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日本語独学学習者あるある③読みは中級、会話は初級

教科書にも先生にも頼らず、
インターネットにあふれる言語学習アプリ、Youtube、ソーシャルメディアなどを使って日本語を独学で勉強してきた人と会話をしてみると、
中級レベルの日本語を聞いたり読んだりして理解する能力は高いけれど、
日本語で答えるときに言葉が出てこなかったり、
ずいぶんシンプルな文型のみを使って話したりする人がいます。

会話だけしていると、てフォームからやり直しかな~
と思うレベルだけれど、
「げんき2」巻末の読み物を読ませてみると、ふりがなのついていない漢字もスラスラ読めるし、単語も文型も内容をちゃんと理解している、という生徒もいるのです。

なぜ話す能力と、読解能力に差が出てしまうのでしょうか。

まず、読解に必要な語彙や単語、文法事項の学習は、
ひとりでコツコツ勉強して覚えていくという作業ができさえすれば、先生は必要ありません。
教室の生徒の中でも、学習と上達のスピードが速い人というのは、
家で単語を覚えてきて、文型の練習問題も宿題で取り組み、レッスン中には新しい文型を学習することに集中し、会話や練習問題の中で、家で覚えてきた単語や文型を使えるようになる人です。
漢字や語彙が増えれば、文章もどんどん読めるようになり、
アニメや映画を見て、耳から入る日本語も、どんどん聞こえて理解できるようになっていきます。

単語と漢字、文型の学習と記憶は、独学でも進めやすいのです。

しかし、独学で覚えた複雑な文法や上級レベルの語彙を、会話でもすぐに使えるようになるわけではありません。
言葉のキャッチボールでもある会話は、相手が何を言ってくるか分かりません。
どの文法や言葉を使って答えればいいのか、素早く判断して応用する能力が必要です。

また、言いたいフレーズや文型が思いついたとしても、動詞や形容詞の活用を中にはめ込む必要が出てくることがあると、考えることが多すぎて諦めてしまう人もいます。

世界中で日本語を学習している学習者は、日本語を話す機会が少ない、またはほとんどない人が多いでしょう。
また、日本人と話す機会があっても、日本語を勉強している人の間違いを指摘したりしませんし、間違えて言っても意を汲んでもらえたりするので、会話のレベルがそこで止まってしまいます。

このように、独学で得た知識はどんどん増えていくけれど、それを応用させる会話の練習が不足していることから、読解能力と会話能力に大きな差が出てしまうのです。

今まで自分で日本語を勉強してきた、という学習者と出会ったときは、
どこから勉強を始めればいいのか、悩みますよね。
会話能力だけで日本語レベルを判断せず、
漢字交じりの読み物を音読させてみることも必要です。
そして、話しながら、知っているであろう文型や単語をどんどん使い、
予想レベルより少し上のレベルの読み物を読んでもらったりすると、
知らない文法が出てきたり、意味は知っているけれど使えない、というような、学習のムラというか、穴というか、
すっぽり抜けている事項が見えてきます。

独学で勉強した人が、先生と勉強すると決心するときは、
もっと話したい!もっと上達したい!という固い決意があってのこと。
すでにできることと、これから練習が必要なことを見極めて、
毎回実りあるレッスンができるように、準備したいものです。

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