リタイア後の可能性〜夫婦の慣習に縛られない人生を送る
50過ぎると、「リタイア」という言葉が身近になる。私は会社経営者だから、定年はない。仕事がライフワークだから、体と頭が機能するうちは、仕事はし続けると思う。リタイアというより、徐々にフェードアウト・・・といった感じかな。
夫は違う。今はシュタイナー学校教員として雇用されている立場。定年がきたからといって、仕事を辞めなければいけないわけではないけれど、私よりは「リタイア」を意識する立場にある。
ここ何年も夫は、年金がもらえる年齢になったら、EU圏に戻る、ということを言っている。
夫はドイツ国民だから、ドイツから年金をもらえるし、ドイツから最低限の生活保障が得られる。住む場所、生活費など、贅沢はできないけど生活苦になることもない程度の補助がもらえる。
ただし、それは、夫がEU圏に住んでいなければいけない。すでにEUから脱退してしまったイギリスでは、ベネフィットは得られない。
私は、日本からも、イギリスからも、生活できるほどの年金もベネフィットももらえない。それを見越して、老後の準備をしている。ただし、私が生きていく分だけ。夫の生活費用までは出す気はない。
そして、私は、ドイツに戻る気は、全くない。日本語、英語で快適に暮らせない場所には、短期滞在ならいいけど、居住はしたくない。
・・・ということで、リタイア後は、夫はEU圏に、私はイギリス。という方向性がここ何年も私たちの間で了解済み。
つまり、別々の人生を歩んでいく・・・という合意。
最近、夫は「将来はパリに住みたいなー」と言い出した。
「いいね。私はパリはあんまり好きじゃないし、住みたいとは思わないけど、アーチストの街だしね。いいんじゃない。」と私。
去年は家族でパリ旅行に行ったけど、今年は夫ひとりで、自転車でパリにいくつもりらしい。「いいんじゃない、楽しんできて〜」と、私。
実は、リタイアを待たずして、別居を予定している。
子育てという共同の大仕事も終えたし、もう、それぞれの人生を歩んでいけばいいよね。・・・ということで。
別居であって、まだ離婚ではない。
着々と、自由へと羽ばたいている。
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