)は、スタートアップゆえの臨機応変ということで目を向けないものとします!

なぜ「試住ワーク」が使われなかったのか?

理由① ワーク+バケーション?いや、バケーションなんかではない!2倍大変という事実。

仕事をしながら、場所を移すと何が起こるか。仕事は100%して、その土地も味わいたい、交わりたいから行っているので、1日が24時間では足りなくなります。昼、街を味わい夜仕事をするか、逆か。リモートゆえのコミュニケーションの難しさもあります。

どう考えても、2倍のコミュニケーション努力と、2倍の活動をする気概がなければ成立しないということが予想できる。そこまでの気概を持って試住に挑む人は少ないと考えられます。

理由② 2重生活はとにかくコストと労力がかかる

これは試住に限らず、二拠点も同じ課題を有しますが、主たる暮らしの場所と、もう1箇所の場所の二重生活は、生活コスト(家賃が代表格・それ以外がいにもハード面でいろいろ所有する必要があります)が2倍になる。コミュニティが拡がる一方でこれも2倍になる。など、2つの暮らしのラインを一度にもつハードな生活となります(これはよく言われる話ですが)。

理由③ 暮らしと仕事のバランスをどうとるか?

面白法人カヤックに「旅する支社」という制度があります。この制度は臨時支社をどこか別の場所につくり、職場のチームメンバーがごそっと1〜3週間移動してそこで仕事をする、というもの。少なくとも仕事のメンバーと行くので仕事面ではわりとそのまま移動することになります。

「旅する支社」ではなく「試住」(暮らし)と仕事を掛け合わせた制度にしたのは、やはり「暮らし」をつくる会社だからで、仕事と日常の暮らし(家族含む )を一緒に移動が重要と考えました。学校の学期中なら、そこで小学校や中学校に通わせるような、暮らしの移動です(夏季休暇に連れて行くのはちょっと違う)。

そのポイントだった「仕事と暮らしを一緒に移動」はやはりハードルだったかなぁと。いきなり家族に仕事はリモートでやるから3ヶ月沖縄に行こう、と言われても、学校は?私の仕事は?となりますよね(笑)。そこも乗り越えないと移住なんてできないだろう、という気持ちもあっての試住ワークだったのですが(そもそも9割の社員に子どもがいたからそのハードルの高さは半端ない)。そして当の本人も、行ったら行ったで「なんで仕事ばっかりしているの?」と言われるだろうし、仕事と暮らしのバランスコントロールの難しさもハードルになった可能性は高いと考えます。

ここ(↓)まで準備していけると素敵なのですが。


「未来」の暮らしをダイナミックに動かすために必要なことは何か?

試住ワークも、ワーケーションも、二拠点生活も「いま」の暮らしに加えて「未来」の暮らしをつくるための活動です。それはいまの延長線上ではありません。180度と言わないまでも90度ほど転換したり、自分の意志ある方向にぐっと動かす「未来」。動かす時期も転勤などとは異なり、個人に委ねられていて、数日から数年まで(時に無期限になることも)千差万別です。

ただ「未来」の暮らしへと移行するための助走期間に共通して必要なことはあります。SMOUTという移住スカウトサービスをやっていて、移住を実現した人が皆持っていると感じるものでもあります。

それは、

「意志の強さ」と「(何がおきても)楽しむ覚悟」。

移住という行為を現実にするのはそんなに簡単な事ではない。仕事と暮らしといろいろなことを一気に変化させるわけですから。と移住サービスをやっておきながらも、改めて難しいよなぁと考え、でも、「暮らしを探求しよう」「つくろう」とした時に、そのひとつの選択肢に「移住」はあるから拡げよう!と考えた令和の連休の終わりでした。

それは試住、二拠点、多拠点、アドレスホッパー始まり方は人それぞれであって構わない。期間も人それぞれであって構わない。まずは一歩を。

というわけで、もう少し「試住ワーク」を続けてみようかとも思います。








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ハッピーです!
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2019年夏、鎌倉からポートランドに夫と息子2人と移住。移住と地域のこと、ときどきPR。移住スカウトサービス「SMOUT」を2018年に立ち上げました。カヤックLiving代表取締役。みずたまラボラトリー代表取締役。https://smout.jp