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【愛着障害・うつ・AC】機能する家族とは?②受け止める


前回のつづきです


どの人の人生にも問題が立ちはだかることはありますが、アダルトチルドレンの人が生きづらいのは、問題の切り抜け方が下手だからだと言えます。

どんなふうに下手なのか見ていきますね。

アダルトチルドレンじゃない人を健康な人だとしましょう。この健康な人たちは、自分と環境とのあいだで問題がおきたら何とかして解決しようとします。解決しない問題なら、一時保留にして気分転換したり、問題からはなれて別の選択肢を考えようとします。

健康な人たちは、一箇所に留まって悩み続けることができません。自らの力で人生を切り拓いていこうとします。

それに対してアダルトチルドレンの人は、不本意なことがあっても我慢します。誰にも相談しないで一人でかかえて頑張ろうとします。そして相手が悪くても自分を責め、悩み続けます。

かつての私はそういう人でした。いやな人間関係、いやな仕事、いやな立場、いやな役割、それを嘆いているばかりで、自らの力で変えられるとは思いませんでした。その頃は無力感が強かったのでした。

回復すると、目の前に複数の選択肢があるのか見えてきますが。

アダルトチルドレンの人は、一箇所で身動きのとれない状態で悩み続けてしまう人です。

健康な人が当たり前にやっている、環境との摩擦でゆれうごく感情の処理をしながら、自分がほんとうにしたい事を着々とやっていく、ということが苦手です。

アダルトチルドレンの人の閉塞感と諦め感は、生育環境のどこから来ているのでしょう。

それは幼少期に親から感情の処理の仕方を教わってこなかったからです。

うちは虐待やネグレクトは無し、親はよくやってくれた。衣食住を与えてくれて、学校にも行かせてもらった、なのに生きづらい、という人がおられますが、そういう人は情緒的にネグレクトされていなかったかを疑ってみてください。

あまり知られていませんが、ネグレクトはDVよりもっと酷く、子供の脳の発達に障害が出るそうです。

とくに情緒的ネグレクトは過酷です。見守ってもらえない、気持ちを受け止めてもらえないことは、子供にとってとても辛いことなのです。私自身も親に感情を共有してもらったことが無いので、よく分かります。無視されると、自分がどこにも居なくなったような感じがします。私は居なくてもいいんだ、という変な思いこみがあったのですが、このへんから来ているのかも、と思います。

親に受け止めてもらえないと、子供は一人で感情を我慢するようになり、困っても助けを求めることができません。過剰適応したいい子ちゃんの出来上がりです。

親に受け止めてもらう体験があると、やがて子供は大人になってから自分で自分の感情を受け止めて処理することを覚えます。そして、自分の力で問題を切り抜けていけるようになります。

親が子供の感情を受け止めるのは、子供が成長するために必要な家族の機能なんです。


おわり

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