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大活躍した出産祝いのバスローブ

時間がある週末
家の片付けを少しでもやろうと思い
手始めに私の洋服がしまってある
クローゼットの中身を出してみた。

奥の方にあるクリアボックス。
一体何が入っているのか覚えていない。
もしかしたらこの中身は
全捨てでいいのかもしれない。

開く前に心に決める。

この中に入っている物達は
ここに存在すら忘れられて
置き去りにされてしまっている
可哀想な物達。


全捨てのつもりで開ける事。

いざ開いてみる。


新しいバスタオルが家族分。
何と!こんなところにしまってあったのね!
そろそろ新しくしたいと思っていたけれど
でも遥か彼方の記憶に
家族分のバスタオルをIKEAで買ったような?
でも見つからないし、
と前回もタオルを買って交換した。
これは是非このタイミングで
新しいバスタオルに総入れ替えしよう。

全捨てのつもりだったけれど…
でも古いバスタオルを捨てて
新しくする訳なので
良しとする。


次に出てきたのは
フワフワのバスローブ。

懐かしさが込み上げる。
これは私が出産した時に
会社の同期達からお祝いに貰ったもの。

私は職場結婚をした。

男性は総合職
女性は一般職
それが当たり前
そんな時代の職場だった。
そして子育ては女性の仕事
それも当たり前の事だった。

実際
忙しすぎる男性達は
子育てに関われる時間もないくらい
仕事ばかりの日々だった。

子供が産まれても
育児はワンオペだと容易に想像出来る。
実際
職場結婚した先輩方と話す事があると
いかに自分一人で頑張らないといけないかと
聞かされる事も多かった。

そんな会社で職場結婚をした私に
同期達がくれた出産祝いが
赤ちゃん用の物ではなく
私用のステキなフワフワのバスローブ。

バスローブとは縁のない生活。

バスローブを着るような人は
優雅にバスローブを着て
ワイン片手に夜景を眺める。
そんなドラマのような世界しか想像出来ない。

それなのに
何故母親になる私にバスローブ?

良く理解出来なかったけれど
同期の友達から
本当に役に立つから!と言われた。
ありがたく受け取ったものの
しばらくは部屋の片隅に置かれたままだった。


出産後に
本当の有り難さを理解出来る日が来た。

沐浴の時期が終わり
赤ちゃんと一緒に
お風呂に入るようになった時
お風呂からあがると
お風呂の外にセットしておいた座布団の上のバスタオルの上に赤ちゃんを置く。
そのまま赤ちゃんのお世話をする。

気付くと自分は
お風呂から出て濡れた体のまま
すっかり湯冷めしている。
しかも冬に突入していたため
寒くて寒くてあっという間に
風邪をひいてしまいそう。

そこで気付く。
あのバスローブはこの時の為だったのか‼︎

次の日からお風呂に入る時は
赤ちゃん用の座布団とバスタオル
それから自分のバスローブを
お風呂の外に置く事にした。

え?バスローブって濡れたまま着ていいの?
と一瞬悩んだものの
赤ちゃんを放置してそんな事にかまっている場合ではない。
赤ちゃんをささっとバスタオルでくるみ
その隙にささっと自分もバスローブを着る。
フワフワのバスローブは
あっという間に私の体の水滴を吸込み
無かった事にしてくれる。

これで寒い思いをせず
ゆっくりと赤ちゃんのお世話が出来る。

とにかく大活躍だったバスローブ。
週末
夫が赤ちゃんとお風呂に入れると
わかっている日にしか
バスローブの洗濯は出来ない。

その後
高校からの友達が出産することになり
お祝いにバスローブをあげたいなと思い
一応聞いてみた。

赤ちゃんとのお風呂上がりに
大活躍だったんだけど
お祝いはバスローブなんてどうかしら?

すると
バスローブじゃなくて赤ちゃんの洋服が良いとのお返事。
旦那様は今から毎日お風呂担当は自分だと張り切っているそう。

そうか。
バスローブが必要のない子育てが出来るのね。
家庭によって色々だな。

久しぶりに見たバスローブは
色々なところにシミがあり
おそらく赤ちゃんの吐き戻しとかその他色々
洗っても時間が経つとシミとなる。
とてもとても懐かしいけれど
もう出番はないかな。

処分決定


残りは何が入っていたかというと
子供達の小さい頃の洋服。
まだ綺麗だから誰かに譲れないかと思って
とっておいたもの。
広げてみると
それぞれに懐かしい。
周りに自分の子供達よりも小さい子がいなくて
あげる人がいなかったけれど
再就職した今は
周りに小さいお子さんがいる方が大勢いる。
なので
1枚ずつ広げて写真を撮る。
いきなり持って行って押し付けるのは嫌なので
今度写真を見せて
もし欲しいのがあれば持って行くよ
と伝える事にしよう。

男の子の洋服は
何枚あってもすぐ汚れたり破けたりするから
洗い替え用として
貰ってもらえるといいな。

もし引取り手がいなかったら
会社で毎年冬に
チャリティーで古着を集めているから
その時に持って行こう。

忘れてまた仕舞い込んではいけないから
手帳の12月のページに
早々と記入しておく。


これでクリアボックスの中身は
スッキリ無くなりそう。


何かを片付ける時
それは思い出と向き合う時。
懐かしんでいるばかりでは
時間ばかり掛かってしまう。 


でもそれはそれで
とても楽しい時間。



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