火種はどこだ 【短文】19歳
灰も残さぬ位燃やしてやりたいのに、
火種がどこにも見つからない。
これ以上抱えきれないのに
それでも内から湧き続け、
軋んで悲鳴を上げていた。
早く燃やせ、火をつけろと。
夕陽の色が大嫌いだ。
ワタシのことを煽るから。
何も無い、急げ。
今日が終わってしまう。
今日も、終わってしまう。
点火もされぬまま。
火種を寄越せ。
誰でも、何でもいい。
燃やしてみせろよ、
いっそ、ワタシの体ごと。
燃やさせてくれ。
燃えさせてくれ。
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