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シュタイナー教師になるには何でもできないといけないんですか?

シュタイナー教師って、ほんとオールマイティ。なんでもやっちゃう。

学校の教科を教えられることはもちろんだけど、絵も描けて、編み物や縫い物もできて、工作とかも上手で、歌えて、楽器もできて、詩もかけて、作曲もしちゃったりして。

今日、シュタイナー算数教員養成講座の受講生さんに聞かれた。
「シュタイナーの先生って、苦手なことはないんですか? どうやったらそんなになんでもできるようになるんですか?」

シュタイナー教師も人間です。誰だって得意もあれば苦手もあるんです。

シュタイナー教員養成でとりあえず一通りいろんなことをやります。でも、ちょっとやっただけでは、上手にはなりません。

ある先生は、絵に苦手意識があった。だから、夏休み中に、9月から始まる新学年の絵をひととおり描いて苦手意識を克服した。

私は幾何学のエポック授業のウォーミングアップで日本語の歌をみんなで歌いました。歌を教えるときには、教師が歌って聴かせて教えていきます。だから、私は、みんなの前で歌いながら指導しました。

私、音痴じゃないけど上手じゃないんです。声も通らない。音域も狭い。だけど歌を授業で教えると決めて、エポック授業の1ヶ月前から特訓しました。ひたすら発声練習して毎日何回も歌って。

そんな大変なこと・・・って思うかもしれない。でも、結構できちゃうんですよ。

それは、生徒に教える時、無理がなく習得できるような段階をへて教えていくから。

生徒に教えるとき、初日から合唱を完成させないですよね。

1日目に、1フレーズだけ歌えるようになる。
2日目には、2フレーズ。
3日目には、全体が歌えるようになり、
4日目には、2部構成になって、
5日目には、強弱のアクセントもできてきて・・・

・・・みたいに、学びのステップに無理がないように教えていく。
つまり、教える側にとっても、1日目には最低1フレーズ教えられるようになっていればいい。2日目、3日目・・・となるにつれて、先生も上達していく。

シュタイナー学校の先生は、1−8年生までの担任持ち上がりのシステムです。つまり、1年生をうけもったら、子どもたちが8年生になるまで一人の担任が寄り添う。

新任の先生は、何もかも初めてです。でも、1年生の担任になった初日から、8年間全ての内容教えることができなくていい。

1年生が学ぶことは、大人にしてみたら、本当に簡単なこと。それを、毎日毎日、少しずつ発展させながら子どもたちに教えられるように準備をしていくと、子どもたちより少し先をいきながら、先生も技術が身に付いていきます。

苦手なこともね。

先生が、自分の苦手なことをそうやって習得していくのって、すごく大事だと思うのです。だって「学ぶ」プロセスを、先生が体験しながら教えていけるから。

得意教科だけを教えていると、「子どもが何で理解できないかわからない」とか「子どもがここでつまづくのか理解不能」とか、結構ありがちです。

だけど、苦手なことを先生自身が学びながらだと、子どもの立場がよくわかる。どこが難しいのか。どこでつまづくのか。

学びのプロセスもよくわかる。

そして、子どもは「先生が学ぶ姿」から学ぶ。(これ、すごく大事)


先生も、ずっと進化し続ける。
教師としても、人間としても、とっても大事なこと。

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