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子育ては一つのいのちの世界を、未知な世界を拓くクリエイティブな試みです

私の場合は、子育てと建築家そしてキュレーターとしての仕事をたえず並行して取り組んできました。私にとっては、このどれもが一つのいのちの世界を、未知な世界を拓くクリエイティブな試みです。

わたしにとって、そうした世界観を創造していく重要性を教えてくれたのは、ザハ・ハディッドやレム・コールハウスなどがいた時代のロンドンにある世界最高峰の建築学校AAスクールで教育を受けていた時間でした。当時から世界をリードしていたAAスクールの教育理念は、建築を技術的な部分や職業的な観念に押し込めず、「個々人の世界観を育む」ことでした。「個人の世界を提示すること」そのものが建築だと理解されていたからです。そのために、ホーキンズの師であるゴードン・パスクをはじめとする宇宙理論講師と議論の場を持ったり、ベルリンの壁崩壊直後のソビエト連邦・東欧諸国を訪れたり、世界観そのものを揺るがすような対話や体験の機会が常にもたれていました。

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専門家による理工学部での教育に押し込まれている日本の建築教育とは異なり、こうした理念のもとに時代の価値観そのものを作っていくような建築思想家や実践者がここから羽ばたいていったのです。

この「自分の世界をひらき、提示できるようになる」という発想は、その後の子育てやクリエーターの育成支援でも重要な示唆となりました。しかし、グローバル化と自動化の流れの中で、ひとりひとりの人間の能力が問いただされる中、この理念が職種の限定なく、これからの生き方や教育の指針となるようになっていきています。


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親の生き方や世界観、どんな生き方をしてきたかが、子どもを育てるビジョンの一つをかたちつくっていきます。

もちろん子育てする中で、親の生き方も大きく変わっていきます。

親が広く多様な視点から柔軟でクリエイティブに生きるビジョンを創造していくことは、親子の掛け替えのない世界・未来を開いていくことでしょう。


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