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24才の起業〜自分が自分のボスになるという選択

社会人最初は企業入社

大学卒業してまず最初の仕事は、新卒で企業入社。エンジニアとして男ばっかりの職場で働くことに。先輩方に可愛がっていただいて、楽しくて遊んでばかりの会社員生活でした。

私は9才のときに、教員になると決めました。でも大学で教育について学び、自分なりに日本の教育について考えているうちにひとつの強い思いが沸き上がってきました。

「社会を知らない教員にはなりたくない!」

学校の先生って、ずっと小中高大学と教育現場にいて、そのまま教師になる人が多いですよね。学校の先生って、教科を教えるだけじゃなくて、子どもにとっては一番身近に接することができる「人生の先輩」のはず。そんな人間が、学校という狭い世界しか知らないまま、社会経験もなしで「先生」って呼ばれる資格があるのか???・・・って思いました。

少なくとも、私は、自分にそんな資格があるとは思えなかった。だから、まず一般企業で働くと決めたのです。教師になるための、必要不可欠のステップだと思って。


わたしの起業第一段階

私の最初の起業は24才のときでした。学習塾を開きました。学校の先生もいいんだけど、学校という枠組みに囚われないで教育をしたい。そして、高校3年間という短い期間ではなくて、小中高という長いスパンで子どもたちを見守りたい。

学校も好き。学習塾もいい。でも私は、「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉が大嫌いです。二兎が欲しかったら、二兎を追う。最初から片方を諦めるなんてとんでもない! 両方追ってどっちも手に入れられない方が、最初から諦めるよりずっといい。だから、8年ほど、高校講師と学習塾経営の二足のワラジをはきました。

そして、人に雇われるのではなく、自分で自分のやることを決めていきたいというのも起業の大きな理由のひとつでした。


自分が自分のボスになるということ

若干24才で起業した私のところに、私よりずっと年上の人たちがきて「若いのに社長なんていいですねー」なんて軽く言う。「いい」と思うなら、自分だってやればいい。本気でそう思うなら。(と心の中でつぶやく)

自分でビジネスをするということは、もちろん、全部自分で責任をとるということ。毎月定収入なんて期待できないどころか、利益がなく赤字だってあると覚悟を決めなくてはいけない。

自分でとってこなければ仕事はないし、その結果、収益もない。会社に入った時点で仕事も収入も保証されるのとはわけが違う。

自分で起業すれば好きなことをやれるけれど、好きな作業ばかりではない。どんな職務についていたって、自分の嫌な作業はある。自分でビジネスをしていると、好きじゃないからといって手を抜けば命取り。あっという間に、そのビジネスは潰れる。

自分が失敗しても、だれも助けてくれない。自分で責任とって対処するしかない。

しかも、自分で仕事を全部管理しなくてはいけない。誰も、管理してくれない。やる気にならない・・・って先延ばしにしていたら仕事は進まない。

仕事の厳しさもあるけれど、孤独もありました。今までの友達は、みんな起業家ではなく雇用されている人たち。上に書いたようなことを話しても共感してもらえない人たちです。大変なことは理解してもらえず「好きなことできていいねー」って言われる。今ほど起業が一般的でない時代でもありました。

確かに大変なのです。だから、私は、起業を軽く人にすすめません。起業家むきのひとと、そうでないひとがいる。起業家タイプでない人が起業したら苦しみます。どっちのほうが優秀だとか、そういう訳ではなく、向き不向きがある。

でも、実際わたしは好きなことができることだけでなく、起業家としての責任の重さとかも、誰にも頼れないところも全部ひっくるめて、気持ちよかった。自分の失敗でひとを苦しめたりすることもなく、自分で責任とれるのが嬉しかった。

子どものころから心の奥底にあった思いが、そこに湧き出てきた。「自分でお金だすから、自分で好きなようにやらせて」「自分で責任とるから好きにやらせて!」って。


全然偉くない代表取締役

起業して自分で仕事をして、今はイギリス法人のCEOです。っていっても零細ひとり企業ですが。笑 そんな法人でも、CEOというだけで「すごい」と言われることもあります。取締役というだけで偉いと思われることもあります。

まあ、だから、社会的信用を得るために法人を設立したんですけどね。仕事内容は同じでも、個人事業主と法人では社会的信用がまるで違う。

でも、私は、長い年月会社員を続ける人たちのことをみて、心から「すごい」と思うのです。私にはできないから。嫌味でもなんでもないのです。人には適性がある。私には、組織の中で働いたり、雇われたりする適性が欠けているんじゃないかとさえ思います。

私の経営者としての仕事は、私を信用して、私のために働いてくれている人たちがいるから成り立っている。しかも、私の苦手な仕事さえも引き受けてくれて、私なんかよりずっと上手にやってくれる。なんてありがたいこと。みんなが社長じゃ、経済は回らない。心から感謝です。

どっちの生き方もいい。自分に合っている生き方を見つけて、その生き方をすればいいだけのことだと思うのです。


だから私は、「みんな、すごい」と思う。肩書きや年収なんか関係なく、みんなすごいと思う。みんなすごい。みんな素敵だ。






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